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20131030Wed
 >完全に趣味

今日は一日絵を描いていた。
といえばなんか優雅な一日のように聞こえるけど、
パソコンの画面に映ってる画像を見て描いてるわけで、
実際にはものすごく不健康。
なんか、あれよね、イスとかイーゼルとか持って、
写生大会と洒落込みたいよね。この歳で。

Twitterには順々に貼ってたんですが、こっちにも一応。
昨晩からの時系列で、

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ゲイリー・オールドマン@LEON

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北野武@ソナチネ

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板尾創路

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市川実和子

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リクエスト頂き、ダニー・アイエロ@LEON


板尾さんが一番似てる。
あと、ゲイリーは大きいサイズで描く練習も兼ねたっていう。服の陰が素敵。
まぁ、似てる似てないは別にしても、段々上手くなってる気がします。

目標
・複数人を書けるようにする
・人以外の練習
・実物を見て描く練習
・塗り方の研究
・マンガっぽい絵も練習する
・もっと沢山描いて、いつか想像したものを描けるようにする

注意
・楽しくて他に何もしなくなってしまう点には注意。


ナイターも終わったところで、今日はここまで。

東京事変 月極姫


作曲・浮雲 ←この人、引き出し多すぎ。
アウトロの、わっちのオルガンのフレーズ、ニヤッとさせすぎ。
それより何より、林檎のYシャツ可愛すぎ。ワンピ?
あと、ラストのマトリクスは笑っちゃった。

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20131029Tue
 >コオロギ捕獲隊

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渋さ知らズの渡部真一氏を描きました。
カラー写真を絵にするというのは難しいですねぇ。
ということで、お馴染みのセリフで誤魔化しました。
いまだに僕の心のベストテン第1位は『Naadam』です。

-

珍しくメールをする用事があったので、ついに職場に携帯電話を持っていった。
けど、そんなに触らず、やっぱり本を読んでだ。
宮本輝『星々の悲しみ』、もうすぐ読み終わる。
読み終わるのが勿体ない短編集。
敬遠していた作家ほど、良いものを書いている。
我ながらもったいない人生だ。

-

綾波(トカゲ)を迎え入れてから5日。
ようやく色々と慣れてきた。
当然のことながら、トカゲよりも、エサのコオロギの方が成長が早い。
僕もまだ、色々ホームページや書籍を見て勉強している最中なのですが、
エサのコオロギは、外で捕まえてきたものをあげるわけにはいかないのです。
寄生虫や菌の心配があるからです。
“ガットローディング”というのですが、
エサとなるコオロギに充分な栄養分をとらせておいて、
それをトカゲに与えることによって間接的にトカゲに栄養を与える、
という方法で、基本的には成長させます。
僕は一人暮らしで初めてミカンを買い、自分では食べずにコオロギにあげました。

僕はまだやっていないのですが、
コオロギにカルシウムやビタミンのサプリメントをまぶしてトカゲに与える、
“ダスティング”という方法も有効とのこと。
コオロギやミールワームに充分栄養を与えておけば必要ないらしいのですが、
やはりカルシウムは不足しがち。トカゲの体がキレイに育たなかったりするようです。

つまり、トカゲを飼うということは、コオロギを飼う、ということ。
コオロギが無理なら、ミールワームでも良いけど、とにかく虫を飼わなきゃいけない。
虫の繁殖に成功すればエサ代がすごく浮くし。
今エサに使っているヨーロッパイエコオロギは体も小さいので、僕は初めから手づかみ出来た。
けど、綾波が結構ドン臭いので、なかなか跳ね回るコオロギを捕まえられず、
ペンチでコオロギをはさんで、綾波の目の前で振って食べさせるという方法をとっている。

食物連鎖という言葉は知ってはいてもなかなか実感することが出来ない。
ケージの底に落ちた、コオロギの千切れた脚を掃除しながら、
なるほど、こういうことか、と。
いや、僕は綾波食べませんけどね。

明日は休み。エサのコオロギを補充しに行く。


ってなところで今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

渋さ知らズ「一週間」





20131027Sun
 >2日目

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経験4.携帯を家に置いていく(2日目)
自転車で通勤しているのですが、
信号で止まったときにどれだけスマホを見ていたかがよく自覚できます。

綾波(トカゲ)、今日は暖かかったためか、なんか元気。さすが変温動物。
エサのコオロギも、ニッパーでつまんで食べさせるという技を編み出し、時間短縮。
(っていうか、ケースにキッチンペーパーしか敷いてないので、
 綾波が滑ってしまって、上手くコオロギを捕まえられないのです。
 オシャレに砂を敷くのもなんかめんどくさいしなぁ、っていう)

ってなわけで、少し落ち着いてきたので、絵を描く。
今日はジャンゴを描いてみました。
ウディ・アレンの映画では『ギター弾きの恋』が一番好きという軟派者が僕です。
弦が適当なのと、服の柄が変になっちまったのが反省点。
あと、手がやっぱり難しいですね。
毎日描いてたらきっと上手くなるのだろうな、という気がしてきました。
しかし、ジャズの人は、ほんとに“絵になる”。

今日は短め、こんなところでオサラバ。


tricot『POOL』

ボブカットで目が隠れる女の子は至高の存在。
あ、曲も好きです。なにせ変拍子。




20131026Sat
 >静かに消えていく、ということ

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経験4.携帯を家に置いていく

寝坊したりで慌てて、何回か忘れていったことはあった携帯。
今日はわざと置いて、家を出てみた。本を沢山読めた気がする。
あと、他の人が、どれだけ多く携帯を触っているかがよく見える。

今朝は寝坊とは別で、綾波が早速脱走してて、すげぇ慌てましたけどね。



仕事中に(あ、僕は本屋で働いてますよ)2回ほど、
「もう本屋はダメだなぁ」ということを言われた。
とくに僕や僕の働く本屋に対する嫌味というわけではなく、溜息のように。

有名ニュースサイト「痛いニュース」では、
海文堂閉店時の店長の挨拶が2chでさんざ叩かれてるのが掲載され
雑誌『本の雑誌』来月号の特集は「町の本屋が消えていく!」と予告されている。

最近読んだ、書店が題材となった小説、山田ナオコーラ『昼田とハッコウ』でも、
(おそらくこれは山田さん自身の考えだと思うのだけれど)作中で何度か、
“書店はいつか消える。それをいかにゆるやかにするか”
というようなことが書かれてる。

「もう本屋はダメだなぁ」と言われて、
口には出さなかったけど僕も、「ですよねぇ」と。
本屋はこれからもっともっと消えていくのではないかなぁと、思ってます。
出版業界全体が、縮小されていくでしょう。

それでも、僕はいつか自分で本屋をやりたいと思ってます。
別にこの状況から逆転を図ろうとか、少しでも良くしようとか、
そんなこと全然思ってません。

じゃあなんでやるかっていうと、そりゃもう、本が好きで、
多分、本が好きだという人と話すのも好きだからでしょうね。
ハナから儲けようなんて考えてませんので、
なんとか、細々とやっていくために、今から色々と考えていこうと思います。

ちなみに、少し前にこんな記事もありましたね↓
電子書籍の脅威から本屋を救うための10のアイディア

物量だと、リアル書店ではジュンク堂くらいしか、
もはやAmazonに太刀打ちできないのできないのではないでしょうか。
ここで面白いのは、Amazonの真逆を行くというコンセプトで
nomazon」というネット上の仮想書店があります。
その名のとおり、Amazonに無いものだけが、置いてある書店です。
書籍ではないものも紹介されているので、
リアル書店で再現するにはなかなか難しいコンセプトですが、面白いですよね。

現状、基本的にバーコードが付いてる書籍は全国流通となってるので、
逆に、同人誌的なものをそのお店だけで専売するという方法もあると思います。
そういう方法をやっているお店で僕の好きな書店といえば、
・新宿 模索舎
・中野 タコシェ
・秋葉原 COMIC ZIN
などがあります。
そのお店でしか買えないっていうのは、当然ながら魅力。

これに近いですが、専門化という手もあります。
神保町の古本屋さんにはよくありますが、何々だったらあの店、というような本屋さんです。
農業書だったら農文協の農業書センターだし、
ちょい昔の風俗本だったらキントト文庫だし。
神保町でエロっていうと、荒魂か東西堂書店となるし。

観光地・ブランド化されれば安心でしょうか?
京都の恵文社一乗寺店とガケ文庫は、オシャレスポットとして名が知られています。
他にも、和歌山のイハラ・ハートショップ、鳥取の定有堂など、
各地に有名な(書店巡りという観光地といっても良い)書店はあります。

本屋に、何かを加える、というのも一手ですね。
東京、区内では特に、ブックカフェは馴染みのものになりつつあります。
ビールとほぼ毎晩のトークイベントで名を馳せる、下北沢B&B
文房具や標本が沢山おいてあってコーヒーまで飲める、下北沢ダーウィンルーム
ブックディレクターの幅允孝さんが作る本棚はこの区分けに入ると思います。
病院×本棚、空港×本棚、大学×本棚、スポーツショプ×本棚……。


あとはね、団塊世代以上の男性だけをターゲットに絞った書店、
というのも考えたんですが、これは磐石ですが、あまり個人的にはやりたくないので、
パスとさせて頂きます。


ってなところで今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

Avishai Cohen - The ever evolving etude







20131025Fri
 >綾波という名前になりました

突然の休みとなった金曜は、台風接近のため雨。
昼頃までゴロゴロして、まずは駒込、
「鶴仙園」という多肉植物専門のお店へ。
http://www.kakusenen.net/
屋上にある温室まで入らせて頂きました。
父がサボテンや観葉植物を好きなのですが、
昔は全くその良さがわかりませんでした。
今では、リトープス大好きな大人になりました。
今日もリトープス、特に日輪玉を探しに行ったのですが、
開花時期とあって、黄色や白の花が咲きまくってて感動。
なんだかその光景だけで満足してしまいまったという迷惑な客。
1時間くらい悩み、よし、熊童子(めっちゃカワイイ)を買おう、
と思ったのですが、他のお客様がいらっしゃって、
お話が始まってしまったので、間に入れず退散。
西武池袋屋上に支店があるようなので、
寒くなる前にうどん食べ行きがてら、改めて行こうと思います。

