20131003 Thu
0泊3日関西書店巡り(4) 「大阪の夜は更けて」


前回までの駄文
(1)舌れ梵の安さに感動する話
(2)海文堂で海図を見つけた話
(3)長谷川書店で財布を忘れる話


s_IMG_1862.jpg
ミナミで見かけたレトロ物件。
すみません、入る度胸がありませんでした。


では続きいきまっしょうー。いい加減、今回で終わらせます。

長谷川書店を出て、水無瀬駅からモノレールを乗り継いで、千里中央へ。
そういえば途中に万博公園がありました。太陽の塔って本物見たことないや。

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6軒目 田村書店千里中央店
http://www.senrichuou.com/tenpo.php?mise=134

千里中央駅に直結しているショッピングモールの3・4階にあります。
建物自体が縦長で、特に4階はフロア全部が田村書店。
とにかく広い! 向こう側の壁がよく見えないという感動。
壁やら床やら全体的に白いので、高級感というか、神殿感が凄いです。
疲れが出てきてた上にちょっと広すぎて、全部は見きれませんでした(3階行けなかった)。
長谷川書店(広くないっていうか、狭い)とのギャップが凄いやね。

ここでも「『本屋図鑑』を見て来ました」とレジに居た店員さんにお伝えすると、
なぜかわざわざ副店長さんを呼んで頂くという事態に発展。
「連休明けで配本が多いときにお呼びだてしてすみません」とマジ謝罪。
ナイスな笑顔で許して頂く。わざわざ本当にありがとうございました!
そしてやはり、「海文堂さん、行ってきたんですか?」と聞かれる。
「そうなんですよ『本屋図鑑』に載ってる書店さんを回ってまして」
「じゃあこれから隆祥館さんやね」
……これ絶対、他にも誰かが同じルートで回ってるよなぁ。

・買った本
野崎まど「ファンタジスタドール イヴ」(ハヤカワ文庫)


ヤボ用でミナミに寄る。ご飯をどこか店に入って食べようかどうか迷うものの、
おひとりせき喫茶店「coro」に行きたかったんですけどね)
毎度お馴染み、歩きながらコンビニのパンとコーヒーで済ませる俺。
本屋以外、ほとんどどこにも寄らない僕は、おそらく旅の醍醐味というものをほとんど知らない。
けど、そういうのは40代くらいにとっておこうと思う。足が丈夫なうちは書店巡りをするのだ。
パンをコーヒーで流し込みながら地下鉄へ。
ちなみに、大阪の地下鉄は運賃が高い上に、場所によってはやたら歩かされるので注意が必要だぜ。


s_IMG_1868.jpg
7軒目 隆祥館書店
http://atta2.weblogs.jp/ryushokan/

なにを隠そう、あ、いや、隠すことなんてないのでありますが、
今回の関西書店めぐりで一番凄かったのは、この、ちっこい隆祥館書店であります。

『本屋図鑑』では駅の出口を出てすぐにあると書いてあります。
そのとおり。まさにそのとおりなんだけど、
その出口が改札から一番遠いところにあるので、実際は結構歩く。
すでに暗くなっていたこともあり、周りの環境はよく分からないんですけど、
けっこうビルが立ち並ぶ中にあったような印象です。
向かいの歩道から店の様子をうかがう。本当に小さい店です。
僕は店の坪数とかに詳しくはないのだけれど、15坪のお店らしい。
(ちなみに今は1000坪クラスの書店がバンバン出来てます)

そんなお店がね、満員で入れないのである。

僕が行ったときにたまたまお客さんが集中していたのかもしれないけれど、
6名ほどのお客さんで店内がひしめき合っており、
書店が満員で入るのを待つという人生初の貴重な経験。

先に入ってたお客さんたちが出て行き、ようやく入店。
狭い店内にはミッシリという言い方がぴったりなほど、本が詰まっている。
昨日ブログに書いた長谷川書店は、本棚に隙やゆるさがある感じだったけど、
隆祥館では、本がグッと迫ってくる印象を受けた。

レジで話している男性2人組がいる。
AVANTIの教授よろしく聞き耳を立てていると、
どうやら京都の恵文社バンビオ店の方らしい。
「いつか来ようと思ってたんですが、ようやく来れました」と話されている。
和歌山のイハラ・ハートショップ、鳥取の定有堂書店、
そして、大阪の隆祥館、
書店員が行きたい店ってのが、確かにある。書店員詣。

