20150131 Sat
フルマラソン走れとか言われる


 運動が嫌いである。出来れば全ての道が動く歩道だったらいいのにと常々思っている。運動が嫌いだからという理由で、中学のときに吹奏楽部を選んだほどの運動嫌いである。ちなみに吹奏楽部は下手な運動部よりも厳しいので、いままさに部活を選ぼうとしているモヤシっ子たちには、止めておいた方がいいぞ、とアドバイスをしておこう。
 いまだに鉄棒の逆上がりが出来ないし、リフティングは1回で終わるし、上着を羽織っただけで右肩の関節が外れるほど、ふだん運動というものから遠ざかっている。
 僕が20代前半のころ。東京マラソンがまだ始まったばかりで、抽選の倍率がものすごいことになっていたころのことだ(今はどうか知らないけど)。社長命令で、モヒカンにしたり、カエルを生き造りで食べたりするなど、バカな操り人形みたいなことをしていたのだけど、その流れで突然「東京マラソンに応募してみなよ」と言われた。設置されたハードルを、出来るだけ面白い格好で飛び越えようとするのが唯一の信条である。速攻で応募し、安いジャージとスニーカーを買って、翌々日くらいから7時起きで、家の近くを走り始めた。7時だともう通勤通学の人がたくさんいて、金髪でジョギングする僕はよくチラチラと見られた。いつものごとく自意識過剰だろうけど。
 もちろん東京マラソンの抽選は落ちたし、僕のジョギングも1ヶ月ほどしか続かなかった。食いつき早い分、飽きっぽいのです。けど、トレーニングの結果は、数ヵ月後に、早起きできた休日の朝に「ちょっと富士山登ってみたいな」と思って、日帰りで山頂まで往復する、という馬鹿に結実しました。休み明けに富士山土産を持っていったときは、さすがの社長も驚いてました。
 なんでこんなどうでもいいことを思い出したかというと、1週間ほど前に突然デロデロの酔っ払いたちから電話がかかってきて、「フルマラソンで4時間を切れ」という脈絡の無さにもほどがあるだろにというミッションを課されたからである。その人たちは当日、フルマラソンを走りきったばかりだったのだ。フルマラソン(42.195km)を4時間以内で完走することを“サブフォー”という。一般参加者ならば、まず完走を果たしたのち、次に5時間以内、そして次に目標とするタイムではなかろうか。高尾山に登ることもなく、いきなり日帰りで富士山頂を踏破した僕にもってこいの目標だ。
 動物の一生で心臓が鼓動する回数は決まっている、という話を聞いたことがある。もしもその話が本当なら、走ったら走った分だけ、その人は早死にすることになる。人はそれに反して走りたがるものだ。寿命が縮んだとしても、走ることは単純に楽しいのだろうなと、思う。僕にはその感覚がやっぱりよく分からないんだけど。
 けど珍しく、走ってみようかな、という気にもなっている。もしも4時間を切れた暁には、走りきったあとの飲み会で、
「じゃあ次は僕からあなたに。次の文学フリマまでに1万字で3本の小説書いてください」
って言ってやろうと思っている。ちょっとでも鼻で笑う気配があったら、そいつら全員殴り殺すくらいの気持ちで4時間切りにいこうと思う。根暗文化系男子もたまには根明体育会系男子に復讐したいのである。うぇいうぇいウルサイと言いたいのである。僕は僕で勝手に楽しくやってるので、あまり関わらないでください、というのを叩き込んでやりたいのである。ネズミだってたまには噛みつきたいのである。バカにされる気配があるなら、自分の身は守らなければならないのである。


→なうぷれい
solosolo
(2007/06/20)
高橋悠治

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あまり好きじゃないんだけど、たまに聴く、高橋悠治。まだ良さは分からない。




20150130 Fri
一箱古本「ミラーボール回ラズ」間借り中@TweedBooks!


こんばんは。本が好きな流れ者、ナカイデソントンでございます。
1/29夜から、横浜白楽にある古本屋、TweedBooksにて、
なんと、古本を一箱分、しかもおよそ1ヶ月間も(1/29~2/22)置かせて頂くことになりました!
箱の名前はもちろん「ミラーボール回ラズ」でございます。
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箱の様子はこんな感じです。
今回は、エロに特化しております。いや、今回も、か?
ちょいエロ、おしゃれエロ、もろエロ、易エロ、難しエロなどなど。
軽風俗経由・いかがわしさ満開、
一箱古本ミラーボール回ラズ@TweedBooksをどうぞよろしくお願いいたします。

看板も作りました。ぜひ寄って見てください。
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おっぱいがーいっぱーい。

そして、なんとめっちゃ嬉しいことに、
ツイードさんが、ミラーボール回ラズとコラボ棚を作ってくれましたー!!

えろーい!! 
この棚の下に僕の箱が置いてありますので、一画えろえろです。

4人の箱主さんが1ヶ月ごとに交代で箱を出してます。
僕の前のドジブックスさんは、喫茶へそまがりの棚をはじめ、
他にも色んなところで古本を売ってる方です。

僕が箱を設置しに行った日は、そのドジブックスさんが主催で、
「ひとつき十冊」 というイベントが行なわれてました。
僕はお客として参加。いつもどおり、最前下手の席を確保。
内容は、先月に読んだ10冊の本の感想を、出演者4人が語り、
さらに次月に読む10冊の予告もする、という
つまりこのイベントに一回行けば、
80冊の本のことに触れられるというわけで。濃い。

第一回目は、昨年読んだ本の中からの10冊、を紹介。
出演されてたのが、ドジブックスさん、ツイードさん、
へそまがり店長のへそさん、へそまがりゲストハウス旧管理人しんじさん、
という、顔を知ってる方ばかりだったので、
本が好きな友達の熱い話を聞いてるようで楽しかったです。

特に、へそさんのマンガ紹介にかける熱さが異常だった。
ほぼ毎回涙ぐんでたもん。不器用な侍みたいな人だな、と改めて思った。
(※注:へそさんと、しんじさんは、開演前に燃料を補給しに行ってました)
ドジさんの容赦ない司会回しも良かった。
ライト級のボクサーが打つ速いパンチみたいな相槌だった。

