20141021Tue
舞台 青年団 『暗愚小傳』 を観ました


青年団 『暗愚小傳』@吉祥寺シアター を観ました。

高村光太郎と智恵子の生活を素材に、変わりえぬ日常を縦軸に、文学者の戦争協力の問題を横軸に、詩人の守ろうとしたものを独特の作劇で淡々と描く・・・。
平田オリザ90年代初期の名作、10年ぶり、三回目の再演。
青年団ホームページより)


 10年前に小劇場にはじめて足を運んで衝撃を受け、以来、年に10~30本くらいは舞台を観てると思います。最近は特にそうなんですけど、知り合いが出演している舞台を観に行くことが多いので、有名どころにはあまり足を運ぶ機会がありませんでした。柿喰う客を観に行ったのもごく最近の1回きりですし。青年団も今回が初めてでした。
自分の知識と理解(+Wikipedia)なんで間違ってる部分もあるかと思いますが、青年団は1983年に旗揚げして以来、ずっと途切れることなく活動している劇団です。夢の遊眠社や第三舞台など、動きや声量が大きく派手なものが人気であった80年代の小劇場舞台のなかで、青年団は“静かな演劇”を標榜し、現代口語演劇と呼ばれる方法で舞台を作りました。代表は平田オリザさん。アルバイト書店員といたしましては、小説『幕があがる』や新書『わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か』が話題になったことも記憶に新しいです。
と、僕がつらつら書くまでもなく、平田さんや青年団の活動については、想田和弘監督のドキュメンタリー映画『演劇1・2』を観れば、大体分かって頂けると思うので、ぜひご覧下さい。面白い映画です。1は舞台(特に青年団に関して)の本番がどういう風に出来上がっていくか分かりますし、2の方では平田さんの超人的な活動が垣間見れます。ほんと、人畜無害で温厚そうに見えて、すごい熱量を持った人です。

 舞台の感想を簡単に。「現代口語演劇はややこしいよ」ってよく聞いてたんですけど、これまでいくつかややこしい演劇を観てきたので、そうでも無かったです。現代口語演劇といえば“同時にいくつかのセリフが飛び交う場面”ですが、ジエン社の方がもっと訳分からんかったし。背中を向けたままでセリフを言うとか、今じゃよくあるし。リアルに近い演劇、とは言うけど、あくまで演劇なんで、演技のお約束っていうのはやっぱりありますし。僕が前評判とか伝説とか聞いて身構えてたこともありますが、観づらいなんてことは全く無かったです。
 ストーリーはあらすじにあるとおり、高村光太郎を主人公として、智恵子が亡くなる前後を描いたものです。日常で起こったちょっとしたドタバタを切り取った、という感じ。舞台は光太郎宅のダイニング(のような場所)のみ。そこに次々出入りをする人たちの会話が続いていきます。
 恥ずかしながら、高村光太郎の著作はひとつも読んだことがありません(青空文庫にも入っているのに……)。彫刻作品の『手』を観たことがあるくらいです。なので今回の舞台を観ただけで言うんですけど、すごく温かな、だけど芯のところでは頑固というか偏屈というか、そういった印象のある人だと思いました。
 特に感動したのは、ラストのシーンです。ネタバレですみませんが、死んだはずの智恵子と、そしてこれも生前に親交のあった宮沢賢治が、光太郎のいる部屋へとごく自然に入ってくるんですね。特に智恵子は死ぬ直前の頃に、光太郎に「旅行に行きたい。馬の居るところがいいな」というようなことを言っており、そのときは室内で馬の格好(四つんばい)をさせた光太郎にまたがってグルグル回る、といった遊びをやったのですが、ラストシーンの幻想のなかでは、光太郎みずから四つんばいになって智恵子を誘い、智恵子もただまたがるだけではなく、しがみつくように光太郎の背中に乗ります。その二人の、いまや夢の中でしか出来ない親密さ、にグッときました。

 普段の青年団がどういう感じなのかは知らないんですが、今作では笑える仕草・セリフが多くて、観てて全く退屈しませんでした。っていうか、もっと早く観に行っていれば良かったなー、と思ったくらいでした。またぜひ観に行こうと思います。光太郎の著作も読みたいと思います。



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