その後は昨日教えて頂いた、本郷のカフェ「TIES」へ。
http://www.geocities.jp/cafe_ties/
雨の平日、宵の口ということもあってか、非常に静かな雰囲気。
マスターが犬飼若博さんに似てる気がしました。
メニューは主にコーヒーの種類が多く、
入り口脇にはショウケースにケーキが並んでおり、
テイクアウトのみのお客さんも入れ替わり立ち替わり。
今年で閉店してしまう表参道の名店・大坊珈琲のマスターによるブレンドもありました。
僕はこのお店のブレンドを頼んだのですが、
メニューの仕様(豆の量とコーヒーの量を選ぶ)や、淹れ方(ネルドリップ)などにも、
大坊珈琲を彷彿とさせるものがあるような気がしました。
真横のスピーカーから聴こえるジャズも良かったんですが、
もうちょっち、外の雨音も聴きたかったなぁ。
しかし、照明の明るさも良い感じで、
きっと常連になったら団体で来たときに案内されるに違いない、
奥の隠れ席も気になったので、またぜひ行きたいと思います。
向かいにあった松竹館というお店も気になるなぁ。

でその後↓、

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経験3.ペットを飼う

突然ですが、ヒョウモントカゲモドキを飼うことになりました。
飼育用に繁殖されたものは様々な色があるのですが、
ブリザードといって、真っ白な状態で生まれてきて、
大人になるにつれて色がついていく種類のようです。
男の子、とのこと。
(追記。男の子のくせに、さっきTwitterのやりとりで、
 名前が綾波に決定しました。白だし良いかって。)

本郷からウチに帰る途中の道に、今年のはじめくらいかな?
爬虫類などの珍獣ショップが出来て、ずっと気になっていたのです。
で、今日突撃。
入店と同時にいかつい店員さん(TATOOあり)にギロリとにらまれて怯むものの、
「何かお探しですか?」との問いに間髪いれず
「初心者でも買いやすいトカゲを探してます」と答え、一気に意気投合。

「熱帯魚はグッピーにはじまり、アロワナみたいな大物までいくと、最後はグッピーに戻るんスよ
 蛇はボールパイソンにはじまり、アナコンダなどを経て、ボールパイソンに戻るんスよ

 で、トカゲは、ヒョウモントカゲモドキにはじまり、ヒョウモントカゲモドキに終わる、と」

という、店員のお兄さん(ホルモンの亮君似)のナイストークとともに、
僕の手にヒョイっと乗せられたのが綾波でした。一目ぼれ。
店内には他にもたくさんの生き物がウジャウジャ。
床ではトビウサギがピョンピョン。
フクロモモンガが入荷した瞬間に売れたり、
テレビのペット特集で亀の取材があったところそれもすぐに売れて、テレビスゲーってなったり、
トカゲは行くところまで行くとアソコまで行きます、と見せられたトカゲがもはや恐竜だったり。
(サイズが大きい上に尻尾の威力が強いので、強化ガラスでケージを自作するしかないらしい
 あと、「噛まれると、手の肉が無くなくなるッス」ってめっちゃ良いスマイルで言われた)
というお話を色々聞かせてもらったあと、

「まあ全然儲かんないスけど、爬虫類好きすぎて、他に欲しいものも無いですし、
 家でヒョウモントカゲモドキ見ながらお酒呑んでるのが、一番楽しいですよね」

というセリフに打ち抜かれ、そのまま綾波の購入を決意。
「アニキ、こいつのこと頼みます」
というセリフを背中に店を出ました。
またエサのコオロギを飼いに行くときに色々お話をさせてもらおうと思います。


ってなところで今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

トカゲ3号 GO!GO!7188


ベース、エグい  ←誉め言葉




20131024Thu
 >アラサーの体は固い

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経験2.絵を描いてみた

昨日、何個か絵を描いて、
Twitterで誉められては調子に乗り、
リクエストまで頂いては調子に乗り、
で、せっかく言ってもらったんだしと調子に乗り、
頑張ったわりに結局全然似なかったんだけど似顔絵を描いたんですよ。

でね、ウチにはパソコン机以外に机がなくてですね、
さらにはパソコン机の上は物が散らばりまくってて、これ以上何も置けなくてですね、
どうするかっていうと、椅子に座って、膝の上のスケッチブックを置いて書くわけですが、
これお分かり頂けると思うんですけど、めっちゃ姿勢が悪いんですよ。
その格好で、慣れてない絵描きを数時間、ですよ、

今日、体、バッキバキになってしまいましてね、

肘から首から肩から腰から、ずっともんでましたよ。
イラストレーターさんやマンガ家さんって、絶対早死にするよなぁと思いました。
ってか、もう1個作業机欲しいな。
あと、ちゃんとした椅子。丸イスはキツイよ。

絵はもう描かないかもって言ってたけど、
案外楽しいので、ちょいちょい描こうかと。
で、早速エヴァンスのドヤ顔を描いたんですけど↑、
愛が余るあまり、似ませんでした。こんな顔長くない。

今は画像を見て鉛筆で写すことしか出来ませんが、
静物画を練習し、風景画を練習し、
色を練習し、想像したものが描けるように練習し、

「え? なんでこんな“無駄に”絵が上手いの?」

と、驚かれるようになるまで頑張ります。無駄にってのがポイントね。


ってなところで今日はおしまい。明日急に休みになって、戸惑いを隠しきれません。

BUMP OF CHICKEN 『K』




20131020Sun
 >A面

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経験1.エスプレッソを飲んだ

コーヒー好きを自称しておいて、私、恥ずかしながら、ほとんどストレートを飲まないのである。
当然、エスプレッソも飲んだことがございませんでした。
普段からロクな物を食べていないせいで、っていうか菓子パンしか食ってないので、
十年ほど前から若干の味覚障害(自称)を引きずっており、
コーヒーの微妙な味の違いなんて、実は全然わっかんなーいぴよぴよーってな具合なのです。
なので、いつもはブレンドとか、メニューの一番上にあるやつ、
果ては量が多いと言う理由だけでアメリカンを愛する、コーヒー党の風上にも置けない輩。

そんな私が、ようやく決心をし、
今まで敬遠に敬遠を重ねていたスターバックスという場に足を踏み入れました。
昼過ぎかつ雨かつ日曜かつ神保町のくせに店内は混雑の様相。
若干ひるみながらもエスプレッソのシングルをオーダー。

とんでもなく漆黒の、とんでもなく少量の飲み物が供された。

俺が、これだけ? という表情で見やると、店員さんは満面の笑み。
どうやら、これだけ、のようである。
スターバックス神保町店のオープン11周年ということで、記念のコーヒー豆を頂く。
これを機にコーヒーを淹れられるようになってみようかしらん、
などとハイソなことを思うが、俺の場合、自分で淹れるより、
好きな喫茶店へ行った方が美味いコーヒーを飲めること請け合いである。
器具などを買ってしまっても、どうせ埃をかぶらせてしまうのが目に見えている。
けっ、けっ、俺のばーか、おたんこなーす、と物臭な己への呪詛をリズミカルに吐きながら席につく。

さて、俺 vs. エスプレッソ、である。
そのまま一口、飲んでみる。
当然、苦い。めっちゃ苦い。ココア99%みたいな苦さである。

これ、量も少ないし、絶対違う飲み方あるよなー、と、
イマドキのワカモノっぽく、スマホでひゅひゅっとググッてみた。

砂糖をガシガシ入れろ、エスプレッソは飲み物っていうよりデザートやし。

と、そこには書いてあった。
荷物だけを残して、店内中央に置かれた錬金術実験場へ向かう。
昔、スタバで働いている友人がいた頃、
果敢にスタバのトッピング全部乗せというメニューを、しかも2度ほど経験し、
クソ長いレシートをもらって以来、スタバには懲りたのだった、
と、スタバを敬遠していた理由を今さら思い出す。
あの頃、全部をブッ込んだ錬金術材料の中から、今回は砂糖だけを手に取る。
とりあえず調べたとおりに、遠慮なくガッシガッシ入れてみた。

はるか昔の記憶から、僕がコーヒーを飲めるようになった頃、
一緒に行った喫茶店で父がエスプレッソを頼んで、苦い顔で飲んでいたことを思い出した。
あの時父は砂糖を入れていただろうか。それは記憶から抜け落ちてしまっている。
そういえば父は、家族みんなでレストランなどへ行っても1人だけ、
イカ墨スパゲティーやエスカルゴなど、変な物ばかりを食べる人だった。
確実に血を継いでしまっている自分が憎い。

そんなこんなを思い出して、久しぶりに実家帰りてえなぁと思っていたら、
かき混ぜスプーンの勢いが良くなってしまっていたらしく、
少しエスプレッソが飛び散ってしまっていた。
かろうじて服には付着していなかったものの、
もともと少ない飲み物がさらに少なくなってしまって、背中を丸めてトボトボ席に戻る。

雨の神保町交差点を見下ろしながら飲むエスプレッソはそこそこ美味しかった。
イタリアの伊達男たちは最後にカップの底に残った砂糖をスプーンで掬って舐める、と書いてあったけど、
僕のカップには砂糖が少しも残らなかった。
残念ながら、僕は伊達男にはなれない。アイ キャント ビー ジローラモ。

きっと、もっと美味しいエスプレッソもあるんだろうなぁと考えると、財布の中身が怖くなった。
が、もうちょっと色々と飲み比べてみたい。
そういえば、表参道の大坊珈琲店が年内で閉店だったと思い出す。もう1回行っておこう。
エスプレッソじゃないけどね、あそこの珈琲は美味しいです。