4人の趣味みたいのが読んでる本から伺われるのも良かった。それが役割分担にもなってて。
ドジさんは芸能・サブカル、へそさんはマンガ、ツイードさんは文芸・音楽・服飾。
しんじさんの選ぶ本は、世界の捉え方を考える、ような本が多かった印象。

へそさんが紹介していた『夢から覚めたあの子とは~』は僕も読んだことがあるので、評をもっと聞きたかったなあ。
ほかに紹介していたマンガとは、これだけ毛色が違った気もするし。
へそさんの『えーえんとくちから』評は、すごく良かった!
これね、俺がへそさんに紹介した本だからね! と、はい、ちょい俺の自慢のコーナーでしたー。

ツイードさんが紹介してたソローキン、いっぺん読まなきゃなぁ、と思いながら『青い脂』を手にとって、
「あ、ちょっと、無理かも」
って思っちゃた印象が拭えん。読も読も。
いま思い出したんだけど、この前やった「3人でよってたかって本をオススメする会」のときに、
ボラーニョの『2666』読破したって方が居て、マジかよ……(ゴクリ)、と思いました。
反論があるのは百も承知で言うんですけど、やっぱ厚い本を読破するってのは単純にカッコイイと思います。

1回目ということもあって、時間配分など探り探りのところがあったけど、
毎月やるイベントということもあって、だんだん良くなっていくのは間違いないし、
なにより、今回それぞれが予告した10冊を、ちゃんと読んでくるのかどうか、
というのが、メインの見ものになってくるのだろうなぁ。
今回のセレクションは、1年間で読んだなかの(おそらくは上位の)10冊だったし、
次回からは玉石混交になってくるという部分も興味津々。

僕も本を読みたくなって、さっそく図書館へ行きました。
あ、そうそう、出演者の方に聞きたかったこと。
皆さんは図書館は使われますか?







20150126 Mon
スケールを変化させる方法を


土曜、喫茶へそまがり@横浜にて、
「三人で寄ってたかってお客さんに勝手に本を勧める会」、
盛況のうちに無事終了いたしました。皆さま、どうもありがとうございました。
やっぱり皆で本の話をするのは楽しいですね!
ありがたすぎることに、早速、第二弾開催希望のお声を頂いております。
もしも第二回が開催されたとして、ふがいなさ全開だった僕は降板になっているかもしれません。
それでも是非足を運んでいただけると嬉しいです。

3人であーだこーだとオススメの本を言わせて頂いたのですが、
花田さんの脳はどうなっているのだろうか、
というくらいの、引き出しの多さと、そのひとつひとつの深さ。
花田さんのオススメトークを隣で聞いていて、
え、今、網膜に原稿が映っているんですか? ウェアラブルなんとかですか?
というほどの、それだけでもう見事に書評になっている喋りは本当に凄かった。

そして僕の対面に座っていたTweedBooksさん。
いつもどおりのお洒落な服でキメていらっしゃった。
あと、お会いしてもすぐに分からなかったほど、髪形が変わってました。
相談を受ける途中、「恋愛小説、読んだことないなー」と天を仰ぐ仕草が良かったです。
飄々とした喋り口の裏には、確かな読書歴と、本への愛を感じました。

不肖ソントンは、うなずきと書記に徹しました。
お約束の、遅刻もかましました。大変ご迷惑をおかけしました。

中ボスとラスボスの出現は予測していたものの、
まさかの隠れボス(FFのアルテマウエポン的な)が登場。
あの方、凄かったなー。印象的には僕の800倍くらい本を読んでらっしゃった。敵わぬ。

もう初めから花田さんとツイードさんに頼ろうというなめた態度で、
僕は、お客さんに本を教えてもらう、くらいの勢いで臨んだんですけど、
聞いた話の中で特に印象に残っているのは、建築の勉強をしているという方の、
スケールを変えて物を見る、というやり方のことでした。
建築の勉強をする中で、100分の1とか、50分の1とか、
何種類ものスケールで模型を作る、というのがまずあって、
たとえば商店街に1軒、ボロボロのお店があって、
単体で見ると取り壊した方が良いような建物だったとしても、
見方を変えると、その商店街はそのお店があるおかげで良い感じになってる、ということがある。
ひとつの見方だけではなく、スケールを変えて見ること。
その自在な行き来の仕方が、すごく興味深かったです。

あと、うら若い女性に質問された、「愛とはなんですか?」

……哲学か!

この質問でツイードさんが天を仰いだんですけどね。
僕も何と答えたかあまりよく覚えてません。
つまり、愛とは何か、まったく分かっていません。
恋と愛の違いとか、むにゃむにゃ考えてたら、お腹が鳴りました。
しょせん、恋愛は食欲には勝てないのかもしれません。

結局ズバリな本のオススメは出来ませんでしたが、
映画『人生に乾杯!』、
あの感じが、愛じゃないかな、と思います。



最後に。
もしお客さんが2人くらいしか来てなかったら、僕もいくつか本をオススメしてもらおうと、
質問をいくつか考えていってたので、それを載せておきます。
良い本をご存知の方、ぜひともお教え下さい。

・ふだんあまり読まないので、面白い歴史小説を
・還暦の父に贈る本
・10年来のインターネット中毒、加速するTwitter依存を止めるための本
・女の子気持ちが分かる本

以上、よろしくお願いします。


第二弾の前に、木曜日にTweedBooksさんにて、
ドジブックスさん主催の「ひとつき十冊」というイベントがスタートします。
出演者の方が、先月読んだ10冊と、次に読む10冊を話す、というイベント。
僕も聴きに行きます。楽しみです。
ついでに一箱古本も搬入させて頂く予定。火・水曜で慌てて準備します。

僕もまたたくさん本を読もうと思います。
本なんて、生きるために全く必要ではありませんが、
必要なものよりは、無駄なものの方が好きです。







20150123 Fri
明日、横浜で、19:00から、本のイベント、やるから来てください


明日は横浜の喫茶へそまがりでイベントやります。
時間は19:00~21:30です。
途中から入って来て頂いても、途中で退出していただいても大丈夫だと思います多分。
日曜は遅番なので、呑みに連れてっていただいても大丈夫だと思います多分。
ヴィレッジヴァンガード歴11年の花田さんと、
横浜白楽の古本屋・Tweed Books店主のツイードさんと、
うなずき担当の不肖ソントンが3人でお送りします。んがんぐ。
あっと、すみませんが、800円かかります。美味しい飲み物付いてきます。

