20160202 Tue
おばあちゃんの梅酒


祖母の漬けた梅酒が倉庫に眠っていると聞いたので、
荷物を片付けがてら、探してみるとすぐに見つかった。
糖分のためか、フタががちがちに固まっていたのを、
弟が色々と工夫して開けてくれた。
僕のやわな右腕はすでに筋がおかしくなっていた。

さっそく風呂あがりにロックで一杯頂いた。
保存状態がかなり悪く、見た目も心配な色になっていたけど、
味はしっかりと甘く、濃厚なコク。
ブランデーで漬けたのかと思うほどだった。
(ホワイトリカーで漬けたらしいです)

祖母は7年ほど前に亡くなっている。
亡くなる3年前には体調を崩して、入退院が始まっていた。
なのでこの梅酒は10年以上前の物だろう。
弟も、それくらいの時期までは作るのを手伝った覚えがある、と言う。
成年する前に僕は実家を離れたからか、知らなかったのだけれど、
祖母は毎年のように梅酒を漬けていたらしい。
そしてこれが、最後の1本である。

小さい頃から祖母にはよく迷惑をかけた。
せっかく入った大学も辞めてしまって、上京してブラブラと、
舞台やバンドを始めた僕を、ずっと心配していたんじゃないかと思う。
祖母が入院してからは、年に1回か2回会うくらいになって、
結局、死に目にも立ち会えなかった。

祖母のことを思い出したところでタイミング良く、
僕の学生の頃の荷物をまとめたダンボールから、
祖母からもらった手紙が出てきた。
僕が送ったメールへの礼、正月に行くらしいカラオケのこと、
一人暮らしの僕を心配することばなどが並んでおり、
最後は
“では又逢う日まで。さようなら”
と締められている。

弟は梅酒を飲んで
「シロップみたいに甘いけど、漬けすぎたか、少し苦いな」
と言っていた。
たしかに、ほろ苦い。





コメント

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.02.03 22:32 (編集)

by ソントン (URL)
大丈夫、NGじゃありません(笑)
2016.02.04 10:46 (編集)

by ()
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.02.05 09:13 (編集)

by ソントン (URL)
伊勢湾に近いだけあって、温暖な文書を書いております。
また書けたら教えてー!
2016.02.05 10:50 (編集)


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