20181224 Mon
サチアレ


ローストチキンを食べたところ、中まで火が通っていなかったらしく、
血っぽくて赤いところがあり、ヤバいかもなぁと思っていたら、
お風呂に入っているとき腹に違和感が走り、
全裸にバスタオル1枚引っかけてトイレへ飛び込んだ。

そんな今夜。
ひとりの人にも、ふたりの人にも、さんにん、よにんの人にも、たくさんの人にも、
きっとサンタはやってくるぜ。
世界中を一晩で回れるはずがないって? ちょっと黙りな、おませな幼稚園児さん。
サンタは1人じゃない。日付変更線ぜんぶをカバーできるぐらいの人数がいる。
そのうえサンタは偏在する。
並行宇宙にいる無限個数の君にだってサンタはやってくるぜ。心配なんてしなくていい。

だから明日の朝、郵便受けを開けてみな。
おっちょこちょいなあいつが間違えて普通郵便で出した、年賀状が届いてるはず。
ラジオのスイッチを入れてみな。
君の好きなDJが有史以来100万回は再生されたクリスマスソングをプレイしているはず。
SNSを開いてみな。
ネタ職人によるクリスマス大喜利のログを見て笑っちゃうはず。
コンビニで適当に商品を選んで、レジへ持っていきな。
たぶん合計金額は777円になる。
イブ明けで疲れ気味の店員と顔を合わせて、ちょっと笑う。
そういうことが起こるのさ。そんなもんさ。

ポチ袋へ札を詰めるにはちょっと気が早いぜ。
緑に赤。そう、ヒイラギにイワシを差して、福は内!鬼も内!
そしてフィンランドの方角へ向いて太巻きを一気に食べるんだ。
喉につまったらシャンメリーで流し込め。全国のコンビニ店員に感謝。
年末ジャンボが当たったら、売れ残った恵方巻を全部買い取って本社ビルにバズーカで撃ち込んでやろう。

つまり、平和を祈ってるのさ。インチキじゃないぜ。
一瞬でいいから君の涙が止まりますように、って。
そんで、君が笑っちまいますように。これは欲張りすぎか。
君の幸せと不幸せを指折り数えたら、きっと同じ数になる。
今夜ばかりはそんな甘っちょろいことを言わせてほしい。
だって俺の声はどこにも届かない。
全裸で腹痛に苦しみながら、狭いトイレにいるんだから。

厠は鬼門さ。福も君も追い出したりはしない。
俺の自慢の軽口が100年後のことだってホラ吹いてやる。
来年のことを言うと君は笑うんだってな。あと100年は笑えるぜ。
笑っていてくれ、きみには笑顔がよく似合う。

メリークリスマス、世界に! 幸あれかし!

ってなところで今夜もオフザケはおひらき。
OK, Hey DJ just play that song!!
このブログでかけるのも100万回目のこの曲を!!

菊地成孔 feat.岩澤瞳 普通の恋






20181222 Sat
Ha


フリーペーパーの「詩ぃちゃん」についてブログを書いたとき、
ついでに親知らずの痛みを訴えたことを皆様は覚えているだろうか。
今までなら自然と痛みが去るまで放置していただろうけど、
34歳、中年の入り口に差し掛かり(というか、昔の僕なら、34歳男性のことをはっきり、
 「おい!そこの中年!」と『聖☆おじさん』のイントロばりに呼ぶだろう)、
そろそろ体のメンテナンスも大事にしていかねば、と、
きちんと歯医者に行くことにした。

運良く会社の近くに歯医者があり、早速予約をとった。
診察時間が20時までで、仕事の後でも行けるのでとても助かる。
電話で親知らずが痛むことを伝えると、診察してもらえることになった。
ただし、無理矢理ねじこんでもらったため、
予約の時間は20時。つまり延長診察。
私、森羅万象に迷惑をかけていくスタイルでやっています。
時間より少し早めに病院へ着くと、前の人の時間が延びているようだった。
というか、その患者と僕以外にはスタッフもおらず、先生がひとりだけだった。
先生がひとりで、初診の受付をしたり、カルテを作ったり、診察料金のやりとりまでしている。
あとから聞いたところ、ほかのスタッフさんは産前休やら産後休やらで抜けてしまい、人がぜんぜん足りてないらしい。

そんなワンオペ先生に診てもらったところ、
今回の痛みは、上側の親知らずしか生えてきておらず、
下に当たるものが無いのでどこまでも伸びてしまい、
結果、下の歯ぐきを親知らずが傷つけていることによるものだったらしい。
上の親知らずの尖った部分を削り、下側を消毒することで、痛みはずいぶん楽になった。

