20150330 Mon
プレミア格差


 今さら、bandcampとsoundcloudの使い方が分かってきた。おかげでまたインターネット引きこもりが加速しそう。
 だってネットにさえつながっていたら、Mark Guilianaのアルバム『My Life Starts Now』のフルがフリーで聴ける。何回だって聴ける。しかもオフィシャル。思わず2回通して聴いてしまいました。



 一体、どこで利益をとっているんだ。謎。クリス・アンダーソンの『フリー』を読めば分かるのだろうか。読んでやろうか。
 こんなもんがあったら、CDはデッドメディア、ってそりゃあ言われるだろうよ。若者がダウンロードで音楽を買うのも分かる。そりゃあ速いもんな。
 けど、選択肢っていうのはあってしかるべきだ。データは本当に一瞬でなくなる。大量の0と1のどれかが1つだけ変わっただけで、もう起動しなくなる。それに比べて、レコードの強さたるや。アナログ原理主義者がいるのも頷ける話。カセットテープだって復活のきざしがあるし。
 すげえ時代。音楽はきっと、まだまだ多くなる。速くなる。広くなる。良くなる。生きていくのが少し楽しみになった。

 代わりに、個人個人にキュレーションや編集の能力が求められる。それを表に出すかどうかはともかく。もしくはそれぞれで信頼するキュレーターを見つけるのもありだと思う。そういった選球眼みたいなのを磨いていかないと、情報が多すぎて、たぶんいつか死ぬ人とか出てくると思う。いっそ情報を断つのも一手段だと思う。けどやっぱ情報って、麻薬的な魅力があるから、僕なんかもう「ジョーホージョーホー!」っていう鳴き声に半ばなってる。ツムツムやってる暇あるならTwitterのタイムライン更新しろよとか思ってる。ごめん言いすぎた。


 考えてみると、すごく不思議な格差が生まれている。手が届くべき部分へは誰もが手を届かすことが出来るのに、そのオマケみたいなもので差が分かれる。
 例えば本だと、谷崎潤一郎が来年2016年で、死後50年となり、著作権が消滅して、まあ間違いなく、青空文庫に入る。つまり、『細雪』や『痴人の愛』なんかが、いくらでも無料で読める。僕なんかでも、気合さえあれば読破できるだろう。
 対して、中央公論社からは今年の5月に、『谷崎潤一郎全集決定版 全26巻』の刊行が開始される。全巻一括払いの特価でも、本体156,420円である。月給12万円の負け犬なんかには絶対に買えやしない。
(余談ですが、装幀 ミルキィ・イソベという人選は、中公の心意気やよし、と声を大にして言いたい)
 そりゃあ本という体裁はすげえ良いっていうのは分かるし、価格分のクオリティでは出版するんだろうけど、それでも、いつかはきっと全部無料で読めるようになるであろうものを、15万円で買えるかどうか。そういう差。
 最近は、東野圭吾の最新作がはじめから文庫版で出たりしている。そのあとで単行本を数量限定で出せば、ファンやコレクターは絶対に買う。西尾維新の作品でも、ノベルス→単行本になった本があったはず。今とは逆でそのうち大衆小説なんかは、文庫→単行本っていう流れになるような気もする。
 音楽だってそうだ。hpのノートPC+1000円未満のイヤフォンで聴くネット上の音源と、ハイレゾ再生環境バッチリで再生する音源、たとえ内容は同じでも、きっと差は出てくる。メロディなんか本質は同じだとしても。
 まあ、音楽に関しては、ライブが一番プレミア感も音質も良いってのは間違いないんだけど。

 貧乏人でも、本や音楽に関しては、例えばキャビアをいくらでも食べられる時代になったっていう感じ。ただ、金や時間をかけられる人は、ちゃんとしたレストランみたいなところでキャビアを食べるのに対して、下の人は100均の紙皿で食べてる、そんな時代。





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山瀬まみ「ゴォ!」


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