「三人で寄ってたかってお客さんに勝手に本を勧める会」という名称です。
その名のとおり、お客様のリクエストにお応えして、3人が何か本を勧めるという会ですが、
僕は微笑みと相槌と可愛げを振りまくことに終始したいと思います。30歳のおっさんです。
もしくはその人にぴったりの珍物食をオススメしようと思います。
ちなみに2月の珍獣屋@横浜ではツキノワグマとヒグマの鍋が食えます。

前にも書きましたけど、量も内容もそんなに本を読んでるわけではないですし、
僕といたしましては、来て頂いた方も含めて、
皆でワイワイと本の話が出来ればそれが良いなぁと思います。
本以外の話でも全然良いなぁと思います。
何かしら次に繋がっていけば面白いなぁと思います。
読書会とか朗読会とか読み聞かせとかビブリオバトルとか、
その隙間を行くようなイベントが出来れば面白いのに。



担当のフロアに児童書売場があるので、仕事中に、
「○歳の女の子(or男の子)に本をプレゼントしたいんだけど、一緒に選んでもらえます?」
みたいなことをよく言われる。仕事の中でも一番苦手な作業である。
自尊心、いや、もっとライトに“ドヤ心”とでも言おうか、
そういったものを押し付けることなく、プレゼントを贈るのは本当に難しいと思う。
なんせ僕はほぼほぼ自分が楽しいことっていうか楽なことだけを考えて、とうとうここまで来てしまったからだ。

というか、はたして本はプレゼントにふさわしいのだろうか。
本を100万冊読んでも駄目な人。
本を1冊も読んだことがなくても偉い人。
その人が読んでる本とかどれだけ本を読んでるかなんて、何にもその人に関係ないと思う。
僕は本屋で働き始めてから、ようやくそういうことに気がついた。
要するに本屋に本を買いに来る人=おそらく結構本を読んでるだろう人たちは、
全然聖人君子じゃなかったという現実に直面してしまったからだ。


けれども僕は、ワキ汗をダラダラ流して、呂律も回らないまま、こう言いたい。

「女の子でしたら、いもとようこさんの『てぶくろ』が良いと思います。
 いもとさんは有名な作家さんで、どれを選ばれても良い本ですし、
 特に『てぶくろ』は数ヶ月前に出たばかりで、まだ持っている方も少ないと思います。
 小学校くらいの男の子だったら図鑑なんかも良いんじゃないでしょうか。
 僕は小学館の『キッズペディア』が好きです。 
 あと、今はとにかく『MAPS』が最強です。プレゼントだったら間違いなくこれです。」



本を読めよ子どもたち。
ゲームをしろよ子どもたち。
サッカーボールとか蹴れよ子どもたち。
たくさんの好きなこと思い切りやれよ子どもたち。

本は悪くない。ゲームは悪くない。サッカーボールとか悪くない。
自分の好きなものを守れるのは君しかいない。
好きなもの、好きだということを、守るのは大変でずいぶんキツイ。

たぶん、それを好きだったことを、やがて忘れると思う。
っていうか、それを嫌いになったりすることもたくさんあると思う。
別にそれで良いと思う。
好きで居続けられる人なんてそんなに居ないんだし。

ただ、
動けなくなった朝とか、
死にたくなった夜とか、
終わっちゃった人生とか、
そんなのから何度だって救ってくれるのは、
一瞬でも本当に好きだったものだけだよ。



周りの凄い人たちを見てると自信はなくなる一方ですが、
明日は、まあいつもどおりの卑屈な感じで、皆様に本を薦めさせて頂こうと思います。
本が好きだった3歳児は、いまや30歳のおっさんです。本が好きなおっさんです。




20150122 Thu
撮影、他


休日明けの仕事は、休日ボケというものがあると思う。ずっと妙な、ぬるいハイテンションだった。
突然にやにや笑ったりしてた。職場じゃなかったら完全に不審者である。
いや、職場であっても完全に不審者である。歯を噛みしめてニヤケを抑えた。

昼からテレビの撮影があった。不覚にも撮られた。
全国に指名手配されているという設定だというのに。中二病。
後輩の書店男子、ツンさんに関するコメントを求められた。
ツンさんの結婚式で挨拶をするときばりに誉めそやした。
「ツンさんはー、えーっとー、そのー、イケメンです!
 あとー、うーんっとー、あ、この前、実家の敷地内にある山から石油が出たらしいです!」
とかなんとか。
いつだかのテレビで放映されるかもしれないとのことだったけど、
他の人に要する撮影時間が10分強だったのに対し、僕の撮影は5分ほどで終わった。推して知るべし。
緊張してたから時間が早く経ったんでしょ? とおっしゃる向きもあるかもしれない。確かにそうだけど、
ならば私の腕時計は相当に緊張していたのだろう。

雨なので店全体は暇め。しかし、センター試験が終わったばかりということもあって、
赤本の前は人だかり。願書の電話問い合わせからの取り置きも多く、
最上階にある担当フロアから、取り置きカウンターのある1階までを何度も往復し、
一人エレベーターアクションみたいなことになってたら、あっという間に一日が終わった。
赤本も願書も補充していないことをタイムカード切った瞬間に気付く。
社員さんに向かって礼拝の振りで土下座をした。心の中で。

出来るだけNO残業で帰るようになってから、帰りの電車がちょうどラッシュくらいの時間になる。
BlueToothはきっと、満員電車でイヤフォンケーブルが他の人のバッグに引っかかって、
首をグィン!っていわした人が考えたものなんだろうと思った。

家でレトルトカレー(トッピングは卵とチーズ)を食べていると、
彼女からLINEが入った。(LINEでやりとりが始まることを人はなんと言うのか一体)

「早稲田松竹へ行ってくる」
「チョコレートドーナツかー、観たかったわー」
「あれれ?迷ったよ?」
「いやいや、高田馬場を出て大通り真っ直ぐ行くだけやん」
「迷った先でモツ焼き屋を見つけて入ったよ?」
「映画観る前に燃料補給は大事やね、っておーい!何してんねーん!」
「呑んでる(ホッピーの画像添付)」
「ほどほどにね」
「これ4杯目」
「あんたバカか!」
「ビールはプレモルだった」
「世界はそれを5杯目と呼ぶんだぜ」
「では映画行ってきます」