めでたしめでたし。



と、ここで終わっていたら良かったのだけれど、ワンオペ先生曰く、
親知らずはともかく、歯石がヤバいくらいたまっているので、
次回からはそれを削り、虫歯があるかどうかチェックしていくとのこと。

うむむ、と僕は唸る。
昔から僕の書くものを読んでいる方はご存知だろうが、
僕は病院が嫌いである。いや、めちゃめちゃ嫌いなのである。
母から「優先順位を考えて行動しなさい」と怒られた件について先日書いたが、
あれは実は、「とっととインフルエンザの予防接種に行きなさい」ということだったのだ。
言わせてもらうが、もう21世紀なんだし、
市販の飲み薬でインフルエンザは予防できるべきなのだ。
なぜそんな屁理屈を並べて行かなかったのか。簡単である。
病院が嫌いだからだ。大っ嫌いだからだ。

ゆえの、ヤバいくらいたまった歯石である。
病院嫌いで、歯医者に行くのが十数年ぶりだとそりゃそうなる。
まあ今回も先生の話をフンフンと聞くだけ聞いておいて、
適当にブッチオサラバホイホイナしようと考えていたところ、

あまりにも会社が近いため、完全に身元がバレていた。

浅はかだった。僕があまりに浅はかだった。
会社から近いというのはメリットであり、同時にデメリットでもあったのだ。
次回の予約を飛ばそうものなら、会社にまで迎えが来そうな勢いである。
というわけで渋々と、2回目の治療にも行ってきた。

「今日はまず下の歯の歯石を取っていくから。
 超音波の出る機械を歯ぐきの隙間に入れていくので、
 痛かったら手をあげてくださいね」

出たー!THE・歯医者さんのセリフー!
けど、これまでの薄っぺらい人生で、
骨折2回脱臼3回ほか数々のケガを経験してきた僕である。
多少の痛みにだったらそれなりに耐えられるはずだ。

フシャアァァァッ! キィィィィィィンッ!

いでででででででででででで!!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!
思ってたよりギャンギャンくる!ギャンギャンくるって!!
(↑貧困な語彙力)

詳しい方法は知らないけれど、歯石を取るというのは、
『頭文字D』で峠を攻めるがごとくに歯ぐきを攻めるということなのだ。
要は合法的な拷問である。文字通り骨身、いや歯ぐきに染みて分かった。
しかし僕は負けない。この程度の拷問で祖国の秘密を吐露するわけにはいかない。
ここで手を上げたらそれはつまり病院に負けたということになる。
いい加減僕も成長しなければならない。

そんなことを考えながらあまりに悲痛な表情をしていたためか、ワンオペ先生が言う。
「だいぶ顔をしかめてるけど、大丈夫?
 手をあげてくれたら止めるからね」

キィィィィィィンッ! ゴリゴリゴリゴリゴリィッ!!

さっ、と手を上げた。
あっさりと手を挙げた。

キィィィィィィンッ!

プライドもなにも無かった。
負けだよ。僕の負けだ。

チュインチュインチュイィィィィンッ!

負けたところからまた始めればいいのさ。
中島らもも言ってたじゃないか「砂をつかんで立ち上がれ」と。

シャアアアァァァァァンンッ!!

そう、負けないことが大事なんじゃない。
負けて地面に這いつくばったところから、いかに立ち上がるかが大事なのだ。

キィィィィィィッッッッ!!!
シャゴワアアアアアアア!!!

……おいいいいいいいいいいいい!!
ぜんっぜん止まらねえじゃねえかあああああああああ!!
なにからなにまで皆が思ってる通りの歯医者だな!!!

くそう、こうなったらもうおっぱいだ!
おっぱいを思い浮かべるしかないだ!!
Eカップくらいのふわふわおっぱいを思い浮かべるだ!!
おっぱいに顔を埋めたいでででででででで!!!
おっぱい揉みたいででででででででででででで!!!
手ヘンに柔らかいと書いて揉みたいででででで!!!
おっぱいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
おぱああああああああああああああああああ……!!