ってなところで最後に1曲、お聴き下さい。

くるり『ランチ』


コーヒー飲むときは大体この曲を思い出してます。




20131019Sat
 >色々なことをしていきたい

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そんな面白い日記ばかり書けるわけじゃないけど、毎日書くのが肝要だよな。
糸井重里さんも“ほぼ”とかいいつつ毎日更新して、
手帳とハラマキだけで何百万も稼げるまでになったんだもんな(誤解)。

と思いつつ、昨日はブログ更新をサボって12時間寝ました。
ごちそうさまでした。

何日か前に、はじめて皇居の公園に入ったのだけど、
思いのほか1個目のベンチまでが遠くて、
ちょっと座ってパン食っただけで仕事の休憩時間が終わってしまい、
ゆっくり出来なかった。

なんか、毎日、ちょっとのことでいいから、
いままで経験したことのないことを、やっていけたらいいな、と思った。
皇居って丸の内のド真ん中にあるのに自然豊からしいですね、って言うより、
皇居ランナーが回遊魚にしか見えない、とか
はじめのベンチまでが遠いから、ゆっくりしたければ、そこまでを急げ、とか、
実地からくる意見のようなものを体に頭に貯めていきたいと、
たまには殊勝なことも考えてみるのであります。

Contemporary Noise Sextet - Nautilius






20131017Thu
 >10/17の蛇足

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久しぶりにインターネットを巡回。よって蛇足。

カンケ・ブルノ「サラリーマンプロジェクト」
まだあまり知られてなさそうな面白い物を見つけると、よし! と思ってしまう悪癖

スガダイロー 五夜公演 『瞬か』 関連企画 10月20日(sun)野外でのソロ・フリーライブ決定!
行きたいのにー

造形がヤバい神様トップ15決めたったwwwwwwww
人間の想像力ってスゴイ

これぞ究極の一着、本物のミルクのみを身に纏った女性たちの美しきピンナップ写真シリーズ「Milky PinUps」
とか言って、合成でしょ? って思ったら結構頑張ってた。

単語からIKEA製品名かヘヴィメタバンド名かを当てる「IKEA or Death」
オイラは20問中11問正解。全然分からんw

気になる写真展2つ
Sarah Laure Engelhard「Still Wild」
井津由美子「闇の彼方へ」
どちらも動物の亡骸の写真。

気になる同人誌2冊
JR秋葉原駅総武線ホームのミルクスタンドの同人誌 「MILK SHOP LUCK酪の本」
折りたたみ自転車で離島ツーリング同人誌 「サラリーマンだからこそ、楽しめる旅がある!」
アキバblogで知ってから行くと、大体完売しちゃってるんですけどね……。

珍物食2点
新世界の串揚げチェーン店でコオロギの串揚げを食べられる
パレスチナのおふくろの味が東京に
ワニとカエルとカンガルーとコオロギとサソリは食べたことあるので、パレスチナ料理食べたい。
今まで食べた物で一番インパクトがあったものはもちろん、
ゴキブリ(マダガスカル・アルゼンチン・トルキスタンの3種)です。


ってなところで今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

空気力学少女と少年の詩


“……さあ、取れ、取るがいい! だがな、貴様たちがいくら騒いでも、
 あの世へ、俺が持って行くものが一つある!
 神の懐へ入るときはな、俺はこう挨拶をして、
 青空の門を広々と掃き清めて、貴様らがなんと言おうと持って行くのだ!
 皺一つ、染み一つつけないままで!
 それはな、わたしの……心意気だ!”




20131016Wed
 >10/16

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どんな流れだったか思い出せないのだけれど、
なぜか7年後の東京オリンピックのことに話題は移り、
“自分が7年後に何をしてるか”とお互いに質問をする形となった。

俺はしばらく悩んで「生きてるか・死んでるか、のどっちか」と答えた。
錆(さび)は悩むそぶりも見せずに「現状維持」と即答した。

場所は町外れ、駅から随分歩いたところにある、
元・教会の廃墟を利用したという喫茶店だった。肝心の店の名前は忘れた。
教会の建物ということもあり、梁の近くで雲が出来るほどに天井が高い。
なので、室内だけれど雨が降る。
外は台風一過。窓から見える空にはいくつかのうろこ雲が流れるだけとなっているが、
我々はビニール傘をさして、梁にかかった薄雲がしとしと落とす雨を避けながら、
梁の埃が混ざったか知らんが苦味の深いコーヒーをすすっていた。

「寝癖さんはあれッスね」と何かを言いかけて、いきなり錆はむせた。ゴヒャッゴヒャッ。
かつて登場二言目のセリフで咳き込む主役が居ただろうか。
そんな俺の心配をよそに咳の間をぬってグラスの水を飲み干す錆。
ゴヒャッゴヒャッ。止まらない。

「大丈夫か」
「大丈夫ッスゴヒャッゴヒャッ」
「ぜんぜん大丈夫じゃねえじゃん」
「いえ、現状は大丈夫じゃないですけど、つまり、大丈夫になる見込みがゴヒャッゴヒャッ」
「落ち着いてから喋れよ。すみませーん!」

せーん せーん せーん

高い天井に俺の声が響き渡る。
ちょっとボリュームをミスったなぁと自然頬が赤くなった。
俺のエコーとクロスオーバーのタイミングでウエイトレスがフェードインした。

「はいよおまちどお」
「この子に水をあげてください」
「ゴヒャッゴヒャッ」
「かしこまり」

ジョロロロロロロと、錆のビニール傘に向けてジョウロで水をそそぐウエイトレス。

「ありゃま撥水じゃん」
「そうじゃねえよ」と、礼儀としての突っ込みを入れた。蹴りで。

無事にピッチャから注がれた水をカツーン!カツーン!カツ-ン!と
すわ新歓コンパかと思うような勢いで三連続一気した結果、錆の咳は無事に止まった。
「えくすきゅーぜもあ」とスカートの裾を摘んで礼をし、
持つ角度のおかしいピッチャからじゃばじゃば水がこぼれるのも気にせず、
ウエイトレスは元懺悔室へと消えていった。

「……良い、ウエイトレスさんですね」
「お前どっかズレてる」
「寝癖さんほどではないッス」
「そうか?」
「あ、虹ッスよ」

ステンドグラスから差し込む七色の光が室内に降る雨に反射し、
この店の名物でもある、49色の虹がかかっていた。
七色の虹を見慣れた目には、49色の虹はまるで、
家のゲーム機がファミコンからいきなりPS3に変わったくらいの衝撃があった。
そんな虹をほげーっと見ていたふたりはいつの間にか話すことが無くなってしまった。
しばらくののち、錆が傘をさしたままで立ち上がると、
ところどころ苔の生えてる本棚から図鑑のような大きい本を1冊抜き出してきた。
長年ここで雨に降られてきたのだろう、ページは水分を含んでたっぷりとした手触りだ。
だが草むらのエロ本とは違い、ページ同士が引っ付いて捲れないということはなかった。
自分、落ちぶれても、図鑑ですから。という声が聞こえた。
エロ本とは、紙質が、違いますから。

キリル文字で書かれたアラビア語にしか見えない本文はひとつも解読できなかったが、
綺麗なものから薄汚いものまでたくさんの昆虫の写真が載っていた。
「このナナフシ、ゴツイな」
翅を広げて虫ピンで止められた、大きいバッタにしか見えないナナフシの写真を指差す。
「翅がまるでベトナムのお土産ッスね」
言われて見るとたしかに、ベトナムな感じのビニールっぽかった。
「蝶が載ってないのがちょっと残念ッス」
「こんだけ写真載ってるのにね」

錆が本を閉じると、べしょり、と音がした。
いつの間にか冷たくなっていたコーヒーを飲み干す。
溶け残った砂糖とわずかばかり埃が残ったカップの底には、
“so it goes”、美しい筆記体。



THE YELLOW MONKEY「楽園」




20131015Tue
 >うそでもいいのさ

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台風迫りくる中、にたないけんのライブへ行ってきた。

雨の平日の18時台は、渋谷方向へと進む半蔵門線がアホみたいに混むというのを学んだ。
にたないくんは、昨日がレコ発企画ライブだったと思えぬほど、
いつもどおりの朴訥とした佇まいだった。
メリミーの頃にサポートをしてくれた、ちるや笛子さんも居た。
「昨日行きたかったんだけどねー」
「ねー」
と旧交を温める。
昨日のライブには、スーパーギタリストはなえもんが来ていたらしい。
会いたかったなぁ。
会っても話すことなんて何も無いけど、会ったら会ったで何かは話すのだろうなぁ。
なんだか歳をとるごとに懐かしいことは増えていくなぁ。って当然か。

前に聴いた覚えもあるけど、『ボーイミーツガール』という曲が良かった。
“ボーイミーツガール ひとつだけ好きなものがあれば
 ボーイミーツガール のこりは嫌いでいいのさ”

地球温暖化で東京が熱帯になってしまった時代、
人類のほとんどは別の星に避難してしまって、地球には貧乏人か物好きしか残ってない。
生い茂る植物の緑を突き破って伸びる、赤と白の東京タワー。
タワーの根本にある掘っ立て小屋に、機材を運び込み電波塔をジャック、
日がな一日好きなレコードを電波に乗せてオールリピートし続けている少年、
どこか遠い場所でその電波をキャッチしてくれる人がいると夢想しながら。

そんな景色が頭に浮かんだけれども、
心配なのは京王井の頭線が止まるかどうかだったので、速攻でお暇しました。
なんて言いながら、にたないくんがオススメしてくれた本が読みたくなって、
下北沢B&Bに飛び込んだ。ここには無いだろうな、と思ってはいたけど、やっぱり無かった。
いつもトークが始まってからしか入ったことがないので、この店の棚は半分しかしらない。


本日のトークの内容に聞き耳を立てていると、要は、
「なりたいと思うものに相応しい格好をしなさい」と言っていた。
特に写真など撮られるときは、
医者として見られたいなら聴診器は持つべきだし、
料理家として見られたいなら泡だて器を持ちなさい、
とその人は言っていた。

