20161027 Thu
よければ手拍子をお願いします


アコースティックの弾き語りライブをよく聴きに行っていた時期がある。
そうすると、全員ではないものの、多くのアーティストが、
ライブの最後のほうの、ファンにはお馴染みといった盛り上がる曲のイントロあたりで、こういうことを言う。

「よかったら手拍子お願いします!」

僕はほとんどの場合手拍子をしなかった。
そもそも僕のライブを観る姿勢はいわゆる“タイガー”である。
(オタ芸よ用語で、腕組みをして微動だにせずライブを鑑賞すること、です)
さらに言えば僕はわりとひねくれ者である。
手拍子を、と言われた瞬間、眉間に力を込め、
アーティストを睨みつけることもしばしばだった。
応用編としての、
「よかったら一緒に歌ってください!」
を言われても絶対に歌わなかった。
ステージ側からしたら、めっちゃやりにくい客だったと思う。

あの頃の僕は、ざっくり言うと、
金払って聴きにきてるんだから、お前の音楽だけで納得させてくれよ、
というような大変不遜なことを考えていた。
好みが狭いためか、実際に楽しんで聴けるライブがそうなかったというのもある。
けど例えば、思い切って手拍子すれば、ある程度は楽しめてしまう場合だってある。
自分から楽しみにいけば、何か方法はあるだろうことは分かってはいたのだけど、
それができなかった。

あのころの僕は自分に自信がなかった。自分のやりたいことが分かってなかったのだと思う。
やりたいこと=スタイル、っていうのは、持っているセンスから出来てくる。
センスっていうのは、経験と知識に裏付けされている。
経験と知識なんて抜きに良いものを作ってしまう人もいるけど、
そういうのはもう天才っていっていいと思う。
一般人が経験と知識を手にするためには、我慢や努力が必要なときもある。
僕はそんな我慢や努力をするのが嫌で、
すでに持っているものや、何かの流れでたまたま手に入れたもので、何とかしようとしていたんじゃないか。


かつてのトガっていた頃と比べて、僕もずいぶんと丸くなった。
あいかわらず努力はしていないけれど、経験はそれなりに踏んできた。
ライブで乞われるままに手拍子をするような、多くのものを好きになれる人は、
多くのものから好きになってもらえる、ということも分かってきた。
たぶんいまの僕は、自分ではあまり意識していないけど、
ライブで手拍子を求められたら、恥ずかしがりながらも手拍子をしていると思う。

ただ、僕の意識の一部分はいまだに、
手拍子を求められた瞬間に、何メートルか引いている。
やはり僕は相当にひねくれ者なのだ。

そうだな、分かったことと言えば、
人は、なにもかもを好きになることは出来ないし、
また、そうする必要もないということ。
嫌いなものは、適当にかわしておけということ。
多くを好きになれなくても、少なくてもいいから、
深く愛せば、深く愛されるであろう、ということ。



BEAUTIFUL AFRICAN MUSIC - FARAFI



 
OFZK

山瀬まみ「ゴォ!」


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