――日記はここで途切れている



帰ってお風呂に入ると、体が暖まったせいか、歯茎からダラダラ血が出てきた。
とりあえず喀血ごっこをして遊んだのは言うまでもない。
ゲホッゲホッ、土方さんっ!!
……まぁ、赤穂浪士の時期なんですけど。

ペトロールズ 「はのうた」





20181220 Thu
月曜は青い


先日行われた、本の会@ひびうたについて書きます。
お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。これに懲りずまた遊びましょう。
いつものように無駄にダラダラ書くので先に宣伝します。
次回の本の会は2019年1月13日(日)の予定です。
どなたでもご参加頂けます、ぜひお越しください。よろしくお願いいたします。

私が書くものをはじめて読む方もいらっしゃるかもしれませんので、
念のために申し上げますが、私の言うこと書くこと成すことが大体嘘です。
ほか、誤字脱字・自虐・誇張・勘違いなどが多く含まれます。話半分にお読みください。
あ、紹介された本は合ってます、たぶん。
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先月、津のコーヒーハウス、ツァラトゥストラハカク語リキが閉店した。
店では月に1回「ツ・ブックソシアルクラブ」という名の、
本について皆で集まってワイのワイのと話す会、略して本の会が開催されていた。
閉店と同時にその会も無くなり、本の虫たちは暖かな船底から這い出ざるをえなくなった。

さまよう本の虫の1匹である私ことゲジゲジは、
陸の日光に焼き殺される前になんとか久居駅へとたどり着いた。
耳に差したイヤフォンからは、NewOrder『BlueMonday』。
手には『菊地成孔の粋な夜電波』2冊目の番組本。
「ソウルBAR<菊>ジャパン」回の前口上を読んでいたら、いつの間にかホロホロと泣いていた。
周りの不審な目を逃れるため「涙は心の汗やさかい!」と言ってみたところ、
スマホで110番を呼ぼうとする正義感の強い輩がいたので、回し蹴りを喰らわして逃げた。

久居駅からひびうたを目指す。
そう、コミュニティハウスひびうた、という場所が、本の虫たちを救ってくれたのだ。
ひびうたには、本の虫の女王がいたのである。
今、わりと失礼なことを書いた気がするが、面白いのでイキにしておく。あとで怒られれば良いのである。
ひびうたがどういうところなのかを聞かれても、僕はまだ上手く説明することができない。
そういう場所が僕は好きだ。説明できないものを僕は愛する。
お前の頭が悪いだけだろという意見に対しては、
俺じゃなくてひびうたの関係者さんに聞かない奴の方が頭悪いんじゃないですかー、
と小学生の如く言い返して取っ組み合いの喧嘩をしていきたいと思う。

僕もひびうたにお邪魔するのは2回目なので、まだ慣れぬ入り口をくぐり、
本の虫の女王(あとで怒られます)であるjunさんにご挨拶をした。
「ゲジ!ゲジゲジゲジー、ゲジッ!」
「ソントンさん、普通に喋ってください」
「あ、すみません、今日はよろしくお願いします」
そうだ、私はゲジゲジではなくソントンだった。
初めての場所での開催と言うことで舞い上がり思わず虫語が出てしまった僕とは違って、junさんが冷静な方で助かった。
本の会が始まるまで、のんびりと話した。
「今日はどれくらい集まりますかねー」
「そうですねー、FacebookやTwitterの感じだと、多くて10人ちょいくらいじゃないでしょうか」
「もしかすると、ひびうたへ辿り着けなかったという人が出るかもしれませんねー」
「そもそも、ツァラだからこそ行っていたという人もいるかもしれませんもんねー」
「ツァラのマスターには「初回は6人くらいになりそうです」と言いましたよ」
「じゃあそれくらいになるかもしれませんねー」
「楽しみですねーうふふ」
「そうですねーうふふ」

数十分後、二人が目にしたのは、20を越える本の虫だった。
想定外の大盛況である。うふふとか言ってる場合じゃねえ。
ひびうたイベントでは最多規模の人数となったらしく、
代表氏はいそいそと駐車場の整理へと向かった。
junさんはせっせとドリンクを用意してくださった。
僕はいつもどおり馬鹿笑いで菓子を口に運び、「最高。今日最高。」(町田康・訳『宇治拾遺物語』より)とのたまっていた。
さっきまでの低姿勢はなんだったのだろう。
根が小物なのに大物のふりをする人間ほど浅ましいものはないと、あの清少納言もTwitterで書いていた。いとわろし。