今日は台風で、気楽なトークの場ということで途中で着替えてきたが、
昼はもっと良いスーツを着て、ウン十万する腕時計をはめて、会食に行ってきた、とも。
会食の場で、うなづいているだけで、2つ仕事をもらえて、
その仕事っていうのが、国家規模のプロジェクトで、
普通のサラリーマンの年収くらいのお金がそれだけで貰えるらしい。
にゃるほど、お金ってのはあるところに集まるのは本当だったのだな。


では、年収200万いかない、いまだ大学生のような格好をしている、
僕がその人に1つだけ。

おっちゃん、自慢話はつまらないぜ。笑える話を聞かせておくれ。


ってなところで、今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

メランとコリー「メリミー」







20131014Mon
 >良いマンガ!『スメルズライクグリーンスピリット』

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ガラガラガラガラ

< やってるよー

どうも、我が城です(挨拶)。
お久しぶりに開店、煩悩直撃型書店 ミラーボール回ラズ。

店主ナカイデソントンの偏りまくったオススメに、
乗っかって頂ける方々がいらっしゃって、本当に嬉しい限り。ありがとうございます。
まだまだ面白い本を紹介していきますので、これからもよろしくお願いします。

ってなわけで早速、BLマンガですよ。

スメルズライクグリーンスピリット SIDE:A (POE BACKS) (ポーバックス Be comics) スメルズライクグリーンスピリット SIDE:B (POE BACKS) (ポーバックス Be comics)
『スメルズライクグリーンスピリット』 永井三郎 (ポーバックス Be comics)

『ハクメイとミコチ』『9速眼球アクティヴスリープ』『惑星9の休日』、
某書店のおかげで、最近買うマンガは当たりが多く、その流れで買っちゃいました。

イイぜ、これ。

BLっていうジャンル分けになってるけど、実際はそんなにBLくさくなくって、
セクシャルマイノリティとか、思春期における精神的な性分化とか、
あと田舎の閉鎖的な感じが上手く描かれております。

1巻は1年以上前、2巻も今年の4月の発売ですので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
僕は、普段から、
男でも読めるBLとか、
大人でも読める少女漫画とか、
非オタクじゃなくても読めるラノベなどの、
何かの境界線を掴む・破るための作品が好きなので、
『スメルズライクグリーンスピリット』もそのラインで推します。

帯には“大人が泣けるゲイ男子の青春”と書いてあります。
泣ける、ってところまではいかなくとも、
ホモソーシャルな一時を特に田舎で過ごした方々には、
分かる分かるっていう内容であること請け合い。

“手がね
 段々節が目立ってきたの
 声も低くなって
 スネ毛も濃くなって
 知ってる?
 私学年で 一番背が高いのよ
 ふふ

 すごく苦しかったんだ

 だから 良かったんだわ
 今で 良かったんだわ”

本当の青春は、一瞬ですね。

そんなことに気付くマンガであります。


ってなところで今日はおしまい。
お店はまだ開いてますんで、よかったらゆっくりしてって下さい。

深夜高速(湯川潮音)




20131012Sat
 >アールグレイヒットマン

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20年前。

男の子がいた。ヒーロー番組が大好きだった。
「悪者は僕がやっつける」
いつか誰よりも強い力が欲しいと思っていた。

女の子がいた。世界の偉人伝が大好きだった。
「困ってる人は私が助ける」
いつか世界中で優しさを与えたいと思っていた。

男の子の名前は、桐原神話 (きりはら しんわ)。
女の子の名前は、内海青痣 (うちみ あおあざ)。

神話がケンカして怪我をする。
青痣が怪我の手当てをする。

2人は仲の良い幼馴染。



20年後。

神話は困ってる人を助けている。
青痣は悪者をやっつけている。

男の子は、神父になった。
女の子は、殺し屋になった。

今でも2人は仲の良い幼馴染。



「神話ちゃーん、ごめーん」
青痣の間の抜けた声が、池袋駅東口地上に響く。
休日の池袋駅前なんてとにかく人が多いので、青痣の大声程度では誰も振り向きはしない。
しかし、約束のしばらく前に到着していた神話には、ちゃんとその声が届いた。
短くなったタバコを最後に一吸いすると灰皿に捨てる。
煙を追って神話が見上げた空は、10月なのにまるで夏空のように青かった。

視線を戻すと、一生懸命に走っている青痣が見えた。
白地に黒いバラの模様が入ったワンピースだった。
走っているくせに、周りの歩行者よりスピードが遅いのは気のせいだろうか。
反対から歩いてくる人を無駄によけては別の人にぶつかっている。
青痣は、なんとか信号が変わる直前で神話の待つ喫煙所の島にたどり着き、
とてててて、と『サザエさん』のタラちゃんと同じ音が聞こえるような歩き方で、
「あべしっ」
見事に転んだ。
よくこれで殺し屋とかやってられるよなー、と神話はいつものように思う。
しばしの後、身を低くしたままでバッと起き上がり周囲を確認する青痣。

「今の、何ていう兵器!?」
「アスファルトの段差だよ。あとベレッタしまってくれ」

えへへ、と青痣は笑いながら愛用の拳銃をハンドバッグの中にしまった。
神話の差し伸べた手を、青痣が掴む。

今日、神話が久々に青痣と会ったのは、
最近お気に入りの店に一緒に行こうと誘われたからだった。
晴れてよかったなぁと神話は思う。
横を歩く青痣は楽しそうに鼻歌を歌っている。

「青痣さんや」
「なんじゃらほい」
「なんか今日機嫌良いよね」
「ぐふふのふ。聞いておくれよ神話さん」
「え、どしたん」
「ばばーん! 年末のPerfumeライブ、先行が当ったりましたーい!」
「……へー」
「うっす! リアクションうっす!」
「いや、ごめん、俺あんまパヒューム興味ないから」
「話し振っといてなんだよー。ちょっとは食いつけよー。
 あとパヒュームじゃなくてパフュームだよー」
「えっ、マジで!? スッゲーなー、おめでとう! チョッコッレイトッディスコッ!」
「……神話ちゃん、頭吹っ飛ばすよ?」
「すみませんでした、本当に」
「もー、乙女心は手榴弾と同じくらい丁重に扱ってよね」
「なにその例え」

駅を離れてからもメインの通りを歩いているせいか、人の多さは全く変わらない。
1人のときより随分とスピードを抑えて歩く神話の横で、
青痣は懲りずに、人を避けては他とぶつかって、そのたびに小さく謝っている。
このままだとかわいそうだなと、自販機を探しがてら脇道に入った。
助かったよ人酔いするかと思ったよ、とミネラルウォーターを買いながら青痣が言う。
このまま脇道を通って行けないものかと、向かっている店の場所を教えてもらう。
池袋の土地勘はおぼろげだが、急ぐわけでもないし、
全ての道は青痣のお気に入りの店に通ず、と神話は1人考えてニヤッと笑った。

「青痣の方はどう最近、仕事とか」
「うーん、まぁそこそこかなぁ」
「大変じゃない? ちゃんと人を殺すのって」
「まーそれが仕事ですからねー」
「神話ちゃんこそ大変じゃないの? 人の話を何でもニコニコ聞かなきゃいけないんだから」
「まーそれが仕事ですからねー」

2人で「ぐへへ」と笑いあった。
大きい交差点に出て信号が変わるのを待つ。
交通量は多いものの、休日のためかトラックは少ない。
首都高の影に入るため随分と涼しい。
薄着の青痣は大丈夫だろうかと様子を窺うが、むしろ暑そうにハンカチで顔を扇いでいた。
やがて信号が変わる。きちんと左右を確認するのは青痣の癖だ。神話はいつもワンテンポ待つ。
私はさー、と青痣が横断歩道の白いところだけ踏みながら話し始めた。

「今から行く店の紅茶がすごく美味しくってさ、
 飲むと嫌なこととか忘れちゃうんだよねー」
「へー、そりゃ良いッスね」
「だから神話ちゃんにも教えてあげようと思って」
「うん、ありがとね」
「神話ちゃんはさー、ストレス解消ってどうするの」
「コーヒーと、タバコと、……エロ動画?」
「不良神父! 地獄に落ちろー!」
「酒は止めたから、地獄には落ちないよ」
「屁理屈っ!」

神話ちゃんも普段色々コーヒー飲んでるけどさー、
紅茶ってさ、ほんとビックリするくらい種類があるんだよ、
そのお店にも色々メニューあるから、私がオススメ選んであげるね。
という青痣の話を半分に聞きながら、パヒュームなら俺はのっち一択なんだけどなー、と神話は思う。
のっちの太股に挟まれて死ぬなら地獄に落ちてもいいかもなー、と。

店が見えたのだろう、青痣が走り始めた。スピードはほとんど変わらないのだけど。
おそらく、店の手前くらいでまた青痣はコケるだろう。
そんなに人通りも多くないから大丈夫だろうけど、神話は一応足を速める。

もう神話はケンカをしない。青痣が手当てすることはない。
ただ、青痣がこけたら、神話がその手を取るのだ。

2人は仲の良い幼馴染である。



tofubeats - No.1 feat.G.RINA






20131011Fri
 >月刊「根本宗子」『中野の処女がイクッ』 (大きなネタバレあり)

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月刊「根本宗子」『中野の処女がイクッ』を観ました。
http://ameblo.jp/gekkan7-imadekiru/


皆さん、喜んでください。フィクションは、もう、大丈夫です。
やったぜ。これで安心して12時間寝れます。


根本宗子という劇団は、僕が出来るだけ毎日ブログを更新することになったキッカケの劇団であります。
今年3月の公演『今、出来る、精一杯。』を観に行って、その凄さに圧倒され、
ツイッターで「絶対に観に行くべし!」という勢いで呟くものの、
無名の俺の言うことなぞ大海に発泡スチロールのカケラを投げ込むが如く、
当然、影響力は皆無。己の発言力の無さを反省することとなり、
「応援したいものが出来たときに、わずかでも力になりたい」
と、発言力の底上げ方法としてブログを毎日更新することと相成りました。
まぁ、ね、今でもほとんど変わらないということに泣きたくなる夜もありますが。


