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20131005Sat
 >山崎ナオコーラ『昼田とハッコウ』

山崎ナオコーラ『昼田とハッコウ』(講談社) を読みました。
http://bookclub.kodansha.co.jp/books/topics/hirutatohakkou/
昼田とハッコウ

テレビ番組「王様のブランチ」でも取り上げられたのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。
『人のセックスを笑うな』などで知られる、山崎ナオコーラさんの最新刊です。
ちなみに私、申し訳ないことに、
いくら思い返しても『人のセックスを笑うな』以外で山崎さんの著作を読んだ覚えがございません。
学生時代に読んだ気がします。気がしますってだけで、実際はもう少しあとかも。
あ、あと、『カツラ美容室別室』はタイトルが面白そうだなーと思った、っていうくらい。

なお松山ケンイチ・永作博美主演の、映画版『人のセックスを笑うな』は、
長回しのシーンが多くって、上映時間も長くって、途中で何度か寝落ちしそうになりました。
けど、サントラは超名盤です。挿入曲の『ANGEL』だけでも聴く価値あり。
今は無き名画座、上野スタームービーで見たのですよ。
もう1本は『パーク アンド ラブホテル』でした。手書きの看板が良い味出してたなー。
2階にね、都内唯一のゲイムービー専門館がありましてね、
入ろうか入らまいか、迷ってるうちに無くなってしまいました。


なんていつもの調子で脱線してしまいました。『昼田とハッコウ』の感想を書きますね。

東京23区を少し出たところにある幸福寺。
某雑誌のアンケートでは、若者に人気のある街1位に毎年選ばれるような場所だ。
幸福寺駅から直結の商店街にある書店“アロワナ書店”がこの話の舞台。
田中家の一族経営で、いわゆる「町の本屋さん」であるアロワナ書店の、
淡々と流れる日常の中に、ちょっとずつちょっとずつ変化が起こる。

ってな感じの内容。
“幸福寺”ってのは明らかに「吉祥寺」がモデルになってます。
“アロワナ書店”のモデルは、カバー写真のロケーションにもなってる「BOOKSルーエ」かと思われます。
作中序盤に出てくる古本屋“涙書房”はおそらく「百年」だし。
と、知ってる場所が出てくるとそれだけで嬉しくなります。

本当に淡々とした変化しか出てこず、ストーリーについてちょっとでも書くと即ネタバレになってしまいそうなので、言及するのはよしておきます。
連載小説だったっていうこともあるけど、人生みたいに、
前情報を何も入れずに、全部リアルタイムで感じた方が良い小説だと思う。

リアルタイム、ということでこの本について書くなら、
元は『群像』という文芸雑誌に2010年3月から2012年3月にかけて連載された作品です。
連載時期に合わせて、ほぼリアルタイムでお話は進んでいきます。
つまり、2011年3月11日のことも、ちゃんと書かれているんですね。
他にこのような作品があるかどうかは知らないけれど、
震災前~震災中~震災後と、人の考え方や、あと感情の変化のようなものが、
すごく真っ当に書かれていて、それだけでも感動するものがありました。


あと、書店員の仕事、特に、町の本屋さんの仕事ってどんななの?って思ってる人は、
この本の18章のはじめだけでも読んでみて下さい。
おそろしく上手くまとまった形で書いてあります。

書店の話ですから、斜陽と言われて久しい書店業界のこれからについて、
おそらくは山崎さんの考えと思われる内容が書かれている部分があります。
(僕は普段から書いてあることを鵜呑みにしてしまう傾向があるんですが、)
山崎さんの考え方については、同意、です。

個人的に、“本”というものは無くならないかもしれないけれど、
書店は今後、もっともっと減っていくと思うのですね。
市街地にメガ書店が1軒あって、それ以外の中小書店は消えていく。
僕が普段働いている場所は売場1000坪クラスの大書店ですが、
売り上げが前年比100パーセント越えることは、月に数回です。そんな感じなのです。

ただ山崎さんが書かれたことと違って、
それでも僕が書店をやりたいなぁと思っている理由は、
作中に書かれているような大きなものではなく、
ただただ本が好きだから、という単純なことに尽きるんですけどね。
ってこれは個人的なことですね、失礼。


最後に、1ヶ所だけ、作中から引用。

“オレはどこに行こうかと考えを巡らせた。自分ひとりのときは、松屋かてんやか富士そばかはなまるうどんだ。月収十八万五千円で、ボーナスは出たり出なかったりという仕事だから、自然とそうなる。”

他の書店員さんの給料なんて知らなかったので、安心した一文でした。
これが取材に基づく数字だと信じながら、
今日のところはこれでおしまい。最後に1曲お聴き下さい。


山崎まさよし 僕らは静かに消えていく




  

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