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20130928Sat
 >0泊3日関西書店巡り(2) 「海文堂書店」

前回(1)は→ こちら

s_IMG_1835.jpg
メリケン波止場で波にフワフワして、町で噂の海洋少年団を撮影。


ってなわけで関西書店巡りの続きです。

s_IMG_1842.jpg
1軒目 海文堂書店

先に言い訳めいたことを書きます。
今回、出不精を通り越して引きこもりの僕が関西書店巡りを思い立ったのは、
海文堂書店が閉店することを知ったからでした。
僕はこれまで、海文堂の名前は知っていましたが、行こうとしたこともありませんでした。
そんな人間が、閉店が決まったからと、見納めだからと、
ノコノコ東京からわざわざ行くのが、どれだけ無粋なことであるかは分かっているつもりです。
ちょっと長くなりますが、僕の好きな本から引用。

“閉館が発表されるや、突如マスコミの取材が殺到し、皮肉なことに「死に体」の昭和館はにわかに活気づきはじめた。僕らが「閉館マニア」と読んで忌み嫌う連中も大挙して押し寄せ、瀕死の昭和館を貪欲に消費していく。
(略)
 今まで一度も来たこともないような連中が、カメラを片手に連日やってきては、アッチでパチリ、コッチでパチリと手前勝手に記念を作っていく。
(略)
 ああ、コイツらが、今頃になって押しかけてきたコイツらが、普段からしょっちゅう観に来てくれていたらなぁ……。そうすれば売り上げももっと上がっていただろうし、もしかしたら閉館も回避できたかもしれない。
(略)
 昭和館の閉館は「文化の損失である」などと、エラソーな文章を書いた作家先生もいたが、その本人が昭和館にほとんど足を運ばないのだからハナシにならない。結局みんな退屈なのだろう。退屈だから、ふだん行きもしない劇場の閉館で盛り上がっているのだ。”

――川原テツ『名画座番外地 「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記』(幻冬舎アウトロー文庫) より

と、まぁ、ごもっともですよね。
今回の俺も、店員さんや地元の常連さんの時間やら気持ちやらを荒らしに行っただけでしょう。
けれどじゃあ「すごく良い」という噂を聞く本屋さんが、もう無くなってしまうっていうのに、
いつもと同じような休日を過ごせるかと問われれば、本屋好きとしてはそりゃ無理な話で。
とりあえず、出来るだけ迷惑はかけないようにしようという心積もりで行ってきました。
(とは言っても、すでに見た目が汚いんだけどね)


長々とした言い訳を聞いて頂きありがとうございました。
ついに海文堂に入店です。
2階建てのお店で、主な商品が置いてあるのは1階。
まずは1階をグルッと見て回りました。
3連休明けの平日午前。そのわりにはお客さんが沢山入っています。
おそらく前日まではこんなもんどころじゃなくお客さんが来ていたことでしょう。
それに比べると地元のお客さんが多いためか、普段どおりといった空気が流れております。

そう、普段どおりなのです。

新刊は入ってなかったり、少し傾き始めている棚があったりはするのですが、
1週間後に閉店を控えている店とは思えないほど、普段どおりでした。
「いや、お前、普段の海文堂を知らんやんけ」という皆様のツッコミが聞こえてくるようでありますが。
雑誌の棚では数名のお客様が横並びで立ち読み、
児童書のコーナーではおじいちゃんと一緒にきた女の子が本を選び、
若い女性がじっくりと文庫の棚を徘徊し、
店員さんたちは、まったくいつもどおり働いてらっしゃいました。
いや、閉店だからといって、なにもそんなドラマチックなことを想像していったわけではないですが。
そこで流れる時間や、いらっしゃる皆さんの様子を見て、僕が思ったのは、

 え、こんな良い店が、なくなるの?

という、阿呆のような感想だけでした。

舌れ梵のマスターに「海文堂に行くんやったら、2階にも上がらなあかんで」
と重々言い含められていたので、ホイホイと上階へ。
名物の海事書・海のグッズコーナーがありました。
マスターがおっしゃってた船の舵などの大物は残念がら撤去されたあとでしたが、
雰囲気は充分に残っていました。
あと個人的には、やはり学習参考書の棚も見て回ってしまいます。

2階の奥にはギャラリースペースがあって、
「成田一徹 切り絵展」をやっていました。
2012年に急逝した神戸出身の切り絵作家、とのこと。
新聞コラムの挿絵を担当されたりなど、もしかすると今まで作品を目にしたことがあったかもしれないが、
お名前を見るのは今回が初めてだった。
切り絵はどれもそうなのかもしれないけど、非常にコントラストが効いているという印象を受けた。
ピントが隅々まで合っていて、細部への執念が凄い。
神戸で営業しているバーのカウンターとそのバーテンダーを切り絵にしたシリーズが一番好きだった。



・買った本
『海文堂書店の8月7日と8月17日』(夏葉社

僕が最近の本屋巡りをするきっかけになった『本屋図鑑』という本を出版された、一人出版社・夏葉社さん。
その夏葉社の島田さんが、海文堂の閉店を知り、
なにか出来ないだろうかと、作られたのがこちらの1冊。
そのフットワークの軽さが凄い。
表紙に写っている沢山のスリップ(本に挟まっているしおりみたいなやつ)を見るだけで、グッとくる。

ちなみに夏葉社島田さんが、海文堂閉店にあたって書かれた文章があります。
良かったら読んでみてください。特に、本屋好きの方は、ぜひ。
「海文堂書店」のこと本屋と旅する男 『本屋図鑑』裏話-6-

あと、海文堂のホームページに掲載されていたコラムの最終回も読んでみてください。
本屋の眼 ほんまの最終回
あまりこういうことを言うのもなんですが、僕はこの文章を読んで泣きました。



1階へ降りようとしたとき、階段脇に貼られているものに気がつきました。

・買ったもの
kaizu.jpg
「海図 三重県尾鷲湾」
そうです。まさかの、我が故郷三重県の海図を発見。
しかも、展示現品限りの500円。
俺が買わずに誰が買うというのでしょうか。即決です。
海文堂さんで、海の物が買えたってだけで嬉しいです。
大きめの袋に写真集と一緒に入れてもらいました。


いつか、夢が叶って、自分の本屋を始めることが出来たら、店の壁にこの海図を貼っておいて、
「この古い地図、何ですか?」
なんてことを聞いてくれたお客さん全員に、
「神戸元町に、海文堂書店っていうお店があったんですけどね、」
っていう話をしようと思います。

「僕は一度しか行けなかったんですけど、すごく愛されたお店だったんですよ」


くるり/三日月



  

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このブログのタイトルは OFZK です
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