ネタバレ無しの感想はツイッターで呟いたとおり




『今、出来る、精一杯。』はほとんどの人にオススメ出来る作品でしたが、
今回の『中野の処女がイクッ』は、あまりにもシンプルでサラッとしてるので、
観て「で?」と思う人がいらっしゃるかもしれませんが、もの凄いことになってます。




では、サクッとネタバレしてしまいましょう。



 ↓



『中野の処女がイクッ』を観に行く予定の人は、ここから読まないほうが良いッス



 ↓



ツイッターに書いた“ズルしないで、ちゃんと乗り越えてる”ものが何かっていうと、
地震のことなんですね。

個人的な話をさせて頂きますと、3月11日、役者として本番初日を迎えようとしていた私の場合、
ゲネプロ(本番どおりのリハーサルのこと)直前に地震が起こり、その舞台は中止となりました。
(結局、2ヵ月後に上演することはできたんですけどね)
3/11は金曜日だったこともあり、舞台関係の方と話していると、
同じ日に同じような目にあった、という話を聞きます。

歌は世につれ 世は歌につれ。
現実とフィクションはお互いに影響しあって出来ていくものです。
(現実→フィクション、は当然ながら、
 フィクション→現実、だってあるんですよ。
 オタクが犯罪に走る、なんていう変な意味じゃなくてね)
地震のことを見て見ぬふりすることは、やる側にとっても観る側にとっても不自然なことになりました。
(いまだ開演前のアナウンスに、揺れたときの注意が含まれているのがそれを象徴していると思う)
けれども、あの震災は巨大なものでした。
なので東北震災以降、フィクションは現実に負けたっていうことを何度か聞きました。
地震のことを描いた作品はいくつもありました。
けれどそのどれもが“分かるんだけどね”っていう作品だったような気がします。

大きいスケール感を描くことで、
震災というものをなんとか表現できる範囲内に納めようとしている作品ならありました。
ノンフィクションならこの手法は有効かもしれません。
けど、フィクションの場合、芯がぶれてしまって、
結局何を言いたいのか、が分からなくなってしまって、
“分かるんだけどね”という感想しか出てこない原因になってしまうと思うのです。

で、『中野の処女がイクッ』なんですが、
ものすごく小さいスケールのことしか描いてません。
舞台は、おそらく中野にあるメイドバーの控え室、それだけです。
登場人物はメイドさん4人と、バーのオーナー、事務員、客のオタク、
合わせてたった7人です。これ以上にはまったく広がりません。
外に拡散していうのではなく、とにかく見えるものだけを描いていきます。
しかもその方法が、ものすごく単純なのです。
小難しいことは何ひとつやってません。

それなのに、震災以前・以降を描ききっています。
あれから色々読んだり観たりしてきましたが、
こんなに単純でよかったのかと、ものすごく驚きました。

これで、フィクションは、現実に勝ちました。
勝ち負けでないと言われるのなら、乗り越えました、と言いましょう。
そうだよ、フィクションってのは、結局人間模様を描くことしかできないんだよ。
地震なんていう大それたものを正面きって描こうとしてたからいけなかったんだ。
ああ、もう大丈夫だ、演劇は大丈夫だ。フィクションは大丈夫だ。

っていうか少なくとも、根本宗子は大丈夫だ。

次は、現実が根本宗子に追いつくターンです。
それまでは、いや、それからも、根本宗子は楽しめる。
根本さんの優しさ溢れるラストを観ながら、そう思いました。



ってなところで今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

Viviane - Kumu Neexul




20131009Wed
 >にたないくんのライブがもうすぐあるよ

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僕が前に居たバンドのボーカルが“にたないけん”といいまして、
普段は立石の餃子店(本当に美味しい)で働く寡黙な男であるのですが、
ギターを持たせればとても良い歌を歌い始めます。

僕がどのようにしてにたない君たちと出会い、
どうしていまやただの観劇おじさんになってるのかというのは、
書き始めると大変まどろっこしい上につまらないので全部割愛します。
寺山修司も「ふりむくな ふりむくな 後ろには夢がない」と書いてますし。
ただ、夢がないのではなく、夢がありすぎるからではないかと、個人的には思うのですけれど。

己のことはさておき。

にたないくんが、新しいCDを作ったようなので、
ここは皆さん、財布の紐をゆるめて、買ってください。
なお、レコ発ライブもやるようなので、行ってください。

■10/14(月・祝)南池袋music org
にたないけんレコ発企画「ひとりぼっちの音楽隊」
18:00open/18:30start
前売\2000/当日\2300 +1drink
にたないけん/倉内太/岡沢じゅん
オープニングアクト:もみじ
※にたないけん出演は20:50~

残念ながらこの日に
・世界代表決定戦が
・長時間にわたるオペが
・三度目の結婚式が
入っていて行けないという方は、
多分、その後のライブでもCD買えると思うので、行ってやって下さい。
諸々の詳細は→にたないくんのブログにてチェケラ。
かく言う僕は単に仕事で行けないので、別の日に行きます。

前にも書きましたが、いつか本屋を始めたらにたない君にお願いしてCDを置かせてもらいます。
たまに店でも流して、「これは誰の曲ですか」って聞かれたときには、
「にたないけんのCDです」とだけ答えるのです。
大変まどろっこしい上につまらない話は割愛して。


友部正人 - はじめぼくはひとりだった





20131008Tue
 >とか言って行けないところもある

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8時に目が覚めた。
僕の部屋にはカーテンが無い。
曇りガラスだし、まぁ付けなくてもいいかと、ずるずる6年くらいになる。
正確に言うと、ビレバンで買った布が吊り下がってるのだけれど。
まだレースのカーテンの方が遮光性あるんじゃねえかと思う。布、意味ない。

なので、起きてすぐにその日の天気がわかる。
空、青かった。飛び起きた。小学生か、俺は。

布団干して風呂入って洗濯してトースト喰って眉毛切って。
それでも10時には新宿駅にいたと思う。
仕事のことで確認したいことがあったので、開店直後に電話を入れたのだ。
休日ですら迷惑をかける男とは俺のことさ。
ともかく、中央線は走り出した。

三鷹より向こうにあまり行くことが無いので、今日は遠出をした気分である。
(三鷹は星のホールがあるので、ちょいちょい行く。っていうか、明日も行く)
たくさんの人が毎日もっと遠いところから通勤通学していることを知っての暴言であります。
(ちなみに今日僕の電話に出てくれた人は、毎日茨城から通勤してます)

目的は、国立の増田書店と、
鷹の台の武蔵野美術大学美術館だ。


増田書店、すでにTwitterには書いたけれども、地下フロアがすごく良かった。
面白い人文書が置いてある書店はいくらでも棚を見ていられる。つい長居してしまった。
休日とはいえやはり学習参考書も見てしまう。
ものすごく整理が行き届いていて感動した。
逆にいうと、己の管理している棚の整理の杜撰さよ、ってことなんだけど。

国立駅に戻る途中にあった、みちくさ書店という古書店にも寄る。
古本屋さんに行くのはなんだか久々だ。すごく不思議な立地で良かった。
(奥にある不動産屋への通路上にある。地下もあって、小奇麗だけど倉庫感が溢れる)
書店を回ってるとたまにあるんですが、本のほうから飛び込んできた、っていう1冊を買えた。
雑誌『夜想』の“飽食”特集も欲しかったんだけど、昼の国立には合わなかったから我慢。


武蔵野美術大学への道のりがすごく好きだ。
おそらくメインの校舎なのに、だいぶ駅から歩かなきゃいけないのも含めて好きだ。
行く途中にある古本屋、みどり文庫が休業だったのは残念。
東京に住んでると普段アスファルトの上しか歩かないから、
土の道ってだけで嬉しい玉川上水。
ちょうど授業が終わった時間なのだろうか、
ムサビの学生さんらしき人たちと沢山すれ違う。
僕が言えるようなことじゃないけど、どこかまだ垢抜けなさがあった。
おそらくは1年生さんだろう。
ほとんどの人が1人でズシズシと早足で僕とは逆方向へ。
女の子2人組がいたけど、あまりに似てなかったので、
あれは最近授業が一緒になったペアだな、と勝手な妄想を働かす。
だってほら、女の子の友達同士って、似るやん。
あと、BLINK182のバンドTシャツ着て、ブラックジーンズで、
その上、ラモーンズカットっていう気合の入った女子がいて嬉しかった。

学校の周りの不動産は、だいたい山譽工務店という会社が仕切っているようで。
空きの物件には山譽工務店の名前の書かれた看板が架かっている。
工務店、っていうのが美術大学周辺っぽくて良いよね。
あと「貸しアトリエ」っていうカテゴリがあるのも、いとをかし。
今より不便になるだけなんだけど、玉川上水沿いを歩けるなら、
という理由だけで空き部屋を探しそうになる。いかんいかん。
学校に入る瞬間は、少し勇気がいる。なんせ、守衛室があるし。
守衛さんに「こんにちは」と声をかけられ、ドキドキしながら会釈を返しておいた。
まだ、大学生って言っても、通るのかもしれない。

美術館で見たのは「13人のドイツ・コミック作家展」。
http://mauml.musabi.ac.jp/museum/archives/6535
内容は、そこそこ、いや、正直申して、イマイチ、いやさ、イマサンくらい?、でした。残念なり。
一旦感想を書いてみたのだけれど、苦情申し立てみたいになっちゃったから、消した。
頑張れ、ムサビ。頼むぞ、ムサビ。