まったくの通常運行だった。なので僕は図書館へ向かった。
気になっていた文芸誌『文学界』を手に取り、読むのは冒頭、又吉直樹「火花」。
文学好きで知られるお笑い芸人、ピースの又吉さんが初めて書いた小説だ。
Twitterでも書いたけど、明らかに夢路いとし喜味こいし師匠のことが書かれている部分があり、思わず涙ぐんでしまった。
いとこい師匠を見ることで初めて正月を迎える僕は、もう何年も年を越さず、歳もとらないままだ。

閉館時間までに間に合わずまだ途中までしか読めてないんだけど、それでもかなり面白かった。
明日もまた行こうかしら。




20150120 Tue
キリンはダンスを踊れない


 仕事のあとでタワーレコードへ行った。ジャズピアニストVijay Iyerの新譜、輸入版が入ってるらしいという情報をキャッチしたからだ。タイトルは『Break Stuff』。ECM移籍後の2枚目のアルバム。

Break StuffBreak Stuff
(2015/02/10)
Vijay Iyer

商品詳細を見る

 前作の『Mutations』はピアノ+弦楽四重奏という編成もあって、ジャズというよりはクラシック、いや現代音楽といった印象だった。まあそれでも良いアルバムであるのには変わりないのだけど。そこで今作の内容はというと、まず編成はVijay Iyer Trioの名が示すように、名盤の呼び声高い『Accelerando』と同じ、
p. Vijay Iyer
b. Stephen Crump
d. Marcus Gilmore
のトリオ。初めて聴いたときから、全員変態だという印象は変わっていない。

 ここからは完全に菊地成孔さんの受け売りになってしまうんだけど、今のジャズは“リズムの微分・積分が流行っている”ので“ドラマーが重要”らしい。そんな中、Marcus Gilmoreは確実に今ジャズを牽引するドラマーのひとりである。
 リズムの微分・積分というのは、僕の理解になってしまうんだけど、まず微分は、基本の枠をそれぞれに細分化して、大枠を崩さないままにビートの揺れを作る感じ。変な感じはするけど、ズレない=踊れる。

(例 DCPRG『構造1』
4拍子(ベースを聞くと取れる)と5拍子(主にドラムのシンバルとパーカッション)が1つの枠の中で鳴ってる)

 対して積分は、基本の枠にさらに足して、それを重ねていく感じ。数学的で、体で取るとズレる=踊れない。

(例 Vijay Iyer Trio『Human Nature』
拍は、5/8+8/8、もしくは3/8+3/8+4/8+3/8。どちらにせよ8分音符が1個足されてるので、そこでズッコケル)
 微分は戻ってくる感じ(リズムのループ感)があるけど、積分は進み続けていってしまう印象。それが踊れる・踊れないの違いになってるんだろうな。

 今ジャズで特に有名なドラマーはMarcus Gilmoreの他にも、Robert Glasperのバンドなどで叩いているChris Daveや、昨年末に来日した際はTwitterのタイムラインが“バスドラのペダルになりたい”で埋め尽くされるほど人気だったMark Gulianaなどがいる。特にChris Daveのドラムを聴くと今のドラムは、マシンによる打ち込みを経て再び人力に戻ってきたものだということがはっきり分かる。
 打ち込みで音楽を作るときに“クオンタイズ”といってリズムの調整をする機能があるのだけど、かつてはリズムをジャストにそろえることしか出来なかったのに、機能の進歩で“ヒューマナイズ”といって、人間っぽいズレも機械で再現できるようになった。それを今のドラマーたちはさらに人力に戻して叩いているというわけ。これも菊地さんが言ってたけど、人力と機械のやり合いでリズムっていうのは進歩していくのかも。

 なんてことをVijay Iyerの新譜を視聴しながら考えていた。ニューアルバムはいよいよわけわからん感じになっていた。出来れば自分で解き明かせたら楽しいのだろうけど、現状そこまでの知識もなく、誰かの解説を要する。
 結局CDは案外高かったというのもあって、一旦保留。スリーター・キニーの新譜(超カッコ良かった!)や、ロリ・スカッコ(去年からずっと欲しい)を聴いて、結局全然違うCDを買って帰った。

 やっぱり、音楽は良い物だと思う。




20150117 Sat
新しい自分にする


30歳になったら変えようと思っていたプロフィール画像をようやく変えた。
パソコンからご覧になるときに、ページの右上に表示されてるやつ。
彼女がiPhoneで撮って、加工までしてくれた。加工前の画像は割とイケメンで笑える。
元画像はLINEで使ってます。LINEで繋がってる人はぜひ笑ってください。ぷぷぷ。
Twitterの画像も変えたい。
水木先生のマンガそんなに読んだことないのにネズミ男とか使ってると、
いつか水木プロに怒られる。それより前に妖怪たちが攻めに来る。

へそまがりの「本をオススメする会」、もう来週なのかーとドキドキしてきた。
一応出演者(?)の3人はいるけど、来てくれた人も合わせて皆で、
あーだこーだと本の話が出来れば楽しいよなあ、と僕は思ってます。

イベントに誘ってくれた花田さんの日記、あとおなじみ、にたないくんの日記とか、
こういう清々しい、行間に秋の風が、ぴゅうと吹いているような、文章が好きだ。
花田さんの日記を読んで、久しぶりにブログを書いてみようと、筆をとった次第。
筆じゃねえな。キーボードか。ああ、キーボードのエンターキーがいよいよ悲鳴を上げ始めましたよ。
二人みたいな文章が書けたらいいなぁ、と思いつつ結局、
“これで「どや!」
 次に「どや!」からの「どや!」
 先月もかけたこんなんで「どーや!」”
 (Rhymester『Deejay Deejay』より)
という、ドヤ顔の文章しか書けない。修行が足りない。

同人誌の方の「ミラーボール回ラズ」編集長から、
懲りずに5月文フリで新刊を出すべく、文章の締め切りお知らせメールが来た。3月末。
次回のテーマは<再会>とのこと。
近所に住んでる小・中学校が同じだった女の子が大学卒業後に看護士になってて、
ガンだった僕の祖母が入院してた病院でたまたま働いてて、
金髪・モヒカン・スカジャンでお見舞いに行った僕と再会してドン引きしてた話とか、
貴重かつ最低な経験を活かして、面白い文章を書こうと思います。期待せずに待ってて。

