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20150405Sun
 >東宣出版の「はじめて出逢う世界のおはなし」シリーズ、5冊読みました

 ちょっと前に読んで、ブログに「面白かった!」って感想を書いた、ロベルト・ピウミーニ『逃げてゆく水平線』。さっそく、そのシリーズ「はじめて出逢う世界のおはなし」の既刊を読んだので、簡単な感想を書いておきます。図書館で借りて読んで、もう全部手元に残っていないので、記憶に頼ったあやふやなものですが、ご堪忍。

 シリーズ5冊を面白かった順に並べてみます。


1位 人生の嘘
 イタリア ロベルト・ピウミーニ『逃げてゆく水平線』
 結局、シリーズに出会ったきっかけでもある、『逃げてゆく水平線』が一番好きだったなあ、という結論。ほんとに面白いので、気になる方はぜひ読んでみて下さい。カラッと乾いた狂いっぷりが素敵です。

2位 一冊丸々、伏線
 ロシア グリゴリー・オステル『いろいろのはなし』
 これヤバかったです!超絶フィクション。さすが文豪大量産地ロシア。
体裁は超連作短編集です。閉園後の遊園地で、メリーゴーランドの木馬たちが園長に話を聞いているという設定。すでに頭がおかしい。
 連日連夜、話をしてあげてきたため、園長の話は今夜でネタが尽きて終わり。なのでこの本は、はじめに「最後のお話」というタイトルから始まる。ところが、話が終わって欲しくない木馬のたちの中で、一番の切れ者の木馬が、
「まだ終りじゃないでしょ、ほらさっきの話の途中で出てきた、あのおばあさん。おばあさんは一体どうなったの?」
そして最後の話はやがて、延長に延長を重ねて、42話に突入。しかも木馬たちは次々と同じような手で園長に話をせびるため、まるで手塚治のヒゲオヤジ的スターシステムのように、園長の話のあちこちに同じキャラが出てきて、そのキャラ同士が絡み合って、街が出来上がり、物語は妄想のスピードに乗っかってグングン進みます。あくまで作り話ベースなので、ロジカルな部分はかっ飛ばして楽しいエッセンスだけが残っている感じ。たとえば、基本的に出てくる動物は全員喋るし。サルのお母さんが何だかんだ一番強かったりするし。
 個人的に、小学生の頃、帰り道で友達と延々喋りでロールプレイングゲームみたいなことをしてたのを思い出しました。自分達でいくらでも勝手に作れるので、家の近くになると最強の武器が出てきてそれまで全然死ななかったラスボスが楽勝で倒せたりするっていうやつ。なんか、お話作りの原点、みたいなものを思い出すような本でした。

3位 天使、マジ、人間
 チェコ パヴェル・ブリッチ『夜な夜な天使は舞い降りる』
 人間たちを見守っている守護天使たちが、夜な夜な教会にあつまって、自分がついている人間のことをダベる、という内容です。
 収録作のうち、いくつかは元々ラジオドラマのために書かれたようで、基本的に、語られる話、という体で書かれていて、とても読みやすい。
『過労気味の天使』、そして『古いタイプライター』という話と、その話をする天使が好きでした。


4位 子どもには読ませんな!
 アルゼンチン サマンタ・シュウェブリン『口のなかの小鳥たち』
 シリーズ中随一の大人向け。しょっぱなの『イルマン』からして、もう子どもに読ませてはいけない。二人組みの男がたまたま立ち寄ったドライブウェイにて起こる、なんとも不気味な話。
 そして『サンタがうちで寝ている』とか『アスファルトに頭を叩きつけろ』は、絶対に子どもの手の届かないところへ置いておきましょう。大人が楽しんで読めば良いのです。子どもは父親のエロ本を狙うがごとく、なんとかして読みなさい。
作者は、ボルヘス、カサーレス、コルタサルの流れを汲む、新世代幻想文学の旗手とのこと。その流れが好きな人は気に入るかもしらん。
 収録作の中では、『蝶』という短編がすごく好きでした。白昼夢。白昼悪夢。あと、『弟のバルテル』。この話は、すごくよく出来ていると思います。生きている限りどうしようもなく抱えなければならない通奏低音のような不安と、やがてくる決壊。


順位付けておいて言うのもなんですが、ここまではほんとに、甲乙付けがたいです。気分によってはいくらでも入れ替え可能な感じ。
さて、問題児です。

5位 ガーリー……?
フィンランド レーナ・クルーン『スフィンクスか、ロボットか』

 ……ごめん、途中で読むの止めた。別に嫌いじゃないんだけど、読みづらかった、ので。あくまで僕は苦手だった、というだけで、好きな人は絶対に好き、っていうか、好きっていう人結構多いんじゃないかな、と思います。
 岩波のスタンプブックスシリーズでも『二つ,三ついいわすれたこと』はあまり面白いと思わなかったし、おいら、こういう、なんというか……、ガーリーな感じ、があまり得意ではないのかもしれません。



 あまり海外文学が読まれないなか、こういうシリーズを出す心意気がまず凄いと思います。私はこれからも東宣出版を応援しております。



  

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