実は他にも行こうと思ってた場所があったのだけれど、
ある展示(布花標本 -記憶の花たち-)は、会場の女子力があまりにも高かった。
オープンエアかつビンテージ感あふれる花屋での展示で、
展示場であるおよそ3m四方の狭い小屋には女子3名が蠢き、
会場前にも展示主を含むと思われる、別の女子3人がウフフとお話をしておられて、
アラサーホームレス系男子は遠目からそれを見た瞬間、回れ右するしかなかった。
結構見てみたい展示だったので、展示場所をもう少しパブリックな感じにしてもらうか、
俺が彼女もしくは女友達を作ればいいんじゃないかと思った。無論、後者は望み薄だ。
そういえば、球体関節人形の展示を観たときも同じことを思った。
おそらくは、観る人を選ぶ展示、ということなのだろう。残念だが諦めるしかない。

もう1個の展示は(武蔵野美術大学図書館・しかけ絵本展)は、入り口が堅牢なゲートで阻まれていて、
アラサーホームレス系男子じゃなくても、学生証を持っていなくては入れなかった。
あるいは他の入り口があったのかもしれないけれども、
突然のゲート出現にパニクっているときに、さらに後ろから学生さんが来て、
冷汗脇汗脂汗を大量に撒き散らしながら命からがら逃げ出す結果となってテンパってしまい、
入り口には戻らずとにかくその場を離れるという選択肢しか頭に浮かばなかった上、
迷子になってさらにテンパるという最悪の事態に陥ったのだけれど、恥ずかしいので割愛。
これは、大学側がもう少し分かりやすい案内表示を出すか、
僕がもっと小奇麗な見た目になればいいんじゃないかと思った。
後者に関しては実存的にも形而上でも未来永劫不可能だと思われるので、
ぜひとも予算を削って分かりやすい案内を出して欲しい。渇望。


以上のようにムサビ内では、己の不甲斐なさと情けなさが露呈してしまう結果となった。
その後、泣きそうになりながら飛び込んだ某カフェがなければ、
今頃僕は太宰の後を追っていたと思う。

愛だけじゃ地球は救われないけど、
美味いコーヒーは、アラサーホームレス系男子を救う。


そんなところで最後の曲です、お聴き下さい。

中央線-矢野顕子








20131007Mon
 >どこへだって行ける

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休日の前夜は、行きたい場所をグーグルマップで調べたりする。
東京23区内では毛細血管のように張り巡らされている車道と鉄道。
数は少なくなっていくけれども、これを辿っていきさえすれば、
とりあえず国内だったら大抵の場所に行けちゃうんだよな、
と夢想してムフフと笑っている。
近場では青梅。
いつか「夏への扉」を再訪したいと思っているが、なかなか日が合わない。
今週も無理そうである。残念。

休日が楽しいのは当然だ。だって何をしたって良いのだから。
独り身だとなおさらである。
先々週のように神戸まで行っても構わないし。
先週のようにほとんど1日寝ていたって誰にも怒られない。

休日も、いやさ平日さえも、
ガシガシ楽しんでいこうっていうのは、いつも思ってるよ。

さて、明日はドコへ行きましょうか。


良い子は天国へ行ける
― 悪い子はどこへだって行ける

               

追伸。
昨日のオナラのお兄さんと、今日は席が隣でした。
目が合って、エヘヘッてな感じで二人笑ったよ。
恋は始まらなかったけどね。


Pandora's Box: "Good Girls Go To Heaven"




20131006Sun
 >四天王会館入居希望者

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断捨離をやっていくと、この世界に俺という人間は必要ないんじゃないか、
という考えに至ってしまいそうなので、今日も部屋の片付けは先送り。
自己評価の低さには定評のある僕です。こんばんは。

仕事の休憩中に本を読んでたら、ひとつ前の席で寝てたどこかの部署のお兄さんが、
突然爆音のオナラ(バフルルルンッ!みたいな音だった)をかまして、
数秒後にガターンって起きて、ものすごい勢いでキョロキョロしてて、
僕は必死で聞こえなかったふりをしたのだけれど、どうやら雰囲気を察してしまわれたらしく、
なぜか向こう側の壁に向かって「失礼しました」って謝られたよ。
ちなみに休憩室には僕とお兄さんと、離れた場所で寝てるお姉さんしかいなかった。
自分の屁で起きたときって、どんな夢を見るんだろうかって、ちょっと思った。

あと、今日の閉店間際に電話での問い合わせを受けて、
「○○という本はありますか?」
「はい、ございます」
「今日は何時まで開いてますか?」
「申し訳ございません、あと10分ほどで閉店でございます」
「夜間窓口はありますか?」
って聞かれて、つい笑ってしまいました。夜間窓口のある書店、良いねー。

もしも僕が働いてるのが大型書店の本店じゃなくって、
小さな町の本屋さんだったら、店を閉めてから届けてあげたのにな。
いや、小さな町の本屋には、いいずな書店の学採品なんて置いてないから、やっぱり無理か。
きっと『ロスジェネの逆襲』とか絶対配本無いんだろうな。
ってか、取次さんにほとんど相手なんてしてもらえないんだろうな。
僕は「山川の参考書が切れたので、今から取りに行きます」って電話して、
10分後には20冊持って売場に戻れる今の環境を、もっと有り難く思わなきゃダメだよな。
明日もお仕事頑張ろう。

けど、やっぱ、三重で本屋さんやりたいッス。
多分3年もたずに潰れちゃうだろうけど、めっちゃ頑張って、10年くらいはやりたいッス。
それから先はまた考えるッス。


ってなところで今日はおしまい。最後に1曲お聴き下さい。

馬渡松子 さよなら bye bye





20131005Sat
 >山崎ナオコーラ『昼田とハッコウ』

山崎ナオコーラ『昼田とハッコウ』(講談社) を読みました。
http://bookclub.kodansha.co.jp/books/topics/hirutatohakkou/
昼田とハッコウ

テレビ番組「王様のブランチ」でも取り上げられたのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。
『人のセックスを笑うな』などで知られる、山崎ナオコーラさんの最新刊です。
ちなみに私、申し訳ないことに、
いくら思い返しても『人のセックスを笑うな』以外で山崎さんの著作を読んだ覚えがございません。
学生時代に読んだ気がします。気がしますってだけで、実際はもう少しあとかも。
あ、あと、『カツラ美容室別室』はタイトルが面白そうだなーと思った、っていうくらい。

なお松山ケンイチ・永作博美主演の、映画版『人のセックスを笑うな』は、
長回しのシーンが多くって、上映時間も長くって、途中で何度か寝落ちしそうになりました。
けど、サントラは超名盤です。挿入曲の『ANGEL』だけでも聴く価値あり。
今は無き名画座、上野スタームービーで見たのですよ。
もう1本は『パーク アンド ラブホテル』でした。手書きの看板が良い味出してたなー。
2階にね、都内唯一のゲイムービー専門館がありましてね、
入ろうか入らまいか、迷ってるうちに無くなってしまいました。


なんていつもの調子で脱線してしまいました。『昼田とハッコウ』の感想を書きますね。

東京23区を少し出たところにある幸福寺。
某雑誌のアンケートでは、若者に人気のある街1位に毎年選ばれるような場所だ。
幸福寺駅から直結の商店街にある書店“アロワナ書店”がこの話の舞台。
田中家の一族経営で、いわゆる「町の本屋さん」であるアロワナ書店の、
淡々と流れる日常の中に、ちょっとずつちょっとずつ変化が起こる。

ってな感じの内容。
“幸福寺”ってのは明らかに「吉祥寺」がモデルになってます。
“アロワナ書店”のモデルは、カバー写真のロケーションにもなってる「BOOKSルーエ」かと思われます。
作中序盤に出てくる古本屋“涙書房”はおそらく「百年」だし。
と、知ってる場所が出てくるとそれだけで嬉しくなります。

本当に淡々とした変化しか出てこず、ストーリーについてちょっとでも書くと即ネタバレになってしまいそうなので、言及するのはよしておきます。
連載小説だったっていうこともあるけど、人生みたいに、
前情報を何も入れずに、全部リアルタイムで感じた方が良い小説だと思う。

リアルタイム、ということでこの本について書くなら、
元は『群像』という文芸雑誌に2010年3月から2012年3月にかけて連載された作品です。
連載時期に合わせて、ほぼリアルタイムでお話は進んでいきます。
つまり、2011年3月11日のことも、ちゃんと書かれているんですね。
他にこのような作品があるかどうかは知らないけれど、
震災前~震災中~震災後と、人の考え方や、あと感情の変化のようなものが、
すごく真っ当に書かれていて、それだけでも感動するものがありました。


あと、書店員の仕事、特に、町の本屋さんの仕事ってどんななの?って思ってる人は、
この本の18章のはじめだけでも読んでみて下さい。
おそろしく上手くまとまった形で書いてあります。

書店の話ですから、斜陽と言われて久しい書店業界のこれからについて、
おそらくは山崎さんの考えと思われる内容が書かれている部分があります。
(僕は普段から書いてあることを鵜呑みにしてしまう傾向があるんですが、)
山崎さんの考え方については、同意、です。

個人的に、“本”というものは無くならないかもしれないけれど、
書店は今後、もっともっと減っていくと思うのですね。
市街地にメガ書店が1軒あって、それ以外の中小書店は消えていく。
僕が普段働いている場所は売場1000坪クラスの大書店ですが、
売り上げが前年比100パーセント越えることは、月に数回です。そんな感じなのです。

ただ山崎さんが書かれたことと違って、
それでも僕が書店をやりたいなぁと思っている理由は、
作中に書かれているような大きなものではなく、
ただただ本が好きだから、という単純なことに尽きるんですけどね。
ってこれは個人的なことですね、失礼。


最後に、1ヶ所だけ、作中から引用。

“オレはどこに行こうかと考えを巡らせた。自分ひとりのときは、松屋かてんやか富士そばかはなまるうどんだ。月収十八万五千円で、ボーナスは出たり出なかったりという仕事だから、自然とそうなる。”