平岡養一という戦前に活躍したらしい木琴奏者についての本をレジに持っていくと、
レジにいらっしゃったおじいさん(店長の二村さんです)が、
「あれ、お客さん若いのに、平岡さんのこと知ってんの?」と話しかけてくれた。
「いえいえ、音楽が好きなのでどんな本なのかなぁと思って」
「ワシが子どもの頃はラジオでよう聴いたもんやけどなぁ」
戦争体験者、あらわる。まさかの角度からの話題だ。

そこへ店長さんの娘さんらしき方が。
「お客さん、音楽が好きなら今度こんなイベントがあるんですけど、よろしかったらどうですか?」
とチラシを渡して下さった。
朗読とギターのコラボのチラシだった。

そのチラシはさておき、このお方が二村知子さんかー、とすでに感動である。

雑誌や講演会などで二村さんが取り上げられているのを目にしますが、
このたった15坪の街の書店・隆祥館書店を、全国に名を轟かすほど有名にした張本人。
そんな伝説の営業部長さんである。当然、僕の持つ手提げ袋を見て、
「海文堂さんに行ってきたんやね」と気付かれてました。

僕が「普段はこの建物の上の階でイベントをやってらっしゃるんですね」と聞くと、
「そうなんよ、例えばこんなイベントを今度やるんやけど」とチラシを渡された。

<隆祥館書店・第1回 ビブリオバトル&サイン会>
<ゲスト 牧野修・我孫子武丸・田中啓文・北野勇作・田中哲弥

「ほっ、ほげええええぇぇぇぇぇ!!!!?」
「あら、どないしはったん」
「なっ、なっ、なんなんスか!? このやたら偏った超豪華ゲストは!!?」
「皆さん関西の作家さんやからね」
「いやいや、それだけの理由でこの5人は集まらんでしょう!」
「牧野さんなんてこの店のすぐ近くに住んでて、今日もお昼ぐらいに来てたんやで」
「すげええっ! マジすげええっ!!」

大盛り上がりである。
僕が『本屋図鑑』を見て東京から来たと言うととても喜んでくださった。
あまつさえ名刺まで頂いてしまって恐縮しきりである。
僕は名刺を持っているような身分ではないので一度は遠慮したのだが、
「また何か教えてもらえるかもしれへんし」と渡してくださった。
話しかけられたことと言い、チラシと言い、名刺と言い、不思議なことに全く嫌な印象は受けなかった。
二村さんはこうやって、自然と人と繋がってしまえる人なんだなぁと思った。
思うに、目的とか打算とか以前に、ただただお客さんを喜ばせたいっていう気持ちがあるんだろう。
ちなみに僕が二村さんとお話をさせて頂いてる間にも、
普段から通っているであろうお客さんたちがバンバン来ている。
本当にすごいとしか言いようがない。
文庫の棚出しやらでお忙しい中、帰り際まであたたかく見送って頂きました。

また大阪に行くときには、ぜひ寄りたいと思います。
自然とそう思わせてくれるお店でした。

・買った本
通崎睦美『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』(講談社)



日も暮れて、キタの街を汗だくで爆走。
実はすでに、スマホの充電が切れております。記憶だけが頼りだぜ! 一気に行くぜ!

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8軒目 本は人生のおやつです!!

前々から行ってみたかったお店であります。
言うなら、まだバンドをやってたころ、大阪までライブで行ったときに、
時間さえあれば行きたかった書店さんだったんですけどね。
(その時はたしか、オダサクのライスカレーを食べて終わった。時代先取りした。)
今回、ついに行くことが出来ました。
古本半分雑貨半分、っていう感じの品揃え。
しかし着いたのが閉店直前。ゆっくりできず。
他に常連さんがいらっしゃって、店員さんと話しこまれてて、
いたたまれなくなりスゴスゴ退店。次回はぜひゆっくり行きたい。


s_IMG_1871.jpg
「約100人のブックカバー展」@梅田LOFT
http://bookkaba.lolipop.jp/wp/

せっかく開催時期に大阪へ行くのだからと、予定にブチ込んでみました。
架空の書店のブックカバーを約100人の方々がデザインしたという展示。
有名どころでは「いか文庫」さんが参加してらっしゃった。
それぞれのカバーに書店の設定も付いてて読んでて面白かったです。
古書店員・デザイナー・イラストレイターの方から一般の方まで幅広く、
さらに実際に好きなブックカバーは購入することも出来ました。
もちろん、買いましたとも。