そんな小物はさておき、本の会は始まった。
一人ずつ(主に持ってきた)本について話して、
他の人は随時、気になることを聞いたり、突っ込んだり、わいわいしていくという流れだ。


kalas 36
ReBuild New Culture
柳町
しょっぱなからAmazonから画像を引っ張ってこれない本、
つまり、流通には乗っておらず、特定の場所に行かないと手に入れられないものが紹介された。
なんとマニアックな。
佐賀県柳町の本なんて、どうやって手に入れたら良いのか、マジで分からないとのこと。
店の人と話しててグルーブが合えばもらえる、らしい。そういうのスゲエ燃えますね。
地域限定出版社と言えば、熊本の伽鹿舎が個人的には推しです。


黒田三郎『詩の作り方』
山村暮鳥『ちるちる・みちる』
詩の作り方 (1969年) (作法叢書) ちるちる・みちる 名著復刻 日本児童文学館(10)
詩についての本。母上からは譲り受け、父上のは本棚からパクったらしい。ギャップ。
ほるぷ出版の復刻シリーズは古本市に行くと結構並んでて、
どれもとりあえず箱から出して確認していると、気付いたら日が暮れてるということ、しょっちゅうです。
詩のイベントも何か出来たら良いのになぁ。
それで…、山村……ボチョウ?クレテフ?


麻生羽呂 『LIFE 人間が知らない生き方』(文響社)
デレク・ファーガストローム 『図解!! やりかた大百科』(パイインターナショナル)
アンドレア・ミルズ 『ウソのような現実の大図鑑』(東京書籍)
千里リハビリテーション病院 『つかう本』(ポプラ社)
LIFE<ライフ> 人間が知らない生き方 図解!! やりかた大百科  -役にたつ(かもしれない)438の豆知識。- ウソのような現実の大図鑑 つかう本
本は文字が書いてあるものだけではない。
絵や写真が載っていて、ビジュアルを楽しむことが出来るものもある。
本は高尚なものだけではない。
くだらないネタが載っていて、苦笑いだってできる。
本は一人で楽しむものだけではない。
人と一緒に楽しむことだってできる。
というわけで、これを読めば、モヒカンの作り方もバッチリである。


高橋源一郎 『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新書)
ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)
「民主主義とは何かといざ考えたときに、どういうものか分からなかった」と、この本を手に取られたとのこと。
合議制でものごとを決めている学校(文科省認可)が日本にあるらしい。
高橋さんのことを思うといつも、吉本隆明が、競馬のことを引き合いに、
「世間の評価よりも下のことをあえてやっている人は良い」と高橋さんのことをほめていたことを思い出す。
……そうかなぁ?


太宰治 『走れメロス』(新潮文庫)
走れメロス (新潮文庫)
吾輩は猫、雪国、メロス。書き出しをパクりたくなる三大巨頭である。
メロスの書き出しは今までに100万回はパクった。
百景社の舞台版を見てしまうと、あのメロスから逃れることはなかなか難しくなる。
なんというか、これ系のを書かせると、太宰はヤバいくらい・悲しいくらい天才だな、と思います。
紹介者さんは、過程と結果の関係について話されていた。



ここで、予想以上の参加者の多さと、そもそも私ソントンの仕切の下手さ加減のため、
(高校の同級生が来てくれていたのだけど、
 ソントンのそういうところは昔から全く変わってないわ……、
 と呆、いや、感慨もひとしおみたいだった。)
このままでは徹夜になってしまうという声が挙がり、以降2グループに分かれることになった。
俺なりの民主主義なんだぜ。


赤羽末吉 『おおきなおおきなおいも』(福音館書店)
おおきなおおきな おいも (福音館創作童話シリーズ)
子どものときに読んで、ずっと気になってたのを、
東京のヴィレッジヴァンガードで発見して速攻で買ったらしい。
なんか、仙厓さんを思い出させる絵の感じだ。
赤羽末吉は「スーホの白い馬」で有名なんだけど、僕含めその場にいた誰も気づかなかった。
友人に、絵本にめちゃめちゃ詳しい人がいるのだけど、その人が居たら全員焼き払われるな、と思った。


佐々木倫子 『動物のお医者さん』(白泉社文庫)
動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)
僕は「アンニュイ」という言葉の意味をこの本で覚えました。超名作。
けど最後まで読んだことは無い。紹介者さんにラストの展開を教えてもらいました。
映画でオフビートな感じのが持て囃されていた時期がありましたが、
佐々木倫子の絵こそオフビートですよ。