ディアンジェロのアルバムを買ったけど、結局ずぶぬれシアターのCDを聴いてばっか。
本当に良いCDだ。自分で作ったラジオ局で毎日1曲ずつかけていきたいくらい良い曲ばかりだ。
しかし、そんなラジオ局はこの世に無いので、ブログに載せることにする。


ずぶぬれシアター/うそでもいいのさ




20150111 Sun
夜よサラバ


夜更かしである。夜行性である。宵越しの金は持たないのである。
小学生のころからテッペン(深夜0時)を越えて起きているのはザラだった。
気付いたらラジオからはJET STREAMみたいな毎日だった。
(さすがに城さんよりは小野田さんの方が馴染みがあるけど)。

小学生5・6年の年越しは友達の家で、
オールナイトで『ストリートファイターZERO2』をプレイしていた。
サターン版だったので隠しキャラは真豪鬼のみ。
皆小学生男子なので普通に強いキャラを使いたくて、ほとんど真豪鬼が出ずっぱりだった。
3時くらいになってテンションがおかしくなってから不意に、
僕は持ちキャラでも何でもなかったソドムで真豪鬼を倒せるかどうかに挑み続け、
5時くらいに皆が半分寝ながらコントローラーを持ち始めたあたりで、
ようやっとその辛いミッションを達成した記憶がある。
その経験はもちろん、後の人生で何の役にも立っていない。
完全に余談ですが、そういえば最近またウメハラが漫画化されてましたね。

前にも何回か書いたことあるけど、中学の頃は某ゲーム雑誌の編集になりたかったので、
当然、徹夜でゲームをすることも多かった。
中学2年の年越しは、『アークザラッド』で遺跡ダンジョンを地下50階まで潜り、
見事ちょこを仲間にするという苦行をやってのけた。
(遺跡ダンジョンは途中セーブが出来ず復路もあるので、徹夜じゃないと無理だと馬鹿は判断した)
その経験はもちろん、後の人生で何の役にも立っていない。

ちなみに、不思議のダンジョンシリーズは、なぜか死ぬほど苦手で、
いつも序盤で死ぬ。SFC版の『風来のシレン』は、テーブルマウンテンに1回しかたどり着いたことがない。
たぶん、ああいう頭を使う要素があるゲームよりは、反射神経と慣れが肝要で、
やりこめばなんとかなるっていうゲームの方が得意なんだと思う。
完全に後の人生に響いている。

とかなんとか書いてたら久しぶりにゲームがやりたくなったりもしてきたが、
今までのは完全に余談。よだーんである。

この前の水曜日、いつもお願いしている髪切り屋・尾切トカゲさんに、
カットの予約をしていたものの、完膚なきまでに寝坊。
どこでもドアがあったとしても、ちょっと時間どおりに着くのは難しいんじゃねえか、
という時間に起きてしまったのだ。
トカゲさんは怒り新党、僕のiPhoneを通信制限にかけるために、
やたら容量の大きい、しかし内容がすこぶる面白くついつい最後まで見てしまう、
魔の動画ファイルを毎晩毎晩送信してくるようになった。
犬のすごい可愛い動きが次々と20分くらい続くやつとか。
うん、嘘です。トカゲさんはそんなコスイことしません。

いい加減遅刻して人に迷惑をかけるのを止めようと、
俺三十而不夜更 を決意
(↑小学生でもできる)
愛しき夜よ、サラバ! というわけで、
最近は真面目に、1時か2時には寝てます。
……そうです、これで夜更かししてないつもりです。
今まで何時に寝てたかは各自お察し下さい。

生まれ変わった僕。そう、これからは早寝・遅起をモットーに、
変わらず待ち合わせに遅刻して、皆に迷惑をかけ続けたいと思います。

生まれてきてマジすまんかった。




20150106 Tue
「本をオススメする会」&「一箱古本屋」をやる


昨年出会った方々のご厚意により、ナカイデソントン、
1月から早速やらかさせて頂くことになりました。しかも2発。
なので本日は宣伝喧伝でんででーんの日とさせて頂きます!


「三人で寄ってたかってお客さんに勝手に本を勧める会」
1月24日(土)19:00〜21:30
喫茶へそまがり(横浜)
参加費:800円(へそワンドリンク付)

<本をおすすめする人>
*花田 菜々子(主催)
ヴィレッジヴァンガード歴11年
得意ジャンル:日本文学・サブカル
2014年のベスト3
「プラトニック・プラネッツ」雪船えま
「おしゅしだよ」やばいちゃん
「逢沢りく」ほしよりこ
ワースト
「私の男」桜庭一樹

*Tweed Books 店主 細川克己
新刊書店歴5年
出版社歴10年
得意ジャンル 筒井康隆とその周辺・ファッション・ジャズ
2014年のべスト3
吉田知子「脳天壊了」
庄野潤三「インド綿の服」
細野晴臣「地平線の階段」
ワースト
なし

*空想現実古書店 ミラーボール回ラズ 店主 ソントン
得意ジャンル:大人びたい中学生男子が手に取りそうな本
2014年のベスト3
「アウラ・純な魂」フエンテス
「金魚ファーラウェイ」金魚ファー
「BLUE GIANT」石塚真一
ワースト
「My妹」わかつきひかる

昨年の「本を読まなくなったへそくんに本をススメてみる人たち」にて出会った、
花田さん主催のイベントに、プレゼンター(?)として参加することになりました!
花田さん、そして、TweedBooksさんという、ガチの本のプロとご一緒。畏れ多いわ。
けど、この際なので、アルバイト書店員という肩書きは忘れ去り、僕も本のプロを自称させて頂きました。
内容は、来て頂いたお客様のご希望に沿って、3人であーだこーだと本をオススメしようじゃないか、という、
お節介この上ないイベントとなっております。
某フェアが炎上したばかりですが、しかし、敢えて僕は言いましょう。
本当はあなたにこんな本を読んで欲しいのだと! そして炎上大爆発!!
他詳細は→へそまがりのブログにて。
本のオススメなんて求めちゃいないぜ、という孤高のあなたも、ここはひとつ、新年会と思って、ぜひ。
どうぞよろしくお願いします。



・「一箱古本屋」
TweedBooks(白楽)