あと、隣でやってた「FREE POP EXPO」が良かった。
障害者を持つ方たちが作った製品や作品を展示。実際に買うことが出来るものもありまして。
で、で、で、「Otto & Orabu」のDVDが出とるやないかーい!!って驚きました。
残念ながら所持金不足でこの場では買えなかったんですが、必ず買うぞ。
今、一番ライブで聴きたいバンドかもしれない。グッドネイバーズ、行きたかったなぁ。


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9軒目 清風堂書店
http://www.seifudo.co.jp/

さて、関西書店巡りもこのお店でラスト。完全に夜。
いざ数えてみたら9軒か。どうりで脚がパンパンだったわけだ。
地下鉄の東梅田駅直結、地下街にある書店さん。

学校の先生が読むような教育書の品揃えが凄いお店。
おそらくは学校の先生が来れるようにと設定された営業時間(10時~22時)。
あと自費出版部門もあって、気になる本がチラホラと。
たとえば、これとか↓
70歳からの留学 77歳で56か国ひとり旅 ブログ日記
買ってくれば良かった……。
最後は少しでも荷物を軽くしようと、日和って文庫本を選んでしまいました。
僕はまだまだ修行が足りないようです。

別のフロアにあるコミック店の品揃えも良かった。
さすがコミック補完計画を謳うだけはあります。

・買った本
高野秀行『アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン』(講談社文庫)



<今回の反省コーナー>

・実は1軒行けなかった店がある
 →1泊2日奈良京都書店巡り(予定)のときに回収したい
・スマホの充電が途中で切れて最後は野生の勘で帰って来れた
 →なんか充電できる的なのの購入を検討
・カメラを忘れてスマホのカメラを使ったので充電がさらに減ることに
 →今のコンデジをあまり気に入ってないので、新しいの買おうか
 →そんなお金はどこにも無い
・財布はレジ台に置き忘れない
 →これマジ大事
・向こうの人に迷惑だけかけてる気がする
 →いくら気をつかっても旅人である以上仕方が無い部分もあるので、魔法の言葉を唱える
 →つまり「旅の恥は掻き捨て」
・気温や天気対策も必要。行きも帰りも東京では雨が降ってて寒かった
 →荷物が重くなるので要検討
 →僕の場合、どうしても本(紙)が増えていくので、防水には気をつかいたい
 →そういえば今のリュック、高校の頃から使ってるやつやん
・もはや身に沁みて分かっていることではあるが、夜行バス、などでゴタゴタ
 →これはまたオマケ収録、か?



いちばんはじめにも書きましたが、
わざわざ時間をとってお話して頂いた書店の皆様、舌れ梵のマスターとママさん、
本当に本当にありがとうございました。おかげ様で良い思い出ばかりです。
このダラダラ長いだけの文章を最後まで読んで頂いたあなた様にも感謝を。
悪筆乱筆遅筆失礼無礼千万、重々承知。誠にありがとうございました。

そして、海文堂書店の皆様、
無くなってしまう前に海文堂を見ることができて、本当に良かったです。
お邪魔致しました。ありがとうございました。
最後の迷惑として、この一連の文章を海文堂書店に捧げます。

ってなわけで、ここらへんで。
0泊3日関西書店巡り記、完っ!!


では最後に1曲。

ハナレグミ&忌野清志郎 サヨナラCOLOR



コメント

by えこたん (URL)
おおっ、完結した!
完結しない小説チックだったからどうしようかと…。
そんな間にこちらに色々あり過ぎてわからんくなってしもうた(笑)

関西方面行く時があったら行って見たいと思います♪
そんで、心が落ち着いた時にもう一度読んでみます。
オマケよろしく←これは忘れません
2013.10.05 23:20 (編集)

by ソントン (URL)
色々あったご様子で。お疲れ様です。
また落ち着いたらお相手してください。

オマケ、自分で忘れちゃう前にやろうと思います。
お楽しみに。
2013.10.07 23:45 (編集)


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