ランス・アームストロング 『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』(講談社)
ただマイヨ・ジョーヌのためでなく
読んだのはかなり昔のことだけれど、本だけで終わると最高に感動的である。
本のラストのその先を知ったときに、ぜんぶひっくり返る。価値観や信頼というものが揺さぶられる。
ある種、危険な本だと思う。勝利に取り憑かれる、ということはあるのだ。
楽しさがとっくの昔に無くなっていることにも気づかず、張り付いたような笑みのまま走り続けていることもあるのだ。


五木寛之 『孤独のすすめ - 人生後半の生き方』(中公新書ラクレ)
孤独のすすめ - 人生後半の生き方 (中公新書ラクレ)
若かりしころの五木さんより、いまの五木さんの方が断然良いらしい。書くものも、見た目も。
五木さんと言えば『青年は荒野をめざす』のイメージが強い。
あと『奇妙な味の物語』。高校の頃に読んだきりだけど好きだった。
紹介者さんは「『青春の門』の印象。だけど今の方がいい!」とのこと。…か、枯れ専?


雨宮処凛 『命が踏みにじられる国で、声を上げ続けるということ』(創出版)
命が踏みにじられる国で、声を上げ続けるということ
紹介者さんもまだ読んでいる途中とのこと。雨宮さんのことが気になっていたらしい。
かなり前に『生き地獄天国』を読み、その年のベストに選んだ。
(今思うと、雨宮さんにはやはりアジテートの天性の才能がある)
そのため、ミニスカ右翼活動家としてのイメージが強かったのだけれど、
そういえば左派の論客だよなぁ、と、ものすごく今さら気付いた。バカだ俺。


江國香織 『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』(朝日新聞出版)
ヤモリ、カエル、シジミチョウ
一人称の人物によって文体が異なっていて、男の子目線のときは全部ひらがなで書かれているらしい。
それは読みづらいだろうなぁと、黒田夏子『abさんご』を思い出した。(あれは途中で放り出した)
江國さんの本を読まなくなって久しい。
昔、『きらきらひかる』が好きだと言ったら、ビアンの知人に鼻で笑われた。
確かに中学時代は好きだったのだけど、読み返すと、バブル臭が結構あって驚いた。
そういうこともあって、江國さんのなかで好きな『神様のボート』と『ホテルカクタス』は、
印象が変わるのが怖くて読み返せずにいる。



月曜に本の会があって、このブログを書き終えたのが木曜である。相変わらず仕事が遅い。
次回はもっと紹介者さんの言葉を載せれるように、早くあげたいと、心に誓う。
誓ったそばから、アルコールで飛んでいくよな軽さである。なんたって、月曜は青い。

俺が間違ってると思った 君の言葉を聞いたと思った

New Order - Blue Monday





20181212 Wed
フレキシブル


三重へ越してきて早3年。いまだに車を持っていない。
必然、会社へは電車をつかって通勤している。
駅から会社までは片道20分ほど歩く。
春夏秋の3シーズンは耳にイヤホンを突き刺して、
騒音性難聴になるくらいの音量でアイアンメイデンを聴いているので、外の音が分からないのだけれど、
冬の間はさすがに寒く、四国を歩いて回った際に現地調達した耳当てをつけて歩いている。
安物(たしか300円)なのでどうしても道すがら、僕と歩を並べる人たちの声が聞こえることになる。

ほぼ毎日一緒になる、おそらくは会社の同期であろうオジサマ(60歳くらいの)2人組がいて、
今冬一番の冷え込みだった昨日、久しぶりにイヤホンから耳当てに変えたおかげで、その2人が話している声が聞こえてきた。

「今朝は寒かったですなー」
「ええ、ほんとですなー」
「これだけ寒いともう下にはタイツはきますわな」
「いや僕はタイツは好かんのですわ」
「そうなんですか」
「タイツはモゾモゾして気持ち悪いんでね」
「ほれやったら下は何もはかんのですか」
「僕はね、ハイソックスをはくんですわ」
「ハイソックスですか」
「ハイソックスも腿くらいまである長いのはいたら、もうタイツと変わりませんから」
「そうですな」
「暖かいところではハイソックスをくるぶしまで下ろせばいいもんで」
「ほう、なるほど」
「ハイソックスは、フレキシブルなんですわ」
「それはフレキシブルですな」

僕の中だけでは、フレキシブルという言葉とハイソックスという物は一生出会うことがなかったでしょう。
ありがとうおじさんたち。
明日からは久しぶりにネタ帳を持ち歩こうかと思います。


