20140423Wed
貴志祐介『雀蜂』



雀蜂 (角川ホラー文庫)雀蜂 (角川ホラー文庫)
(2013/10/25)
貴志 祐介

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貴志祐介『雀蜂』を読んだ。
私の友人・ツンタロー(ツンが苗字でタローが名前です)に、
「ソントンさん、この本全然面白くなくて、
 俺最後まで読めなかったので、ぜひ読んで感想聞かせてください」
という新手の嫌がらせかしら、という押し付けられ方をしたのである。

ただ、ツンタローに以前、いとうせいこう『想像ラジオ』をお借りし、
大変面白かったことを伝えて返すと、
「え、俺、正直これのどこが面白かったのか分らなかったんスけど」
と言われたことがあったので、もしかすると、
ツンタローがつまらない本=俺には面白い本、とい図式が成り立つやもしれんと、
今回も有り難くお借りして読んだところ、

本当に面白くなくて、かっ飛ばすようなスピードで一気に読んでしまった。

ツンタロー、選球眼を疑ってすまん。


冬の山荘で、中年作家が、スズメバチに追われまくる。
というだけの内容です。マジで。
実は僕は貴志さんの作品を読んだことが無く、
『青の炎』『黒い家』などに関しては、傑作!、
という評判だけは聞いていたのでいつか読もうとは思ってて、今回の不幸な事件。
例えば、樋口祐介さんの作品を読んだことがなくて、
初めに『ピース』を手にとってしまった、という不幸も以前にありましたので、
(この不幸に関して、僕は書店のPOPが犯した罪は大きい、と思ってるんですけどね)
今回の『雀蜂』事件に懲りず、貴志さんの本を他にも読んでみようと思います。


個人的に、どんな本を読むときでも、損したくない、という貧乏根性が出ますので、
自分なりに楽しい解釈をくわえてしまうことがあります。
例えば今回の『雀蜂』も前半は面白く読める部分がありました。
主人公である男性作家は、過去にスズメバチに刺されたことがあり、
もう一度刺されると強烈なアレルギー反応が出て死に至ってしまうため、
迫り来るスズメバチたちから本気で逃げ回るのですが、

その様がなんというか、志村うしろー! に近いものがあって、面白かったのです。

筆致がサスペンスとかミステリーっぽいのですが、
もしかするとその書き方でスラップスティックを展開しようとしているのかな、
スラップスティックの当事者の心境をしっかり書くことでブラックな笑いを誘ってるのかな、
と勘繰り、だったら結構シュールな笑いで面白いなと思いました。
一人称の小説ならではやなー、と。

そう思ったからこそ、なんですけど、
このオチ、いらんかったなー、と。
カバー裏の煽り文に「ラスト20ページのどんでん返し」って書いてあるんやけど、
こんな頭を使ったオチはいらんから、
ドタバタドタバタドッカーン!ギャハハー!
って感じで終わって欲しかった。悪ふざけしたときの筒井康隆さんみたいな。


乾くるみ『イニシエーション・ラブ』とか、
歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』に端を発すると思われる、

“最後の一行を読んだ後、必ずもう一度読み返したくなる!”
“ラスト○ページのどんでん返しに驚愕すること必至!”

っていうあおり、最近は食傷気味で。
昔は叙述トリック大好きですごく読んでたんですけど、
(ちなみに、『イニシエーション』も『葉桜』も大好きです)
どんでん返しがあるって分かってて読むどんでん返しって、
なんか予定調和で嫌だなー、と思ったっていうか。
そういうのはどうしてもどんでん返されたい気分のときに読むことにします。

個人的に最近、
バイオグラフィー抜きで読む、ってのをやってみたいなーと思ってて、
(千野帽子『俳句いきなり入門』を読んで影響を受けました)
帯やカバーやPOPや書評やプロフィールやAmazonレビューやら。
あまり見ないで選びたいなと思ってるんやけど、
いざ試みると二の足を踏んでしまいますね。

版元・装丁・タイトル・初めの2・3ページ・奥付、
くらいで未知の作者の本をバシッと買っちゃうような格好いいこと、
やってみたいッス。


ってなところで今日はおしまい。
最後にスロヴァキアのバンドの曲でお別れです。
サビの歌詞にご注目ください。

BijouTerrier - JAPANESE TOURBUS ( 日本の観光バス )



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