他の書店員さんの給料なんて知らなかったので、安心した一文でした。
これが取材に基づく数字だと信じながら、
今日のところはこれでおしまい。最後に1曲お聴き下さい。


山崎まさよし 僕らは静かに消えていく





20131003Thu
 >0泊3日関西書店巡り(4) 「大阪の夜は更けて」

前回までの駄文
(1)舌れ梵の安さに感動する話
(2)海文堂で海図を見つけた話
(3)長谷川書店で財布を忘れる話


s_IMG_1862.jpg
ミナミで見かけたレトロ物件。
すみません、入る度胸がありませんでした。


では続きいきまっしょうー。いい加減、今回で終わらせます。

長谷川書店を出て、水無瀬駅からモノレールを乗り継いで、千里中央へ。
そういえば途中に万博公園がありました。太陽の塔って本物見たことないや。

s_IMG_1858.jpg
6軒目 田村書店千里中央店
http://www.senrichuou.com/tenpo.php?mise=134

千里中央駅に直結しているショッピングモールの3・4階にあります。
建物自体が縦長で、特に4階はフロア全部が田村書店。
とにかく広い! 向こう側の壁がよく見えないという感動。
壁やら床やら全体的に白いので、高級感というか、神殿感が凄いです。
疲れが出てきてた上にちょっと広すぎて、全部は見きれませんでした(3階行けなかった)。
長谷川書店(広くないっていうか、狭い)とのギャップが凄いやね。

ここでも「『本屋図鑑』を見て来ました」とレジに居た店員さんにお伝えすると、
なぜかわざわざ副店長さんを呼んで頂くという事態に発展。
「連休明けで配本が多いときにお呼びだてしてすみません」とマジ謝罪。
ナイスな笑顔で許して頂く。わざわざ本当にありがとうございました!
そしてやはり、「海文堂さん、行ってきたんですか?」と聞かれる。
「そうなんですよ『本屋図鑑』に載ってる書店さんを回ってまして」
「じゃあこれから隆祥館さんやね」
……これ絶対、他にも誰かが同じルートで回ってるよなぁ。

・買った本
野崎まど「ファンタジスタドール イヴ」(ハヤカワ文庫)


ヤボ用でミナミに寄る。ご飯をどこか店に入って食べようかどうか迷うものの、
おひとりせき喫茶店「coro」に行きたかったんですけどね)
毎度お馴染み、歩きながらコンビニのパンとコーヒーで済ませる俺。
本屋以外、ほとんどどこにも寄らない僕は、おそらく旅の醍醐味というものをほとんど知らない。
けど、そういうのは40代くらいにとっておこうと思う。足が丈夫なうちは書店巡りをするのだ。
パンをコーヒーで流し込みながら地下鉄へ。
ちなみに、大阪の地下鉄は運賃が高い上に、場所によってはやたら歩かされるので注意が必要だぜ。


s_IMG_1868.jpg
7軒目 隆祥館書店
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/

なにを隠そう、あ、いや、隠すことなんてないのでありますが、
今回の関西書店めぐりで一番凄かったのは、この、ちっこい隆祥館書店であります。

『本屋図鑑』では駅の出口を出てすぐにあると書いてあります。
そのとおり。まさにそのとおりなんだけど、
その出口が改札から一番遠いところにあるので、実際は結構歩く。
すでに暗くなっていたこともあり、周りの環境はよく分からないんですけど、
けっこうビルが立ち並ぶ中にあったような印象です。
向かいの歩道から店の様子をうかがう。本当に小さい店です。
僕は店の坪数とかに詳しくはないのだけれど、15坪のお店らしい。
(ちなみに今は1000坪クラスの書店がバンバン出来てます)

そんなお店がね、満員で入れないのである。

僕が行ったときにたまたまお客さんが集中していたのかもしれないけれど、
6名ほどのお客さんで店内がひしめき合っており、
書店が満員で入るのを待つという人生初の貴重な経験。

先に入ってたお客さんたちが出て行き、ようやく入店。
狭い店内にはミッシリという言い方がぴったりなほど、本が詰まっている。
昨日ブログに書いた長谷川書店は、本棚に隙やゆるさがある感じだったけど、
隆祥館では、本がグッと迫ってくる印象を受けた。

レジで話している男性2人組がいる。
AVANTIの教授よろしく聞き耳を立てていると、
どうやら京都の恵文社バンビオ店の方らしい。
「いつか来ようと思ってたんですが、ようやく来れました」と話されている。
和歌山のイハラ・ハートショップ、鳥取の定有堂書店、
そして、大阪の隆祥館、
書店員が行きたい店ってのが、確かにある。書店員詣。

平岡養一という戦前に活躍したらしい木琴奏者についての本をレジに持っていくと、
レジにいらっしゃったおじいさん(店長の二村さんです)が、
「あれ、お客さん若いのに、平岡さんのこと知ってんの?」と話しかけてくれた。
「いえいえ、音楽が好きなのでどんな本なのかなぁと思って」
「ワシが子どもの頃はラジオでよう聴いたもんやけどなぁ」
戦争体験者、あらわる。まさかの角度からの話題だ。

そこへ店長さんの娘さんらしき方が。
「お客さん、音楽が好きなら今度こんなイベントがあるんですけど、よろしかったらどうですか?」
とチラシを渡して下さった。
朗読とギターのコラボのチラシだった。

そのチラシはさておき、このお方が二村知子さんかー、とすでに感動である。

雑誌や講演会などで二村さんが取り上げられているのを目にしますが、
このたった15坪の街の書店・隆祥館書店を、全国に名を轟かすほど有名にした張本人。
そんな伝説の営業部長さんである。当然、僕の持つ手提げ袋を見て、
「海文堂さんに行ってきたんやね」と気付かれてました。

僕が「普段はこの建物の上の階でイベントをやってらっしゃるんですね」と聞くと、
「そうなんよ、例えばこんなイベントを今度やるんやけど」とチラシを渡された。

<隆祥館書店・第1回 ビブリオバトル&サイン会>
<ゲスト 牧野修・我孫子武丸・田中啓文・北野勇作・田中哲弥

「ほっ、ほげええええぇぇぇぇぇ!!!!?」
「あら、どないしはったん」
「なっ、なっ、なんなんスか!? このやたら偏った超豪華ゲストは!!?」
「皆さん関西の作家さんやからね」
「いやいや、それだけの理由でこの5人は集まらんでしょう!」
「牧野さんなんてこの店のすぐ近くに住んでて、今日もお昼ぐらいに来てたんやで」
「すげええっ! マジすげええっ!!」

大盛り上がりである。
僕が『本屋図鑑』を見て東京から来たと言うととても喜んでくださった。
あまつさえ名刺まで頂いてしまって恐縮しきりである。
僕は名刺を持っているような身分ではないので一度は遠慮したのだが、
「また何か教えてもらえるかもしれへんし」と渡してくださった。
話しかけられたことと言い、チラシと言い、名刺と言い、不思議なことに全く嫌な印象は受けなかった。
二村さんはこうやって、自然と人と繋がってしまえる人なんだなぁと思った。
思うに、目的とか打算とか以前に、ただただお客さんを喜ばせたいっていう気持ちがあるんだろう。
ちなみに僕が二村さんとお話をさせて頂いてる間にも、
普段から通っているであろうお客さんたちがバンバン来ている。
本当にすごいとしか言いようがない。
文庫の棚出しやらでお忙しい中、帰り際まであたたかく見送って頂きました。

また大阪に行くときには、ぜひ寄りたいと思います。
自然とそう思わせてくれるお店でした。

・買った本
通崎睦美『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』(講談社)



日も暮れて、キタの街を汗だくで爆走。
実はすでに、スマホの充電が切れております。記憶だけが頼りだぜ! 一気に行くぜ!

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8軒目 本は人生のおやつです!!

前々から行ってみたかったお店であります。
言うなら、まだバンドをやってたころ、大阪までライブで行ったときに、
時間さえあれば行きたかった書店さんだったんですけどね。
(その時はたしか、オダサクのライスカレーを食べて終わった。時代先取りした。)
今回、ついに行くことが出来ました。
古本半分雑貨半分、っていう感じの品揃え。
しかし着いたのが閉店直前。ゆっくりできず。
他に常連さんがいらっしゃって、店員さんと話しこまれてて、
いたたまれなくなりスゴスゴ退店。次回はぜひゆっくり行きたい。


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「約100人のブックカバー展」@梅田LOFT
http://bookkaba.lolipop.jp/wp/

せっかく開催時期に大阪へ行くのだからと、予定にブチ込んでみました。
架空の書店のブックカバーを約100人の方々がデザインしたという展示。
有名どころでは「いか文庫」さんが参加してらっしゃった。
それぞれのカバーに書店の設定も付いてて読んでて面白かったです。
古書店員・デザイナー・イラストレイターの方から一般の方まで幅広く、
さらに実際に好きなブックカバーは購入することも出来ました。
もちろん、買いましたとも。

あと、隣でやってた「FREE POP EXPO」が良かった。
障害者を持つ方たちが作った製品や作品を展示。実際に買うことが出来るものもありまして。
で、で、で、「Otto & Orabu」のDVDが出とるやないかーい!!って驚きました。
残念ながら所持金不足でこの場では買えなかったんですが、必ず買うぞ。
今、一番ライブで聴きたいバンドかもしれない。グッドネイバーズ、行きたかったなぁ。


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9軒目 清風堂書店
http://www.seifudo.co.jp/

さて、関西書店巡りもこのお店でラスト。完全に夜。
いざ数えてみたら9軒か。どうりで脚がパンパンだったわけだ。
地下鉄の東梅田駅直結、地下街にある書店さん。

学校の先生が読むような教育書の品揃えが凄いお店。
おそらくは学校の先生が来れるようにと設定された営業時間(10時~22時)。
あと自費出版部門もあって、気になる本がチラホラと。
たとえば、これとか↓
70歳からの留学 77歳で56か国ひとり旅 ブログ日記
買ってくれば良かった……。
最後は少しでも荷物を軽くしようと、日和って文庫本を選んでしまいました。
僕はまだまだ修行が足りないようです。

別のフロアにあるコミック店の品揃えも良かった。
さすがコミック補完計画を謳うだけはあります。

・買った本
高野秀行『アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン』(講談社文庫)



<今回の反省コーナー>

・実は1軒行けなかった店がある
 →1泊2日奈良京都書店巡り(予定)のときに回収したい
・スマホの充電が途中で切れて最後は野生の勘で帰って来れた
 →なんか充電できる的なのの購入を検討
・カメラを忘れてスマホのカメラを使ったので充電がさらに減ることに
 →今のコンデジをあまり気に入ってないので、新しいの買おうか
 →そんなお金はどこにも無い
・財布はレジ台に置き忘れない
 →これマジ大事
・向こうの人に迷惑だけかけてる気がする
 →いくら気をつかっても旅人である以上仕方が無い部分もあるので、魔法の言葉を唱える
 →つまり「旅の恥は掻き捨て」
・気温や天気対策も必要。行きも帰りも東京では雨が降ってて寒かった
 →荷物が重くなるので要検討
 →僕の場合、どうしても本(紙)が増えていくので、防水には気をつかいたい
 →そういえば今のリュック、高校の頃から使ってるやつやん
・もはや身に沁みて分かっていることではあるが、夜行バス、などでゴタゴタ
 →これはまたオマケ収録、か?