----- 以下、宣伝 -----

本の会、やります。
12/17(月) 19:00〜22:00
@久居・ひびうた(https://www.hibiuta.org/
会費500円

みんなで本についてわいわいと話す会です。
本についてなら何でも話せます。本以外のことも結構話します。
遅刻・早退可。見学だけでも参加できます。
当日参加可。ですが、もし事前に参加のご連絡を頂けると嬉しいです。
本も何でも大丈夫です。雑誌、マンガ、写真集、参考書、……。
喋ることも何でも大丈夫です。読んでみた、面白かった、難しかった、つまらなかった、……。
手ぶらでも大丈夫ですが、話題にする本を持ってきて頂くと話しやすいかと思います。
飲食も持ち込み自由。むしろ歓迎です。じゃんじゃん持ってきてください。
買うお菓子のレパートリーがカントリーマアムしかない僕は、おそらくそれを持って行きます。

楽しくやりましょう。
ぼくはなぐられても、なぐりかえしはしない。

moonriders Who's gonna die first?






20181208 Sat
誰も名前を教えてくれない



『詩ぃちゃん』という、詩についてのフリーペーパーがある。
書いているのは、大阿久佳乃さん。
(詳しいことは→ご本人のインタビュー、を参照してください)
「詩ぃちゃん」のいちばん新しい号が、つい先日に発行された。
セブンイレブンのコピー機で印刷できるので、速攻で行って頂きたい。

ネタバレになるけれども、今号で取り上げられているのは、
山村暮鳥、という詩人である。
僕は、山村暮鳥の作品は知らないけれども、国語便覧などで見たのか名前だけは知っている。
ただ、知っていると言っても、字面で、である。
この、山村暮鳥、という名前を前にすると僕はいつだって、
……どう読めばいいのだ? と恐れおののく。
ヤマムラ?サンソン?ボチョウ?クレテフ?
おののくあまり、プリントアウトしたA4紙はバサバサ震える。
大阿久さんならではの詩の読み方が、ありのままに綴られている素晴らしい文章を前に、
僕は山村暮鳥の詩の読み方どころか、山村暮鳥の名前の読み方すら分からない。
焦りのため吹き出す手汗によって、だんだんと湿っていくA4紙。
一旦、考えることを放棄する。
空を見上げる。寒風が吹く。
しばらく前から痛み始めた親知らずを舌で探る。
今年のうちに歯科医の予約を入れようと心に決める。
こう思ったのももう何度目だろう。
今日の昼、母に「優先順位を考えて行動しなさい」と怒られたことを思い出す。
当方、34歳である。
はたして世間の34歳男性は、行動の優先順位の件で母に怒られることなどあるのだろうか。
はっきり言おう、否である。
このザマではマザコンの誹りを受けたとて否定はできぬ。
言われるがままになすすべなく、頭をポリポリとかき、気色の悪い笑みを浮かべるしかあるまい。
しわも増えた。白髪もあらわれた。
いまだ何者にもなれぬまま、年齢ばかりが増えていく。
今日も諦める。息をひとつ吐き、手元の紙に目をおとす。
汗でじっとりと湿りきったA4紙の後半には、
大阿久さんがまだ10代であることが分かるエッセイが書いてある。
嗚呼ッ!彼此の差よ!!

僕は今まで何度だって同じような経験をしてきた。
個人的にはこれを、丸谷才一問題、と呼んでいる。

僕は、丸谷さんの名前を思い出すごとにネットで検索し、その読み方を確認する。
僕の最も好きな本、清水義範『国語入試問題必勝法』の冒頭の一編が、
丸谷さんの「忠臣蔵とは何か」のパスティーシュということもあり、
今までの人生で100を越える回数、御大の名前の読み方を確認したはずだ。
しかし未だに、たとえば古本屋で名前を見かけるたびに、
マルタニ?マルヤ?サイイチ?サイイツ? と脳が迷う。馬鹿か。いや馬鹿だ。
迷ったところで答えは出ない。混乱し焦る。
均一棚から抱え込んだ文庫本は手汗でじっとり湿り、
もう棚に戻すこともできず、買うことを余儀なくされる。
こうして積ん読の塔は私の年齢と同じく、ただただ数を重ねていく。
母が憮然と言う。「年末、片づけなさい」と。
今年ももう師走になったのか。僕が作り出せるのは埃ばかりか。

実は大阿久さんにお会いしたのだけれど、「詩ぃちゃん」の感想は伝えることができなかった。
丸谷才一の読みが思い出せない。今日も人と上手く話せない。



 
OFZK

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