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20130925Wed
 >0泊3日関西書店巡り(1) 「まだ書店が開くような時間じゃない」

99年の歴史を持つ神戸の老舗書店、海文堂書店
創業100周年を目の前にして、残念ながら、
2013年9月末をもって、閉店が決まりました。

正直、書店関連の書籍や出版関係の方のつぶやきぐらいでしか知らなかった書店さんです。
今まで行ったこともないのに、
閉店が決まってから駆けつけるのは無粋だということは分かっております。
しかし、今回はどうしても、無くなってしまううちに見ておきたいと、
久しぶりに夜行バスで往復、0泊3日の旅に出かけることにしました。

まずはじめに。
仕事終わりのまま夜行バスで駆けつけたため、汚い格好の上に汗だくの僕を、
追い返さずに、相手してくださった神戸・大阪の書店員の皆様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。ほんと、汚い身なりですみませんでした。



さて、真面目なのはここらへんまでにしておいて。

0泊3日関西書店巡り スタート!
s_IMG_1832.jpg
「ゴラン アレガ コウベポートタワーダヨ!!」
旅の相棒はお馴染み、カエルのテリーです。

夜23時に東京を出発。
諸事情あって、行きは豪華に3列シート。まぁその分、財布にも響くのですが。
いつも乗る4列シートとは天と地ほどの差で驚く。爆睡。

運ばれるまま翌朝8時に三宮。寝起きの頭でフラフラと元町まで歩く。
今回のお目当て、海文堂書店さんは10時半開店。
その時間まで何をするかって、俺が本屋以外に行ける店と言えば、
そうだねっ、純喫茶だねっ。

s_IMG_1830.jpg
喫茶店 舌れ梵(とれぼん)

って、草! 草、多っ!! モシャー!!!
失礼、取り乱しました。
海文堂書店の近くの脇道にあります。
ここで海文堂さんの開店を待つことにしました。
店内に入ると、そこは喫茶店ではなく、植物園でした。
ってくらい草花草花草花が押し寄せてくる。
花の名前とか詳しくはないんだけど、植物大好きな僕は大興奮であります。

店の奥ではまだマスターとママさんが朝食中。
看板は出てたけど「すみません、早すぎましたか?」と聞くと、
全然迷惑ではないというふうに「どうぞどうぞ」と招かれました。
遠慮して店の入り口近くに座ろうとしたのですが、
「そっちは遠いやん、こっちに来たらええやんか」と。
俺、多分、実家に帰ってきたんだと思う。

出して頂いたお水が、レモンがガンガンに効いてて、実に純喫茶であります。
メニューを拝見しました。

 ・コーヒー 300円
 ・ハニートースト 200円

……天国か、ココは。
東京じゃコーヒー1杯600円~なんだぜ?
驚いている僕を見てマスターが、
「ウチは35年やってて何もやり方変えてないからなー、値段も昔のまんまなんやわ。
 もう先も長ないで、好きなようにやっとるんや」
と笑ってらっしゃいます。
もう一度言いますが、天国か、ココは。

ママさんに「何か見て来はったん?」と聞かれたので、
「たまたま近くにあったので入りました」
「えっ、よう見つけはったなー! 『サライ』とか色々雑誌に載っとるんやけど、知らへん?」
「すみません、見たことないです」
「まっ! あんな看板見にくいのに、ほんまよう来はったなー!」
商売っ気、ゼロである。

ってな感じで、ママさんがガンガン話しかけてきてくれるのだけど、
これが全く煩くない。不思議だ。接客業の妙というか、極みの段階なんでしょうな。
それとも港町神戸という磁場がなせる業なのだろうか、
なんてどうでもいい事を考えていたら、ほとんど待つことなくコーヒーとトーストが出てきた。
「朝ごはんなんやろ、これもどうぞ」とオレンジまで頂く。感動である。

お腹が空いていたので一気に頂く。
……美味い。なんじゃこれ、すげぇ美味いぞ。
腹が減っているからというだけではない。
豆は1種類だけだというコーヒーは、ものすごく飲みやすい味だし、
特にトースト! パン・バター・蜂蜜というシンプルなトーストなのに、
味王(『ミスター味っ子』より)ばりのリアクションをとってしまいそうなほど美味い。
「な? 美味いやろ?」
「はい! めっちゃ美味いです! ゴホゴホッ」
「そんな慌てやんと、お水どうぞ」
やはりここは僕の実家だったようである。


「なんで来はったん?」と聞かれたところから、海文堂閉店の話になった。
「ほんまになぁ、寂しなるわ」
「なんか本が欲しなったら、まずは海文堂さんに行っとったからなぁ」