いちばんはじめにも書きましたが、
わざわざ時間をとってお話して頂いた書店の皆様、舌れ梵のマスターとママさん、
本当に本当にありがとうございました。おかげ様で良い思い出ばかりです。
このダラダラ長いだけの文章を最後まで読んで頂いたあなた様にも感謝を。
悪筆乱筆遅筆失礼無礼千万、重々承知。誠にありがとうございました。

そして、海文堂書店の皆様、
無くなってしまう前に海文堂を見ることができて、本当に良かったです。
お邪魔致しました。ありがとうございました。
最後の迷惑として、この一連の文章を海文堂書店に捧げます。

ってなわけで、ここらへんで。
0泊3日関西書店巡り記、完っ!!


では最後に1曲。

ハナレグミ&忌野清志郎 サヨナラCOLOR




20131001Tue
 >0泊3日関西書店巡り(3) 「さらば神戸、こんにちは大阪」

前々回→(1)
前回 →(2)

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ANAのこの広告って関西だと関西弁になるんだっていう驚き。
(羽田で見たときは標準語でした)

ってなわけで、もう1週間経っちゃったけど。
いつ終わるのか関西書店巡り記。続き書きまーす。

海文堂を出て三宮方面へ戻ります。

s_IMG_1840.jpg
2軒目 シラサ
http://shirasa.ko-co.jp/

海文堂書店と同じ商店街にある、古本&ギャラリー。
洋絵本とか画集とか。女の子が好きそうだなー、と思いました。
男の子な僕は、たくさん並べられたレトロな薬瓶に興奮。
リュックサック背負った身としては下手すると何か壊しちゃう可能性もあるので、
あまり長居はせずに退店。



s_IMG_1844.jpg
3・4軒目 ジュンク堂書店 三宮駅前店&三宮店
(写真は三宮店です)

目標は三宮店だったんですが、はじめに間違って駅前店の方へ。
何だか、懐かしの新宿店を思い出しました。雰囲気が似てた?
新宿店にはよく行きましたからねー。本当にお世話になりました。
なんていう思い入れもあって、個人的には駅前店の方が好きだったかなー。
いや、でも、三宮店の方で、エスカレーターを降りてきて、文庫のフロアに来たときに、
ビャーッって本棚が並んでるのが見えた景色も捨てがたい。壮観。
三宮店は他のテナントさんも入ってたり、なんだかゴッチャリしてて楽しかったです。
あ、品揃えはね、ジュンクさんですから。万全です。
・買った本 @三宮店
森橋ビンゴ「東雲侑子は短編小説をあいしている」(ファミ通文庫)


トンカ書店、ちんき堂、ポレポレ書舗、汎芽舎、口笛文庫、ハニカムブックス、エメラルドブックス……。
などなどなどなど行きたい店はまだあったものの、全部ブッチ切って、
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いざ大阪へ。
ぜったいまた来るぜ、神戸。
快速電車に揺られまして約1時間。
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大阪・島本駅着!
田舎っぽい場所に見えますが、実は、田舎です。
けど、この写真の右の方にトッパン(大手印刷会社)のデカいビルがあって、
「……」っていう気持ちになりました。

ここで、先に言っちゃいますと、
海文堂の凄さを思い知ったのは、大阪に行ってからでした。
なんと、行く先々で「海文堂さんどうでしたか」って話しかけられたんですよ。
今回の海文堂閉店がどれだけ関西の書店界に衝撃を与えたか、
そして、どれだけ海文堂が愛されていたのかが、本当によく分かりました。


s_IMG_1852.jpg
5軒目 長谷川書店
http://walkingreader.blog60.fc2.com/

島本駅から真っ直ぐ歩いて約10分、阪急水無瀬駅の改札を出た目の前にあります長谷川書店。
店に入ると、分かりやすい場所に手書きの店内マップが貼ってあったり、
棚ざしのジャンル表示も厚紙に可愛い文字で書いてあったり、
っていうか、棚自体が既製品ではなくて、おそらく廃材だかを利用して作ったものだったり。
全体的にすごく温かな印象を受ける本屋さんです。
本の並びを見て、お客さんの希望を反映していくとこんな感じになるのかなー、なんて思いました。
けど、田舎の本棚の、どこか偏って、あげく過疎になってしまってる棚とは違って、
ちゃんと選ばれた本がギッシリと詰まってて、嬉しくなりました。
コンシューマーのハード機(確かニンテンドーだったと思う)や、そのプリペイドカードも売ってましたよ。
もしかしたらレンタル棚かもしれないけれど、地元密着って感じで良かったです。

一番感動したのは、植物の本が置いてあったコーナー。
面陳(本の表紙が見えるように陳列する方法)してある本を取ると、
なんと後ろから、小さな多肉植物の鉢がヒョコっと出てきたではありませんか
おおっ!と嬉しい驚き。これは可愛いぞ!
あと、ほぼエキナカの立地なので、電車が通ると店自体がすんごく揺れます。
これにはただただ驚き。はじめ地震かと思ったほど。
で、僕が海文堂の袋を手に提げているのを見て、店長さんが話しかけてくれました。

「あ、海文堂行ってらっしゃったんですか」
「はい」
「僕もねー、閉まるまでには行きたいなぁと思てるんですけど」
「今日はまだすいてましたけど、昨日までの3連休はすごい人出だったでしょうね」
「だと思てねー、だから僕、昨日まではブドウ狩りに行ってたんですわ」
「……へ?」
「ブドウ狩り」
「えっ、はい、ブドウ狩りッスか」
「僕、週末が休みなんですけどねぇ、海文堂行くとしたらもう来週末しかないですねぇ」
「あの、来週はもっと混むんじゃないでしょうか」
「ですよねぇ」
「なるほど、ブドウ狩りに行って体力を温存されたんですね」
「いやいや、ブドウ狩りは、普段よりも体力使いますから」
「あ、そうですよね」
「あははははー」
「あっ、あはは」

……もしかしなくても、この人、めっちゃおもろいぞ。
『本屋図鑑』を指して「この本を見て来ました」と申告すると、とても喜んでもらえて、
「これ読んで来てもらったっていう人には、サインを頂いてるんですよ」
と、長谷川書店が載ってるページを差し出されました。
ちょっと悩んだんですが、本名を書いてきました。ちっちゃくね。
ちゃんとは数えませんでしたが、他にも5・6人のお名前が。
おお、同志がいる、って思いましたよね。
『本屋図鑑』という本は、本好きを繋ぎますな。改めて、良い本です。

レジにいらっしゃった他の店員さんもすごく良い方で、
もしも自分の田舎の駅前にこんな本屋があったら、すごく良いだろうなぁ、と。
近くに住んでたら、なんでもないときに行って、店長さんと色々話したいなー。
それで、ついつい1冊買って帰ってきちゃう、という感じ。
あっちに住んでる人たちがそういうふうにやっててくれると良いな。

「あ、海文堂のフェア、どうでした」
「この際好きな本を~みたいなやつですか?」
「そうですそうです、僕、すごくあれが見たいんですよー」
「たしか、足穂の本だけ品切れしちゃってましたけど、他はまだありましたよ」
「うわ、良かったー」
「良いフェアでしたよー」

また来ますねーと行って店を出て、テリーと一緒にお店の写真を撮らせてもらっていると、
店長さんが慌てて走り出てきました。
すわ何事か、と思っていると、にこやかに、僕の財布を差し出してくれました
普段書いたことの無いサイン(って言っても普通に名前を書いただけだけど)をしたせいか、
緊張していたのでしょう、なんとレジ台に財布を置きっぱなしにしてきてしまいました……。

「どこかで気付かれるやろとは思ったんですけど」
「すみません!すみません!本当にありがとうございます!」
「ほな、気をつけてー」

そのまま店長さんに見送ってもらい、
「恥の旅は掻き捨て」と完全にテンパったセリフをブツブツ唱え、改札に入りました。



実は長谷川書店さんは、2013年1月まで2店舗で営業されていました。
もう1店舗「島本店」の方がどんな様子だったかはこちらのブログに詳しく書かれています
→「空犬通信
今は僕がお邪魔した駅前店だけで営業されています。
どういう事情なのかは分かりません。が、どうか長く続いて欲しいと、思います。
とても良い本屋さんでした。

・買った本
尾崎 かおり『神様がうそをつく。』(アフタヌーンKC)



どんと トンネル抜けて


次くらいで終わるかなぁ。もう少しお付き合い下さい。



  

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だいたい本を読んでいます





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