昨年末、横浜白楽に誕生した古本屋「TweedBooks」(→僕の訪問記)にて、
一箱古本・ミラーボール回ラズを1ヶ月間置かせて頂くことになりました!
他の一箱店主様たちと1ヶ月交代でリレーします。
早速ドジブックスさんの一箱は始まっておりますので、ぜひとも白楽、足をお運び下さい。
スケジュールは以下参照。

1/7~28 ドジブックス →blog →twitter
1/29~2/22 ミラーボール回ラズ
2/25~3/14 雲雀洞 →blog →twitter
4/1~20 ドーナッツブックス →blog →twitter


ドジブックスさんは知っているのですが、あとのお二方は申し訳ないことに存じ上げず。
ドーナッツブックスさんは西荻・盛林堂書房内の棚でお名前拝見したことがあるのみ。
なので、チラッとブログなどを見させて頂いたのですが、……皆めっちゃ強い。ゾーマ並に強い。ゾーマ箱や。
しかし僕が目指すところはゾーマ箱ではなく、もちろんそう、ぱふぱふ箱。
うちにあるエロ本その他総動員で、一箱埋めさせて頂きます。

もちろん、へそまがりでの古本棚・ミラーボール回ラズも継続して販売中。
皆様の優しさで、僕のうちのエロ本を迎えてやって下さい。
もろもろどうぞよろしくお願いします。




D'Angelo and The Vanguard - Betray My Heart




20150104 Sun
『ゴーン・ガール』を家族で観に行った


poster2_201501042324463c1.jpg

映画『ゴーン・ガール』を観ました。
http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/

1/2のブログにもちょこっと書きましたが、正月に実家へ帰ったとき、
迎えに来てもらった車の中で、父にいきなり、
「ケンゴ(注:僕の本名)! 今日はこのあとソバ食いに行ってから、映画観に行くでな!」
「いや、映画はええとしてやな、なんで12/30にソバやねん」
「明日は混むやろ」
「年越しにはイブとか無いんやで」
「そんなん知っとるわ。映画はな、『ゴーン・ガール』っていうのを観に行く」
「へー、どんな映画なん?」
小説が原作らしいで

と、いつもながらに全然説明になってない説明を聞きながら、
すっかりペーパードライバーになってしまったので、弟が運転する車に連れまわされるまま、
ソバ屋、ユニクロ、映画館と回ってきました。

映画館はナカイデ家の行きつけシアター、明和(三重県)の109シネマズ。僕は超久々のシネコン。
我が家の手配師・弟によって座席はバッチリ確保されてました。
なんかメンバーカードを持ってたら、豪華席に通常料金で座れるらしく、
荷物置き用のテーブル、リクライニング、隣席との間隔が広々、前に遮るものがない、
という超良席に家族4人で並んで観ました。
ちなみにウチの家族は、多いときには週1~2で映画館へ行く、映画馬鹿どもです。
それに寄席と舞台とライブが加わります。東京にいる誰かより、よっぽど足繁く通ってる。
特に父が50歳越えて以降は(夫婦50割がきくため)映画のペースが鬼。まったく敵わん。


さて『ゴーン・ガール』です。
残念ながら細かく考察(いや、いつもそこまでしてないけどさ)できるほどにはガッツリ観れませんでした。
前日、帰省準備のためほとんど寝ておらず、集中力をあまり使えなかったのが敗因。
けれど物語の進行が加速し始める中盤以降は、まったく眠気を感じないほどのめりこみました。
言い訳させてもらって良い?
もう一回観に行けば、ちゃんと感想書ける! ……ような気もする。
けど、話の運びが上手いので、ついついまたのめりこんでしまって、最後までスルスルッと観てしまうかも。
約150分っていう長さはたしかに感じたけど。

あらすじを引用。

幸福な夫婦生活を送っていたニックとエイミー。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。警察はアリバイが不自然なニックに疑いをかけ捜査を進めるが、メディアが事件を取り上げたことで、ニックは全米から疑いの目を向けられることとなる。


監督は、デヴィッド・フィンチャー。
僕は『セブン』と『ベンジャミン・バトン』だけ観たことがあります。
『ベンジャミン・バトン』はイマイチだったんですけど、
『セブン』を観たあとはしばらく、ブラッド・ピットみたいになりたい、と本気で思ってました。
なので、『ベンジャミン・バトン』では一番好きだった頃のブラピが観れてラッキーっていうのはあった。
『セブン』のラストシーンは強く印象に残ってます。観たの小学生か中学生くらいのときだったので、
純朴な少年の心に、人間というのは一筋縄ではいかないのだよ、と叩き込まれた感じでした。
世の中には、名前の付けられない感情や、説明することができない出来事、
があるのだということを教えられた映画。名作。名モーガン・フリーマン。

映画自体は、いやもうこれ、完全にネタバレしたらあかん作りやん、っていう感じ。
ストーリー部分にちょっとでも触れると、即ネタバレ。
なのでノータッチで済ませます。テヘペロー☆
どんでん返しが好きな人は、観て絶対に楽しめると思います。
“ラスト一行であなたの脳は凍り付く!”
とかオビに書かれた文庫本をついつい手に取ってしまうあなたにオススメ。

ちょっと前に『ブルーバレンタイン』を観て(→僕の感想)、
これ絶対にカップルで観たらあかん映画の金字塔やん、って思いましたが、
そこで『ゴーン・ガール』、いやはや、来ましたね。
カップルで一緒に観たあとは、猜疑心に煽られまくって、
相手のやることなすこと、素直には受け止められなくなること間違いなし!
『ブルーバレンタイン』は結婚前に踏み絵としてぜひ観たい映画ですが、
『ゴーン・ガール』は結婚後の二人にもヒビを入れてくる可能性があるので、
完全に上手くいってる時期に観ていただきたいですね。
なんか安倍首相がご夫人と一緒に鑑賞されたらしいですけど、
どうだったんでしょうかね。いま一番感想を聞いてみたい。

僕が良いなーと思ったのは、音楽。
クレジット見てびっくりしたんですけど、トレント・レズナーかよ!NIN!
普通の耳障りのよいトラック、から、電子音のノイズが入ってきてー、
っていう見事なほど不安を煽るサントラ、良かったです。

観終わったあと、父僕弟の男3人の意見が一致したのは、
「あの富豪、かわいそすぎる」でした。
母は「女は怖いんやでー!」って言ってました。
あと父と僕はとにかく、ラストシーンのベン・アフレックの表情は完璧、という感想。