店内には草花以外に、たくさんの本が置いてあり、
その言葉どおり、単行本と文庫本の類にはほぼ全て、海文堂さんのカバーがかかっていた。
海文堂さんは本当に地元に愛されていた書店なんだなぁと思った。
食事の終わったマスターとゆっくりお話させて頂く。

「終わってしまうまでに行かんならんとは思てんのやけど、
 なんかなぁ、自分らのうちの何かが無くなってしまうみたいで、
 行くと、ほんまに終わってしまうんやなぁっていうのが分かってしまって、
 淋しなってしまうで、……よう行けやんのやわ」

「海文堂が終わってしまういうことはな、港町神戸が、
 自らの歴史を、捨ててしまったということなんや。
 うちらでもなんとか出来んだんかなぁとは思うわ。
 海文堂はある部分でこの港の象徴やったんや。
 神戸の歴史がな、ひとつ消えてしまうんやわ。
 もういっぺん、あんな書店作ろいうたかてな、出来へんで」

「やっぱりなぁ、万引きがすごいらしいわ。
 年間でいうたらものすごい損害になるらしくてな。
 書店業は儲けにならんのやろけど、東京だけを残すんやなくて、
 (※注:出版企画のシーズ・プランニングのことだと思う)
 神戸の方もなんとかならんかったんかなぁ。
 昔の舵とか、2階に置いてあったもんがバラバラになってしまうんは大損失なんやわ。
 こういうとき行政がなんとかしてくれやんもんなんかな」

僕の気のせいでなければ、話の途中、
マスターは何度か目尻を拭っていらっしゃった。
僕との話が一段落したのち常連さんが入ってらっしゃってからは、
テキパキとコーヒーを入れてらっしゃったが。

マスターの代わりに今度はママさんが話相手になってくれた。
舌れ梵のことが載った雑誌や新聞記事を見せてもらう。
雑誌に載ったママさんの写真を見て誉めるくらいはすれば良かったと、今さら気付く。
だからモテないんだよなぁ、俺。

他にも面白い話を沢山沢山聞かせてもらった。
そうそうそうだよ、旅はこれが面白いんだよ。
全く知らない人が、僕が旅人だということで、
色々と伝えようとしてくれたこと、もちろん全部は覚えきれないんだけど、
こうやってちょっとでも覚えていられたら、と思う。

ママさんがわざわざ店の外まで見送ってくれた。
「神戸は初めてなんやろ?」
「はい、そうです」
「神戸はな、北に山があるから、道に迷ったら山を探しなさいね」
良いことを教えてもらった。

「では、また来ます」
「ほなね、神戸楽しんでってな」

ペコリと礼をして別れた。
けど、そうだよなぁ、また来ますって言っても、
たとえば、これから行く海文堂さんはもう来ることが出来ないんだよなぁ。
大事なものって本当にちゃんと残るのかなぁ。残ってるのかなぁ。


s_IMG_1833.jpg
「コウイウヤツトカ?」

「えっ……、テリーさん、何スかこの巨大な鯉は」
「ウィキペディアヲ ミテネ →(フィッシュ・ダンス)」
「うわっ! 楽しやがった!」

センチメンタルに浸る間もなくカエルに突付かれまして、
舌れ梵を出てもまだ開店まで時間があったので、海の方をウロウロしました。

s_IMG_1837.jpg
「ナミニ フワフワ スルトコロ」
「うん、あながち間違ってない」

s_IMG_1839.jpg
Twitterのフォロワーさんにオススメ頂いた海岸ビルヂング
この辺りに並ぶビルはどれも雰囲気があります。
海岸ビルヂングは建物の真ん中に、3階まで真っ直ぐ伸びる階段があり、
上りきった先には……

s_IMG_1838.jpg
ステンドグラス!! とても綺麗。
国の登録有形文化財のくせに、現役でテナントが入っているっていうのがまた良い。
僕が行った時間はまだ早くてお店も開いてなくて、
その上カメラを忘れて写真が撮れなかったので、
絵面を知りたい方は、こちら→(レトロな建物を訪ねて)をご参照。

いや、でも僕が行った時間は他に人が居なかったので、静かで良かったですよ。
管理人さんが怪しそうな目でこちらを見張ってたくらい。
……すみません、ほんと。



と、今日はこのへんで。
「関西書店巡り」というタイトルなのに、一体いつ書店は出てくるのか!?
ご安心ください。いつものごとくです。
ここから先、書店しか行っておりません。
というわけで乞うご期待。次回まで、ごきげんよう。


ガガガSP 「卒業」




  

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ソントン という人間が書いています
だいたい本を読んでいます





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