では、宇多丸師匠(→YouTube)と、町山さん(→YouTube)の評論、これから聞きます。
話題作ということもあって、ご覧になった方も多いと思うので、
よかったら、あなたの感想もぜひ教えてください。
そのときは遠慮なく、ネタバレしましょう。




20150103 Sat
『メビウス』はクリスマスイブに彼女とデートで観る映画ではない


moebius.jpg

昨年の話になりますが、『メビウス』という韓国映画を観ました。
http://moebius-movie.jp/

ことの発端はこうです。
年末のとある休日、いつもどおり場末の飲み屋で、
タバコをふかしながら、梅酒とビールを呑んでいる二人がいました。

「クリスマスは何かしましょうか?」
「そういえば私、クリスマスってデートとかしたことない」
「そうなんですか。なんか面白い映画とかやってないですかね?」
「キム・ギドクの『メビウス』っていう映画が始まったみたいだよ」
「あ、僕、キム・ギドク作品観たことないですわ」
「全編セリフ無しで、息子のチ○コが切り取られるんだって」
「じゃあクリスマスは、チ○コ切り取られる映画を観たあと、焼肉食べに行きましょうか」
「まったく、バカなクリスマスだね」

というわけで、お互い『息もできない』をはじめとする韓国映画好きということもあり、
クリスマスイブには、『メビウス』を観に行くことになりました。

結論:
『メビウス』はクリスマスイブに彼女とデートで観る映画ではない。
けど、面白かったです。



あらすじを公式サイトから引用します↓

父・母・息子の3人が暮らす上流家庭。家族としての関係は冷え切っていた。ある日、近くに住む女との不貞に気づき、嫉妬に狂った妻は、夫の性器を切り取ろうとする。しかしあえなく失敗し、矛先を息子に向ける。妻はそのまま家を出ていき、夫と息子は取り残される。性器を切り取られてしまった息子は絶頂に達することを知らずに生きていくのか。なくしたことで虐められ、生きて行く自信をもなくした息子。罪悪感に苛まれる父はそれでも絶頂に達することができる“ある方法”を発見する。それを息子に教えることで、再び関係を築いていく。だが、そこに家を出ていた妻が戻り、家族はさらなる破滅への道をたどり始める―。


開始10分くらいで、上に引用したあらすじの半分以上まで行きます。驚愕のスピード。
日本版ポスターのメインビジュアルの、ホラー映画っぽい女優さんの顔なんて、開始5分くらいで出てきます。
しかしご安心ください。以降はさらに衝撃的カットがダンダンダーンと連続です。
事前知識とかほとんど関係なく観れます。ネタバレ見ちゃったよー、とか嘆かずに観に行ってください。
見終わったあと、かなりキます。精神的にも体力的にも、ほかにも色々と。

では、僕の感想など。
一言で言うと、チ○コが寒くなる映画です。
上映時間の半分くらいは股間がヒュッヒュしてるので、そういう楽しみ方もあるかもしれません。
90分間、マジでセリフ無し。聞こえてくるのはほとんどが呻き声。
音声情報が無いので、絵から情報を読み取らざるをえず、集中力を持っていかれる感じです。
情報が欠けているので、観ている方の想像で補わなければならない部分も多く、
観たあとで、他に観ている人と語りたくなる映画かもしれないと思いました。
何を語り合うのか、はさておき。

上のあらすじでは、“ある方法”、とボカされてますが、予告編の映像にはバッチリ映ってるので書いちゃうと、
チ○コが無くなったあとは、男ども、石ころで己の体をこすって大傷をつけることで絶頂感を味わいます。
その傷の付き方とか、痛さ→快感→すっげー痛さ、という役者の表情など、
笑っちゃうくらいリアルです。思わず体に力が入ってしまってかなり嫌な汗をかきます。
観てるだけでほんとに痛いので、そういう楽しみ方もあるかもしれません。

血飛沫が飛んだり、蹴る殴る、チ○コ切る、銃をぶっ放す、ナイフで肉をえぐる、など、
かなりバイオレンスかつスプラッタなシーンが多いです。
けど、なぜだか、笑える。場内かなり笑い声が起こってました。怖いよあんたたち。
コメディの種類で、スラップスティック、というものがありますね。
主人公家族の息子が途中でチンピラと敵対するのですが、その復讐のシーンとかさ、
本人たちが必死になればなるほど滑稽、という典型。場内爆笑。
ずいぶんエロいシーンも連発されるのですが、
性、というのは滑稽な面もあるよな、ということもひしひしと感じました。
あの、父親が、家に戻ってきた母親を、ベッドに押し倒すシーンとかさ!
あれこそ哀愁!! オスに産まれたという悲哀!
ちなみに僕が一番笑ったのは、アダルトビデオを観るシーンでした。あんなん卑怯やて。

ずいぶん笑ってた場内ですが、さすがに母親によるチ○コ切断シーンでは、悲鳴があがってました。
性器切断ということで、僕が連想したのは、「阿部定事件」と「宦官」でした。
エロ関係を追いかけてる身のくせに「阿部定事件」については全く無知。お恥ずかしい。
『愛のコリーダ』とか『失楽園』とか観たり読んだりします。ごめんなさい。
「宦官」については、昔、吹奏楽部でバルトークの『中国の不思議な役人』を演奏したので、ちょっと調べたことがあり。
けどこれも薄っすらとしかしらないから、とりあえず『蒼穹の昴』読みます。

チ○コそのものだけではなく、男性器の隠喩もたくさん出てきます。
登場する銃はリボルバー。まさに男性器。
女性が男性の体にナイフを差し込む、というシーンも倒錯的な印象を受けました。
逆に、チ○コを切り落とされて、シーツに息子の股間から血が飛び散るシーンなんかは、明らかに経血の表現。
そういった男女逆転メタファーも含め、性的表現の連発。そりゃ本国では公開禁止にもなるわさ。
日本でも18禁での公開ですが、かなり編集してギリギリの公開なんでしょうね。
明らかに不自然なカットがされてる部分もありましたし。
あれ?いま、フェ○したよね?けど、勃たなかったんだよね? っていう編集が一番不自然でした。
ディレクターズカット版に期待。それはもうアダルトビデオかもしれない。

家族構成として設定されたのが、父・母・ひとり息子、というのもナイスでしたね。
どうしても醸し出される、あの独特のキモチワルサ。
そして、父親のやることはいつもどこか的外れという、あるある感!
息子のためを思ってやってるんだけど、母と息子、ほど心がくっ付いているわけではないから相談とかはできずに、
いつの間にか一人で勝手に突っ走ってて、息子がしょうがねえなあって感じで聞いてあげて、
はじめはしぶしぶなんだけど、息子も息子で男だから、やってるうちにハマッてく、っていう、
あのどうしようもない父息子の関係。けどそれは、母と息子の共依存にも言えることで。
お互いに通過儀礼としての父殺し・母殺しがハッキリとしない関係性。
ぬるくて居心地良いんだけど、ハタから見るとキモチワルイあの感じ。
ところで、最近の話ですが僕も、父親にこの正月、とてつもない荷物を背負わされました。
もう一度言う。父親のやることはいつもどこか的外れ!
この件に関しましては、重い=オイシイ、ということで、いつかどこかで書きます。お楽しみに。


私の彼女は観終わったあと、ぐったりしながら、
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を越えるトラウマ映画だった」と言ってました。
誰だよこの映画クリスマスに観ようって言い出したの、と、ひとしきりケンカになったのは言うまでもありません。

間違っても「ベルリンで金熊賞とった監督の作品だよ」と誰かを誘ってはいけません。
開始10分で息子のムスコが切り落とされて血がブッシャーってなって、
 その後もアタマのオカシイ絵の連続☆
」と正直に言って誘いましょう。
まあ無難に一人で観に行く映画だと思いますが、
けどやっぱり感想を言いたくなっちゃう映画なので、そこらへん悩ましいですね。
もし誰かと観に行くときは、相手が気分悪くなって途中退場出来るように、端の席に座ることをオススメ。
めっちゃショッキングなのは間違いないので、ぜひ体力があるときに観に行ってください。
僕には面白かったです。いや、マジで。




20150102 Fri
2015年が始まる


そういえば去年は元旦からOFZKラジオというバカをやっていたな、と思い出しました。
始まりました2015年。残り363日、どうか良いお年をエビバディ。今年もよろしくお願いします。

僕はといえば、12/30に実家着。家族4人でおでかけ。
31日は混むからという理由で、フライングで年越しそばを食べに。美味。
(うちの家族は、変なところで合理的な部分があります)
ユニクロにて父母弟から極暖の良さを懇々と説かれつつ、下着と靴下を一年分買い込む。
その後、家族で映画『ゴーン・ガール』を観に行く。
父・弟はどんな映画か分かっていたらしいけど、母はなかば誤魔化されつつ連れてこられてて、
僕にいたっては、チケット買うときにポスタービジュアルをチラッと見ただけ、という前情報一切無しの状態で観ることに。

実家に居たころはよく家族で映画を観に行ってたんですけど、
ニコラスケイジ主演『8mm』を観に行ったとき、母が嫌がって、
父と僕が『8mm』を観て、母と弟はなんか鳥が空を飛ぶ的な映画を、別々に観たのを思い出しました。
今回はそんな4人が一緒のスクリーンで! どっきどきサスペンス映画を!!
いやあ、良い映画でしたよ。中盤からは完全にのめり込んだ。
クリスマスには彼女と『メビウス』を、
大晦日前には家族と『ゴーン・ガール』を、観に行ったわけですが、
こんな調子でこれからもやっていきたいですね。気が向いたらそれぞれの感想書きます。

31日は部屋の片付けをしたり、本を読んだり、紅白観たり、ガキの使い観たり、
しているうちにあっという間に一日終わってました。速攻だった。

元日。弟と早起きして、兄弟恒例、ブックオフの年始セールへ。
まず、大晦日に整理しておいた本・CDを売る。俺、2015年買取第一号。
1月末からTweedBooksさんで一箱古本を置かせてもらえることになったので、頑張ってエロ本を掘る。
弟は弟でホラーコミックを買い込む。お互い、普通の本にはあまり目を向けない。バカ兄弟。
田舎のブックオフは100円棚の方が面白いな、と改めて思う。
家に帰っておせちを食べる。弟による数の子は本当に美味い。
爆風吹き荒れるなか、腹ごなしに散歩。ひとりで祖父祖母の墓参り。
昔飼っていた駄犬、コロの散歩コースを辿る。川原で風に吹っ飛ばされそうになる。私は風。
家に着くころには雪が降り始めていた。
母方の実家へ。車で10分。2年ぶりに会う祖母は変わらず元気で安心。
再びおせちを頂く。食い倒れ正月。テレビを見ているうちに寝オチ。
家に帰ってきてから冨樫義博『レベルE』を読みなおす。

レベルE全3巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)レベルE全3巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)
(2010/11/01)
冨樫 義博

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あまり知られてないけど、「予想の斜め上」という言葉はこのマンガが元ネタ。
売りたくないけど、東京の部屋に置いておくと毎日読んでしまって危ない。
そんなマンガはだいたい実家に送ってあるのです。自分でしかけたトラップに自分でハマる。

1月2日。
レベルEの次には、石井まゆみ『キャリアこぎつねきんのもり』を読む。もう何回読んだか分からん。

キャリアこぎつねきんのもり 1 (クイーンズコミックス)キャリアこぎつねきんのもり 1 (クイーンズコミックス)
(2004/10/19)
石井 まゆみ

商品詳細を見る
実家には他に『げんしけん』とか『きみはペット』とか、全巻セットが送ってあって大変マズイ。楽しい。
今年は面白いマンガをたくさん読みたい。本ももっと読もう。
石井ゆかりさんの占いを眺めつつ、1年の目標をいくつか立てたりする。
ついでにやりたいこと100個なんて書いてみたけど、グシャグシャにして捨てた。
行く先を常に見失ってフラフラしてたい。ハッキリしないほうが楽しい。

夕方、伊勢中川を出て、夜、駒込に着く。
僕の部屋でエアコンのスイッチを押しても、実家の暖房は動かない、くらいの距離はある。
もう暖房は無い。家族は居ない。車もない。アホみたいに大量の本マンガCDもない。
けれど、この部屋はたったひとつ私の世界なのであります。


RHYMESTER WELCOME2MYROOM



 
OFZK

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